音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■6月の平均律アナリーゼ講座は、Beethoven「テレ-ゼ」との密接な関係■

2011-05-28 12:36:24 | ■私のアナリーゼ講座■

■6月の平均律アナリーゼ講座は、Beethoven「テレ-ゼ」との密接な関係■
                      2011.5・28 中村洋子


★「東日本大震災」 余震が依然続き、なかなか安眠できない毎日です。

昨日の「平均律アナリーゼ講座 」は、開催決定が、一週間前と、

急であったにもかかわらず、本当にたくさんの皆様が、

お出でくださいました。


★今だからこそ、学びたい、知りたい、という気持ちを共有し、

私自身も、納得のいく講座となりました。


★講座では、ショパンと同様に、十代のラフマニノフが、

≪ バッハから、何を学んで、彼の出発点となる曲を書いたか ≫、

詳しく、ご説明致しました。


★ラフマニノフも、Bach バッハという巨大な樹木の、

滋養を存分に吸い取って、美しい大輪の花を咲かせた作曲家でした。

また、バッハの 「 増二度 」 を、アルヴォ・ペルトが、

ごく単純に利用して、作曲している事も、お話ししました。

 

 


★次回の  「 第 13回 講座 」 は、

Beethoven ベートーヴェンのピアノソナタと、

バッハとの関係についても、お話し致します。


★「 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 13番  嬰へ長調 」 は、

全 24曲の後半 最初の曲です。


★「 嬰へ長調 」 は、調号にシャープを 6個もつ、

大変に、珍しい調号です

「 シ 」以外の音階音すべてに、シャープが付きます。

飛び立とうとする小鳥の羽音にも似た、軽やかな前奏曲は、

「 1番 前奏曲 」 に戻ったかのような印象です。

演奏上の難しさとは裏腹に、その軽やかさに驚かれることでしょう。


★この 13番が、全体を束ねる 「 1番前奏曲 」 の分散和音と、

どう呼応し、どのように異なっているのか

それを、詳しくお話いたします。


★前奏曲と同じような、朗らかさをもつ

「 13番 フーガ 」 も、実は  3番 & 12番 フーガと同様、

二つの対主題(カウンターサブジェクト)をもっています

この点も、ご説明いたします。


★この珍しい嬰へ長調で作曲されているのが、

Beethoven ベートーヴェン(1770~1827)のピアノソナタ 24番

「 テレーゼ 」Op.78 (1809) です。

その作曲技法は、まさに 「 バッハ 」そのものです。


★講座では、ベートーヴェンが、バッハから学んだものを、

分かりやすく、解説いたします。

ベートーヴェン・ピアノソナタを理解するのに必要なことは、

彼の恋人が誰であったかうんぬんを、詮索することでは、

ありません。

まず、バッハを一生懸命、勉強することに尽きます。

■第 13回 平均律アナリーゼ講座 第1巻 第13番
                         嬰ヘ長調  前奏曲 と フーガ

~平均律第1巻13番と、Beethoven ピアノソナタ 「テレーゼ」
                           との密接な関係~

■   2011年 6月21日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分
■  カワイ表参道  2F コンサートサロン [ パウゼ ]
             ( 要予約 )   Tel.03-3409-1958
● 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。
07年:自作品「無伴奏チェロ組曲第 1番」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏したCD『W.ベッチャー日本を弾く』を発表。
08年:CD「龍笛&ピアノのためのデュオ」、CD ソプラノとギターの「星の林に月の船」を発表。
08~09年:「バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」全15回を開催。
09年10月:「無伴奏チェロ組曲第 2番」が、W.ベッチャー氏によりドイツ・マンハイムで初演される。
10年:「 無伴奏チェロ組曲第 1番 」が、ベルリンのリース&エルラー社 Ries &Erler Berlin から出版される。
   CD『 無伴奏チェロ組曲第3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。
   「レーゲンボーゲン・チェロトリオス ( 虹のチェロ三重奏曲集 )」が、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社 Musikverlag Hauke  Hack 社から出版される。
スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。
11年4月:「10 Duette fur 2 Violoncelli  チェロ二重奏のための10の曲集 」が、 ドイツの「 Ries & Erler  Berlin 、リース&エアラー社 」から出版される。

