三日目、八時半にホテルを出て市内観光、走っている車は軽自動車が多い。道路事情に依るらしい。
ドウカーレ宮殿の美しい外観を眺めて現地のコンダクターがサンマルコ大聖堂を信仰と政治の頂点、ヴェネツアのシンボルであったと面白可笑しく説明してくれた。
ビザンチンの金はオール十八金で金の重さは四トンだとか、マルコポーロが一番の金持ちで輸入してヨーロッパへ売っていた、とかこれは千二百個の宝石がついた衝立であるとか。
やはり男性は帽子を脱いでと言って、自分もつるつるでピカピカの頭をなでて、ユルブリンナーを知ってる?と、女子大生に聞いたら、若いから知らないわと言われていた。
リベルタ橋を渡ると明日からがカーニバルで今日は残念。運河に行きゴンドラ遊覧を楽しんだ。
先年名古屋港で模擬店のイタリア村が作られていて遊びにいったが、二時間待って乗ったのは五分だった事を思う。
ここでは石の建物の間に満々と水をたたえている溜息橋の下を、充分乗ってしかも、リュックから尺八を取り出してサンタルチアを吹いてくれる夫婦者と私達四人は乗り合わせて、原語でうたって充分楽しかった。
ガラス工房ではフリータイムにあれこれお土産を買った。
疲れたので、ユルブリンナーお勧めのカフエえ入ると、自分の頬をつねりながらチョコレート、チョコレートと薦める小父さんウエイターの運んできたのは、私達の言うウインナーコヒーの上の部分がとてつもなくぶ厚い珈琲であった。
昼食後カレンツアーノへ二百五十キロも移動してレストランで夕食をとってからアートホテルミロに八時半についた。
俳句 ● 夕焼けのボローニャの山春あさし
● ゴンドラに尺八を聴き水温む