老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

洞窟の影絵

2024-05-06 16:19:37 | 民主主義・人権
東京新聞5月3日朝刊に印象に残る記事がありました。
『「洞窟の囚人」から脱して 憲法記念日に考える』という社説です。

ある洞窟の奥で何人もの囚人が両手を縛られ振り向く事も出来ない。彼らは洞窟の壁に写った影絵を見て、それを真実だと思い込んでいる。その内の1人が束縛を解いて洞窟の外へ出て行く。明々とした光源に導かれ彼が見たものは、洞窟に映った影絵とは似ても似つかぬ世界だった。洞窟の奥に戻りそれを仲間に伝えるが彼等は信じようとはしない。

これは古代ギリシャの哲学者プラトンが著した「洞窟の比喩」というエピソードです。

社説は、政権与党が国会を無視して重要な法案を閣議決定だけで決める今の日本の現状を、それに声を上げる事も諦めた人々を、洞窟の奥に繋がれた囚人達が壁に映る影絵を観て真実と思い込んでいる姿と重ね合わせています。

内閣は国の行政機関です。立法機関である国会を無視して経済や防衛等の重要な法案を閣議決定で決め、国会がそれを追認するだけに成り下がったら、国会は必要なくなります。日本は民主国家ではない独裁国家に成り果ててしまうのです。

野党もだらしが無いという言葉に惑わされずに、外遊で浮かれている閣僚達に冷水を浴びせるために、きたる国政選挙では自らの意思で投票しましょう。ほんの少しの勇気と責任を持って。

拘束を解き洞窟の入口まで歩るき始める時がきたのです。
そこで観る光景はどんなものだとしても、自らの意思で選び取ったものに違いないのですから。

「護憲+コラム」より
パンドラ

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