▼▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

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■ 10代のラフマニノフは、バッハから何を学んだか ■

2011-05-26 14:10:35 | ■私のアナリーゼ講座■

■ 10代のラフマニノフは、バッハから何を学んだか ■
                2011.5.26 中村洋子

 


★明日は、カワイ表参道で 「 第 12回 平均律アナリーゼ講座 」

を、開催いたします。

J.S.Bach バッハ ( 1685~1750 )

≪ 平均律  1巻 12番 ヘ短調
                           「 プレリュード 」&「 フーガ 」≫
と、

ラフマニノフ との関係も、探ります。


★「鐘」 などで有名な  Sergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフ ( 1873~1943 ) は、

まだ 10代の 1892年、

ピアノ独奏曲集 「 Morceaux de Fantasie 

幻想的小品集 」 を作曲し、

翌年 Op.3  として、A.Gutheil in Moscow から、

出版されました。


1) Elegie 悲歌

  2) PréludePrelude   プレリュード

  3) Mélodie Melodie   メロディー

  4) Polichinelle  道化役者

   5) Sérénade   セレナード、の全 5曲です。


★「 鐘 」 は、 2番プレリュードのニックネームですが、

ラフマニノフが、命名したのではありません。

彼にとって、この曲は、あくまで 「 Prelude 」 なのです。


★彼がバッハから学び、この作品に反映させた技法は、

≪ 保続音( orgen point ) ≫、

≪ 反復進行 ( ゼクエンツ ) ≫、 それに、

調性の 「 ゆらめき 」 を感じさせる 、

≪ 和声進行 ≫  が、あります。

 


★保続音は、あたかもパイプオルガンの、

足鍵盤の音のように、長く継続された音で、

バス (  一番低い音  ) に、配属されることが多く、

この曲でも、 2小節から、小節まで、

嬰ハ音 ( Cis )  が、バスで奏されます。


この音と、バッハの 「 プレリュード 」 との関係は、

どのようなものなのでしょうか?


7、 8小節や、 11小節の 「 反復進行 (ゼクエンツ) 」  を、

バッハから、どのように学んだのか?


Bach バッハを源として、

Johannes Brahms  ブラームス (1833 - 1897) や、

Claude Debussy ドビュッシー  (1862 - 1918) も、

多用した、≪ 調性を曖昧にする和声進行 ≫ とは、何か?

それらについても、明日の 「 平均律 12番アナリーゼ講座 」 で、

詳しく、ご説明いたします。

 

 

                           ※copyright ©Yoko Nakamura

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■ 調性とは何か?、という問いに対する、バッハの回答 ■

2011-05-24 19:09:11 | ■私のアナリーゼ講座■

■ 調性とは何か?、という問いに対する、バッハの回答 ■
 ~ 平均律アナリーゼ講座 第12番 ヘ短調 を開催 ~
                                   2011.5.24  中村洋子

 


★27日金曜日は、カワイ表参道 「 パウゼ 」 で、

Das Wohltemperirte Clavier 

平均律アナリーゼ講座 第12番 ヘ短調 」 を、開催します。

3月の 「 東日本大震災 」 で、延期になっていた講座です。

このような理由で、中断するとは、

講座を始めた頃には、夢にも思わなかったのですが、

「 12番 」 という番号をみて、ハッとしました。


★「 平均律全 24曲 」 の、ちょうど真ん中の曲であり、

この曲が、前半の頂点 「 へ短調 」 だったのです。


★自筆譜を勉強していますと、バッハが、その曲の前と後の曲で、

どのようにモティーフを 「 敷衍 」 させ、配置していったか、

手に取るようにわかり、その面白さに、夢中になってしまいます。


★しかし、それだけではなく、

「 もっと大きく 24曲を見通しなさい 」  と、

バッハ先生に、声を掛けられたのかもしれません。

また、インヴェンションの頂点の曲、 「 へ短調 」 が、

「 15曲の曲集 」 の 3分の 2にあたる、

「 9番 」 であるのも、全くの偶然では、ありません。

 


★ヘ短調の主音である 「 へ音  ( F音 ) 」  は、

「 1番 ハ長調 」 の音階の、 「 第 4音、下属音 」 に当たります。

11番 へ長調は、 1番の下属調、

12番 へ短調は、下属調の同種短調

( 主音が同じ長調、短調の関係 ) です。


★「 へ短調 」  に、曲集の頂点をもってきた、

バッハの意図は何か?

