老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

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薬害は小林化工の問題だけではない!他に癌の発症例もある

2021-02-13 09:36:55 | 社会問題
2021年2月11日の朝日新聞の「天声人語」は小林化工の薬害事件を取り上げ、「病気を治すはずの薬が命を危険にさらすとは」と的確な批評をしています。このコラムを読んで、「癌の発症は私だけではないのではないか」と、厚労省と沢井製薬にとっては不都合な真実かもしれないが、敢えて私事を紹介しておきたいと思います。

・実は2019年10月4日の朝日新聞夕刊で、「ラニチジンに発癌性物質が混入しているとの疑いで製薬会社が自主回収と厚労省が発表」とのベタ記事を読み、聞き覚えのある薬品名だと思い、過去のお薬手帳を探して見たところ、平成23年(2011)12月19日から平成28年(2016)3月26日まで2つの医院でラニチジンンを処方され、同年5月中旬頃まで服用していたことが分かり驚愕しました。何故ならこの記事を見た年の10月時点で私は下部食道癌と診断されて3年4ヶ月間癌との闘病中だったからです。

今でも当時の回収状況は「ラニチジンorザンタック自主回収」でネット検索可能です。因みに小林化工もラニチジンンを製造販売しています。詳しいのはFridayの下記urlの記事です。
https://friday.kodansha.co.jp/article/82449

・ところが当時の夕刊の記事では、製薬会社も厚労省も、「ラニチジンによる発癌性を示唆する事象と重篤な健康被害の発生も報告はない」とのコメントでした。また私が服用した沢井製薬も同日ホームページで同様のコメントを発信していました。しかし発がん物質の含有が分ったのは自主回収した2019年10月4日であり、医者でも寝耳に水の情報なはずであり、過去の追跡調査もせずに癌発症の報告は無いとの発表は不自然と思い、更に薬害ランクは最高のクラス1での自主回収であったので、そこから闘病中の体に鞭打ち、ラニチジン使用前使用後の病院での診断資料を収集したところ、時系列で次のような診察履歴が揃いました。そして自分の癌とこの薬の因果関係を直感した次第です。

1,先ず私は平成23年(2011)頃に胸焼を感じ、平成23年(2011)12月17日に神戸市北区の某病院で人間ドックを受診して、「逆流性食道炎」と診断される。(診断書と胃カメラ写真あり)

2,その2日後の12月19日に同区の某医院を受診し平成27年(2015)10月24日までサワイラニチジン錠(旧名ラデン)150mg・1日1錠を処方され、その薬が切れたので平成28年(2016)1月に同区某医院に転院して3月末迄同薬を処方され、5月中旬頃まで合計約4年半、1279錠を服用。(全てお薬手帳あり)

3,そして平成28年(2016)5月20日に黒色タール便を発症し北区の総合病院に緊急入院し胃カメラ検査の結果「進行型食道癌]を疑われ、「下部食道癌、上部消化管出血」と診断される。(上部胃カメラ写真と診断書あり)ドックでの胃カメラ写真と当病院の写真を比較すれば誰でも逆流性食道炎が溶岩の様な下部食道癌に変異していることが判ります。

4,平成28年(2016)6月10日に大学付属病院食道胃腸外科に転院し精密検査の結果、食道胃接合部癌、転移性肝腫瘍と診断され(診断書あり)、後日ステージ4で手術不能と告げられ、まさに抗がん剤治療中の2019年10月4日に朝日新聞夕刊記事を見た次第です。

・その後2020年1月にラニチジン使用前使用後の病院の診断資料・胃カメラ写真を厚労省と沢井製薬にも送付し、現在も闘病しながら2つの巨大組織と闘っている最中です。

その遣り取りの中で不合理な決定事項や矛盾点、逃げ口上、国民の健康より製薬会社第一の行政に直面し、そしてなによりも驚いたのは現在世界の科学者が癌の研究に取り組み、医療関係者が毎日癌治療に専念している時に、厚労省がラニチジンへの発癌物質(NDMA)の含有を微量であれば認めていること、それを楯に沢井製薬は薬害の責任を回避しようとしていることです。

・ご存じのとおりNDMA(N-ニトロソジメチルアミン)はWHOも動物実験の結果から低容量でもヒトにも発癌性を示す可能性があると警告している発癌物質です。そして欧米の医薬品統治機構(EMA,FDA)でも発がん性物質と認定され、今回そのEMA、FDAで英国の先発メーカー(スミスクライン社)が38年前から世界で発売していた「ザンタック」という薬品で発がん物質NDMAの含有が明らかとされましたが、日本では2001年頃からジェネリックメーカー9社が相前後して発売したラニチジン(後発薬品)でもその含有が疑われ、2019年10月に自主回収される迄約18年間、国内販売されていたようです。しかもラニチジンのNDMAはその成分から生成される可能性があると報道されています。

