老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

護憲で、いいじゃないか。

2024-05-14 09:39:33 | 憲法
国民の誰もが、その無神経で無礼な振舞いに呆れたことだろう。長年水俣病で苦しむ被害者の意見を「政府が伺う立場」の懇談会で、発言中の患者のマイクを環境省職員が切った事件である。
この騒動について元毎日新聞の尾中さんが考察し、批判を行っている。

◆水俣病被害者マイク音オフ問題で露呈した、岸田自民「謙虚さ」も「聞く力」も喪失した深刻な現状/MAG2ニュース、2024.05.13付、尾中 香尚里さん(ジャーナリスト)
https://www.mag2.com/p/news/598570

この記事を拝読して同意したが、そもそも自民党が極端に劣化したのは、鬼籍に入った安倍晋三が政権運営を始めた頃からだ。官房長官時代にNHKへ政治的圧力をかけたことは前哨戦であり、その後のモリカケ問題や街頭演説で「あんな人たち」と言い放ち、北海道で気に入らない聴衆を警察に排除させた。この男は「謙虚さ」も「聞く力」も皆無の“私物化総理”だった。

本グループ「今週のコラム」5/6付、パンドラさんの言葉を引用したい。
「内閣は国の行政機関です。立法機関である国会を無視して経済や防衛等の重要な法案を閣議決定で決め、国会がそれを追認するだけに成り下がったら、国会は必要なくなります。日本は民主国家ではない独裁国家に成り果ててしまうのです」

政治的テロではない、宗教的な恨みを買って殺された安倍晋三は、まさに閣議決定をフルに悪用しまくった政治家だった。集団的自衛権の解釈改悪、黒川検事総長のゴリ押し、最悪なのは首相主催「桜を見る会」出席者の推薦枠を首相夫人・安倍昭恵が行使したのに「首相夫人は公人ではなく私人」という下劣で無恥な閣議決定だが、ついには死して自身の葬式まで閣議決定で国葬にしてしまった。

また、先のジャーナリスト・尾中さんの他記事も拝読した。
◆失言どころじゃない差別発言を「石原節」ともてはやしたメディアの大罪/MAG2ニュース、2022.02.08付、尾中 香尚里さん(ジャーナリスト)
https://www.mag2.com/p/news/527895

約2年前の記事だが、水俣病被害者を含む弱者を軽蔑する自民党系差別主義者グループの源流を指摘し、迎合するマスメディアの大罪を批判している。あの傲慢ワンマン男・石原慎太郎の名前と振舞いも久しぶりに思い出した。尾中さんは悪い政治家の死は、日本を悪い方向へ回す歯車が逆回転する転機だと分析し、あきらめ気分の国民を叱咤しているように感じた。

老人党リアルグループ・護憲+は、憲法記念日に主要新聞紙面で「平和憲法を護る」主張を行う「5/3市民意見広告運動」に協賛している。右傾化している政治家やネトウヨは護憲派を「闘わない腰抜け」「理想論のお花畑」とあざ笑って非難するが、彼らには戦争状態の想像力が欠如し、戦争を起こさないために交渉努力する思考力が欠落している。今リアルに報道されているウクライナやガザの惨状を見てもなお、「だから、日本も核武装」「さらなる防衛力増強」などと考える始末だ。

最近、NHKで受信料に値するシリーズが始まった。
◆時をかけるテレビ〜今こそ見たい!この1本〜膨大なアーカイブから未来へのメッセージ
https://www.nhk.jp/p/tokikaketv/ts/WQGK99QWJZ/

その中で、まさしく5月3日に放送された「ドキュメント エルサレム」が秀逸だった。池上彰さんがパーソナリティーを務め、コメンテーターはイラン・イラク戦争で孤児として育った経験をもつサヘル・ローズさん(女優)。
https://excelling.co.jp/talent/sahel/

この番組内でコメントを求められたサヘルさんの言葉が、あらためて印象に残った。
・お互いが主張する「正義」がぶつかり、戦争になる。
・戦争に勝ち負けはない、両方が敗者。
(破壊つくされた焼け跡と多くの死傷者が残されるだけ)
・憎しみは何も生まない、報復の繰り返しが延々と続く。
・過去を断ち切り、赦せることを学ぶべき。
(過去を反省し、憎しみの連鎖を断ち切る)

つまり、日本は武装を誇示して「かかって来い!やってやるぜ!」ではなく、外交努力(情報収集とコミュニケーション)で「拳を収めてくれ、話し合おうよ」を優先すべきである。
それが平和国家であり、平和憲法を護る意味だと思う。

「護憲+コラム」より
猫家五六助

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