老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「ヨーロッパ新世紀」欧州の福田村事件

2023-11-14 09:37:42 | 民主主義・人権
「ヨーロッパ新世紀」は、ルーマニアのトランスシルヴァニアの田舎町での「ディトラウ事件」という実話が元の映画です。
https://en.wikipedia.org/wiki/2020_Ditr%C4%83u_xenophobic_incident

映画の字幕が、ルーマニア語は白、ハンガリー語は黄色、その他の言語(ドイツ語、英語、フランス語)はピンク(3色の字幕なんて初めて観ました!)に表されるように、この地の歴史を反映して、人種も混じっています。

出稼ぎ先のドイツで「汚いジプシー野郎」とののしられて怒ったドイツ系のマッチョな男。実はこの村はジプシー(ロマ)を追い出しています。家に帰ると妻は冷ややか。ハンガリー系のインテリの元恋人に会いに行くが、やんわり断られます。

彼女はパン工場の責任者ですが、賃金が安いため村人は働きたがらず、スリランカ人を3人雇います。すると村人は、「移民が来た」と大騒ぎになり、家は銃撃され、集会では「汚い手で触ったパンは食べられない」と凄まじい偏見・差別の言葉の羅列。そしてルーマニア人とハンガリー人の反目に発展していきます。

差別される側が上位に立ちたいがために自分以下の人を求めれば、それは止まらない差別の構造です。そんな時、自分とは異質な人は、攻撃の対象にし易いのでしょう。「福田村事件」と共通するものを感じました。

世界のどこでも、自分達と異質な人を受け入れる時に摩擦は起きやすいのでしょう。グローバル化していくのは避けられない今、互いに違いを認め会いながら、人としての共通性を見出して行く力が要るように思います。言葉が通じなくても、その人には大事な家族がいるのだろうなと思う、そんなところから、互いを尊重し合う社会になりますように。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より

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