・この薬品は十二指腸潰瘍、胃潰瘍、逆流性食道炎の治療薬で、胃液の分泌を抑制する薬で38年間も発癌物質が生成されている事実が判らなかったのです。これらの病から癌になった話はよく聞かされた覚えがあり、癌は初期段階では自覚症状が少ないので、上記の病の経験者は、ザンタック、ラニチジンを処方されていなかったかを確認し、処方されていれば、今からでも人間ドックで胃カメラ検査を受診された方が良いと思われます。

・厚労省は2018年でラニチジンの使用患者数は約63万人居ること、またNDMAは暴露期間に比例して癌発症のリスクも増えることも国立医薬品食品衛生研究所の報告として紹介しています(令和2年7月27日文書)。一方で上記の病は慢性的でこの薬を長期に亘って呑み続ける可能性も多いはずで、私がその例です。しかし沢井製薬のラニチジンの添付文書には服用限度期間も限度量も書かれておらず、医者からもそれを指定されたことはありません。これでは微量でもNDMAがラニチジンに含まれていれば、呑み続けているうちに癌を発症することは必定で、WHOや国立医薬品食品衛生研究所が警鐘しているとおりだと思います。

・処で各メディアも2019年10月にラニチジンの発癌物質含有で自主回収問題を記事にして以来、その続報も無いように思います。それもそのはずで、この薬品で癌を発症したとの因果関係をお薬手帳や診断書で提示できるのは希で、訴えも無いからだと思われます。私も当時朝日新聞の記事に気付かずに見過ごしていたならば、過去のお薬手帳を捜すことも無く、この件は厚労省と製薬会社にとって自主回収と再販停止で一件落着していたと思われます。

・ところが私は運良く資料を整えられ、2020年1月に厚労省へ直訴したため無視できなくなり、令和2年7月27日付け、「ラニチジン又はニザチジン製剤の使用による健康影響評価について」という文書の3頁5項で、「がんに関連する国内副作用症例報告がラニチジンで報告されている」と述べ、ホームページで発表しました。ところが驚くなかれその文書の1頁で「暫定基準値」と称して、微量であればラニチジンへのNDMAの含有を認めているのです。そして沢井製薬もこの基準値をクリアしているから問題なしと主張しています。しかもこの段階で日本の全後発メーカーのラニチジンへのNDMA含有検査もゼロではなかったようです。なにかうさん臭い状況です。

・しかし国民の二人に一人が癌に罹る時代に、厚労省は薬品に発がん物質ゼロではなく、「暫定基準値」をどうして認めるのか。しかも沢井製薬のラニチジンの添付文書には服用量と服用期間の限度も明記されておらず、よって医者も患者に限度を指示できるはずもなく、何も知らない患者は胸焼けは緩和されるので持病治療薬として良薬と思い込み、4年半呑み続けて癌を発症したのが私の例です。これではまさに「天声人語」が批評するように、「病気を治すはずの薬が命を危険にさらす」ことに他なりません。また国民の健康第一より製薬会社第一の行政の臭いがして、看過できない問題と思われます。

・事実厚労省は令和2年7月27日付け文書で、「ラニチジンで癌を発症した報告がある」と述べながら、ラニチジンへのNDMA含有の「暫定基準値」を認めており、これで国民の健康を護る行政と言えるでしょうか。

・更に「暫定基準値」の出所を調べたところ、平成30年11月5日付け厚労省発信の「NDMA及びNDEAの管理指標の設定について」(資料3-1)という文書の中の国際M7ガイドライン(ICH-M7)という基準からの引用であることが判りました。ところがこの文書の4頁終段には、このガイドラインの適用条件は平成28年1月15日以降に申請される新医薬品の製造販売承認申請の薬品からで、このガイドラインは回顧的に適用しない、即ち遡及しないと規定されいます。

・私が沢井製薬のラニチジンを最初に服用したのは平成23年12月であり、沢井製薬が自社のラニチジンンにこのガイドラインを適用しクリアしているから問題なしとすることは、厚労省の平成30年11月5日付け文書の規定に違反していることになります。

・なお、厚労省の令和2年7月27日付け文書が掲載されているHPは、通常のホームページではなく、YAHOO検索に先ず、[安全対策調査会」と挿入し、「薬品・衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)」ー「開催日2020年7月27日」-[資料」-「資料2-1」と進めば検索可能です。そこは厚労省にとって不都合な真実のHPのようです。
因みに下記URLからもアクセ可能です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000651728.pdf

・最後に、ラニチジンが自主回収されてから約1年3ヶ月間、先ず自分の資料を整え厚労省と沢井製薬に直訴してきて、厚労省はラニチジンによる癌発症を発表し、沢井製薬も自社のラニチジンへの発がん物質含有がゼロではないことを認めましたので、あとは何をしても自分の癌が治る保障もなく空しさもありますが、私以外に癌発症者が埋もれていないか等、社会的に明らかにすべきこともあると思いますので、今年は10%以下と言われる自分の5年生存率の最後の年であり、積極的にメディア等へ訴えて行くことにした次第です。

聞くところによれば、米国では既に癌患者によるザンタック訴訟も始まっているとの情報も申し添えておきたいと思います(下記url参照)。
https://www.drugwatch.com/zantac/lawsuits/

本名:大草 仁 投稿

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔

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