流 (東山 彰良 講談社)
台湾の外省人(内戦後に台湾に逃れた国民党系の人)の孫である主人公(葉秋生)は、大切に育てれられ学校でも優等生だったが、高校時代の友人と悪行を重ねて退学になり人生が狂う。軍学校も半年ただずに辞め、徴兵されてしごかれる。幼馴染で恋人だった毛毛(マオマオ)とも、軍隊にいた2年間に疎遠になってしまい・・・という話。
直木賞受賞作品。本のオビに記された、直木賞審査員であるベストセラー作家の方々の(いつにない)興奮気味の褒め言葉が、お付き合いコメントとは思えないほどの熱いものだったので、受賞当時買ってすぐ読んだのですが、最初の70ページくらいで「え〜それほどでもないな」と思ってしまい未読のまま2年以上経ってしまいました。
今回、気を取り直して最後まで読んでみてオビのコメント通りの秀作であることがやっとこさわかりました。
本書は、復讐譚、犯人さがしのミステリ、熱血青春もの、中国と台湾間の問題、血族の意味などなど、盛りだくさんすぎるテーマを絶妙のブレンドで配合した小説なのですが、主軸は秋生と毛毛の関係を描く恋愛モノです。
なのですが、二人の恋愛は(ハードカバー版の)140ページくらいから始まるので、最初読んだ時つまらないと思ったのは、中心の物語が開幕していなかったからだったのかもしれません。
二人の恋愛が始まると、そこを中心にして様々なエピソードがぐるぐるとドライブし始めて「流」の世界にどっぷり浸ることができました。
秋生が軍隊時代にかつて派手なケンカをした相手:雷威と再会し、雷威が詩人を志していることを知る場面、それに毛毛との別れの場面が特に素敵でした。
台湾の外省人(内戦後に台湾に逃れた国民党系の人)の孫である主人公(葉秋生)は、大切に育てれられ学校でも優等生だったが、高校時代の友人と悪行を重ねて退学になり人生が狂う。軍学校も半年ただずに辞め、徴兵されてしごかれる。幼馴染で恋人だった毛毛(マオマオ)とも、軍隊にいた2年間に疎遠になってしまい・・・という話。
直木賞受賞作品。本のオビに記された、直木賞審査員であるベストセラー作家の方々の(いつにない)興奮気味の褒め言葉が、お付き合いコメントとは思えないほどの熱いものだったので、受賞当時買ってすぐ読んだのですが、最初の70ページくらいで「え〜それほどでもないな」と思ってしまい未読のまま2年以上経ってしまいました。
今回、気を取り直して最後まで読んでみてオビのコメント通りの秀作であることがやっとこさわかりました。
本書は、復讐譚、犯人さがしのミステリ、熱血青春もの、中国と台湾間の問題、血族の意味などなど、盛りだくさんすぎるテーマを絶妙のブレンドで配合した小説なのですが、主軸は秋生と毛毛の関係を描く恋愛モノです。
なのですが、二人の恋愛は(ハードカバー版の)140ページくらいから始まるので、最初読んだ時つまらないと思ったのは、中心の物語が開幕していなかったからだったのかもしれません。
二人の恋愛が始まると、そこを中心にして様々なエピソードがぐるぐるとドライブし始めて「流」の世界にどっぷり浸ることができました。
秋生が軍隊時代にかつて派手なケンカをした相手:雷威と再会し、雷威が詩人を志していることを知る場面、それに毛毛との別れの場面が特に素敵でした。