老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

東京都「青少年保護条例」の問題点(続)

2010-03-25 10:18:14 | 民主主義・人権
掲示板コラムにも書いてきたが、東京都の青少年保護条例の疑問点が更に増大した。これまで、「この条例案や児童ポルノ犯罪の改正案は、特定の個人や団体(政党を含む)の恣意的な倫理観を法令として成立させるものである」と言ってきたが、参考文献の憲法教科書(長谷部恭雄著)によれば、更に、この倫理の強制は多数による少数への圧迫となり憲法違反の疑いがあるという。

法律の制定も多数意見により出来上がるが、倫理となるとその是非は異なる。宗教倫理であったり迷信に近い倫理であることもありうる。この多数意見の押し付けという問題は重要である。

もうひとつの問題点として、東京都条例は青少年の性教育という問題をどう考えているのであろうか、ということがある。18歳未満と想定されるという漠然とした規定は憲法違反であるが、それ以上に性教育で扱われる教育内容もそのままでは条例が適用される「性表現」に該当する。しかしこれでは教育自体が成立しない。

森山元大臣のように大日本帝国の教育を受けた人間ならいざ知らず、マスメディアが発達しネットでも性表現が出回っている今日、性教育も事実上否定して古代人のように未成年者の目を覆えるとでも考えているのか。それこそ「表現の自由」が要請する「知る権利」(子供らの)を奪うことになり、憲法違反の法令ではないのか。

こうして、さまざまな疑問がつぎつぎと出てくる奇妙な条例である。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
名無しの探偵

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