★明日から、ゴールデンウイーク、木々の新緑に真紅のツツジが映えます。
チェリストのベッチャー先生(Wolfgang Boettcher)が、来週、来日されます。
ゴールデンウイークは、先生と5日間みっちり、CD1枚分を録音いたします。
今回は、ピアノとチェロの二重奏が4曲、チェロ独奏曲が1曲の計5曲です。
すべて、日本にちなんだ音楽です。
ドイツ人でクラシック音楽の真髄を極められた先生が、どのようにお感じになるのか、
一抹の不安がありました。
★しかし、3日前、最後のページを、ベルリンの先生のお宅にファックスいたしましたら、
先生から「もう直ぐ、あなたの国でお会いできることを楽しみにしています」
「I try my best!」「特に、チェロ独奏組曲の5番目が気に入っています」
とすぐにお返事のファックスが届きました。
5番目は、特に日本的な曲で、先生の日本への深い愛情を感じました。
私の定期入れには、先生と二人で撮った写真が入っています。
先生のお財布のなかでは、天使のように可愛らしいお孫さんが微笑んでいます。
★先生は、1935年ベルリン生まれ、現ベルリン芸術大学で学び、チェロをリヒャルト・クレム、
後に、モリス・ジャンドロン、エンリコ・マイナルディに師事。
カラヤン時代のベルリン・フィルで、1958年~76年までの18年間、首席チェロ奏者を務める。
また、「ベルリン・フィル12人のチェリスト」や、
当時のコンサートマスター、トーマス・ブランディスと「ブランディス弦楽四重奏団」を結成。
1976年から、ベルリン芸大教授を務める。
現在のベルリンフィルのチェロ奏者の半数以上が、ベッチャー先生の教え子です。
★日本では、2年に1度、「草津音楽祭」で、マスターコースと、コンサートに出演され、
その熱く、暖かい指導が、生徒さんから慕われています。
愛器のチェロは、1722年製のマッテオ・ゴッフリラー(ヴェネチア)。
4月のシューベルト・アナリーゼ講座で、この録音をお知らせしましたところ、
草津音楽祭に参加されたことがあるベッチャー・ファンの方がいらっしゃり、
「CDができたら、是非、聴かせて下さい」とおっしゃり、本当に嬉しかったです。
★無伴奏のチェロ組曲は、全7曲から成り、日本の雪深い冬から、山笑う春、惜春、
田植え、五月雨を経て、青田波の夏までを、表現しました。
ドイツ人であり、山や自然を深く愛する先生が、どんな世界を表現してくださるのでしょう。
楽しみでたまりません。
完成しましたら、是非、皆さま、お聴きください。
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