蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

桃さんのしあわせ

2014年04月19日 | 映画の感想
桃さんのしあわせ

映画プロデューサー?のロジャーは、家政婦の桃さんと二人暮らし。桃さんはロジャー家で4代にわたって家政婦として働いていましたが、ロジャー以外の家族は皆、海外移住?をしてしまっています。桃さんは脳梗塞?の発作で倒れ、自ら望んでわりと安めの老人ホームへ入ります。ロジャーは(費用を負担するから)もっと高いランクのところを薦めますが、桃さんは拒否します。
ロジャーは忙しい日程をぬって桃さんの面会に訪れ・・・という話。

おそらく生まれた時から間断なく桃さんの世話になっていたロジャーと桃さんには、実の親子に近い感情があったのでしょう。
桃さんが倒れてから、ロジャーが献身的ともいえるほど桃さんの面倒をみようとする理由の大半はそこにあると思いますが、二人が実の親子以上に親密さを維持できたのは、むしろ家政婦とその雇い主という本来の(主従に近い)関係性にこそあったように思えます。

実の親子(あるいは家族)だとお互いにナマの感情をぶつけられるので、かえってケンカになってしまって、それが長引くと関係性自体が崩れてしまうことがあるのだと思うのですが、桃さんには、実の息子同様のロジャーといっても、やっぱり、どこか遠慮があり、物言いも控えめです。

人間関係を良好に保つコツは、例え相手が、親(子)・上司(部下)・先輩(後輩)であっても、感情をむきだしにすることなく、さりげない礼儀、マナーを保つことでしょう。「親しき中にも礼儀あり」ということですね。
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パシフィック・リム

2014年04月19日 | 映画の感想
パシフィック・リム

深海の海溝の裂け目?から巨大怪獣が出現して世界各地を襲う。
軍隊を繰り出してなんとか撃退するが、効率が悪い?ので、そのうち怪獣なみの巨大な二足歩行のロボットを作りあげて対抗するが、今度は倒しても倒しても次々に怪獣が出現するので、都市の周りに防壁を設けて怪獣の侵入を防ぐ方針に変更される。
失業状態?のロボットパイロットは集結して最後の決戦を挑むが・・・という話。

日本の特撮怪獣映画・TV番組への思い入れが随所に感じられ(なんといっても「怪獣」を「kaiju」と表記+発音させるところが泣かせる)、無理目の筋書や設定なんて往年の特撮ファンにとっては全く気にならず、というか、そういう方面と無縁な人から見るとトンデモなストーリー自体が、製作者の怪獣映画に対するオマージュやリスペクトなんだろうなあ。

絶対壊されないはずの巨大な防壁をより強大化した怪獣があっさりと突破するシーンはもしかして「進撃の巨人」を早くもモチーフとしたんだったりして・・・

圧巻は香港での戦闘シーンで、怪獣とロボットが戦ううち、市街地を壊滅させてしまう破壊映像がすごい。この手のものでは「ガメラ3」の渋谷破壊シーン以来の興奮?を覚えた。
街を壊しまくったあげくに怪獣が(翼竜型に)変態する場面は(後から考えると定番の展開なのだが、その時点では)意外性があり、CGもよくできていて、「ここで終わりでもいいな」と思ったくらいだ。

ちょっと気になったのは、怪獣の見た目や行動がまさしく「モンスター」的で、なんというか、感情移入の余地がないこと。
日本の特撮映画に登場する怪獣ってどこか人間的というか、「君の言い分もわからないではない」という感じがあった、と個人的には思う。
ウルトラセブンに登場する、地球征服や人類絶滅を狙う宇宙人すら、どこか愛嬌?みたいなのがあったような気がする。
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