蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

決断力

2005年08月23日 | 本の感想
羽生善治さんが書いた「決断力」(角川One テーマ21)を読み終わりました。

教訓めいたことを書いてあるところは、なんというか、まあ、ありきたりのビジネス本に書いてあるようなこと程度のものなのですが、本書の魅力はそういった部分以外にありました。

情報技術の発達により局面研究が緻密に進んだ結果、棋士の技術は確実に進歩しており、昔の名棋士と対戦しても(相手が現代の将棋を研究するまでは)間違いなく勝てると断言しているところ。

深く将棋に集中していくのはスキューバダイビングで深い海に潜っていくのに似ている、だから「これ以上集中すると、「もう元に戻れなくなってしまうのでは」と、ゾッとするような恐怖感に襲われることもある」という。また、将棋だけの世界は狂気の世界であり、1年間といった長期間毎日将棋に没頭していると、だんだんおかしくなっていくのが自分でわかるというところ。

将棋だけの狂気の世界ってどんな感じなのか、自分がおかしくなっていくのがわかるというのは具体的にはどういうことなのか、その当りをもっと詳しく知りたかったと思いました。(言葉にするのは困難なんでしょうが)
コメント
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