この意図こそが、  ≪ 調性とは、何か? ≫  という、

大きな大きな  「 問い 」  に対する、

≪ バッハの回答 ≫  と、言えるかもしれません。

 


★バッハの自筆譜では、「 平均律クラヴィーア曲集 」 は、

一頁 六段、見開き 二頁で、記譜されています。

「 フーガ 11番 」  は、見開きの始め、左頁始めから記譜され、

その 11番が、右頁二段目で終わった後に、

「 プレリュード 12番 」 は、あたかもその続きのように、

右頁 三段目から、記入されています。


★「 プレリュード 12番 」 を、自筆譜を見ながら演奏する場合、

いつも 「 フーガ 11番 」 が、自然に目に入ってきます。

バッハは、 「 フーガ 11番 」 の、何を見ながら、

「 プレリュード 12番 」 を、弾いて欲しいと、

考えていたのでしょうか?

この点につきましても、講座でお話しする予定です。

 

★現在、流布しております一般の楽譜は、

当然のことながら、バッハ自筆譜のようには、

印刷されていません。

各曲ごとに独立させ、きれいにページを改めています。

これでは、バッハの意図は、

到底、読み取れないと、私は思います。

 

 

                            ※copyright ©Yoko Nakamura 


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■アナリーゼを2ヶ月ぶりに再開、「インヴェンション5番」■

2011-05-23 16:19:00 | ■私のアナリーゼ講座■

■アナリーゼを2ヶ月ぶりに再開、「インヴェンション5番」■
             2011.5.23    中村洋子

 


★本日は、「 東日本大震災 」 後、初のアナリーゼ講座を、

横浜「みなとみらい」で、開催いたしました。

二ヶ月ぶりです。

インヴェンション&シンフォニア5番

( Inventionen und Sinfonien Nr.5 )。


参加者の皆さまは、

「 また来られて、本当に嬉しいです! 」 と、

おっしゃいながら、駆けつけてくださいました。

 

★「 シンフォニア 5番 」、「 変ホ長調 」 の、

暖かく、落ち着いた曲想です。

しかし、土台には、 ≪ 深い悲嘆のモティーフ ≫ が、

使われています。

いわば、  「 慰めの音楽 」  の中での

≪ すすり泣き ≫  のようなものです。

 
23、24小節、E音 「 repeated note 」

( 同じ音を連続して奏する ) の部分で、

その悲嘆のモティーフが、使われ、

そこが、この曲の 「 頂点 」 になっています。


★≪ 深い悲嘆のモティーフ ≫  につきましては、

27日 ( 金 )の、カワイ表参道での、

「 平均律アナリーゼ講座 」 でも、

お話ししたい、と思います。


★インヴェンションを録音したCDは、たくさんあります。

それぞれ、この曲は、この演奏家が素晴らしい・・・、

というふうに、評価できますが、

「 シンフォニア5番 」  の演奏は、

オランダのチェンバロ奏者

 Ton Koopman トン・コープマンが、

素敵であると、私は、思います。

 


★次回 6月 27日(月)の、横浜 「 みなとみらい講座 」 は、

「 インヴェンション&シンフォニア  6番 」 です。


★「 長調 」と「 短調 」とが、

交互に配列されているインヴェンション曲集で、

唯一、「 5番(変ホ長調)」 と「 6番(ホ長調)」 だけは、

不思議にも、「 長調 」が連続しています

鮮やかな、ハッとする美しさです。


★5番の主音「 変ホ音 」から、6番の主音「 ホ音 」への

≪ 半音の関係 ≫ こそが、バッハが籠めた深い意図なのです。

この点を、詳しくご説明いたします。


★ 1番から 5番までは、全音階を中心とした主題であるのに対し、

インヴェンション 6番では、「 半音階 」が主役に躍り出ます。

これが、この曲集の頂点となる「 シンフォニア 9番 」 へと、

つながっていきます。


★この半音階の意味を、

「 Klavierbüchlein für Anna Magdalena Bach 2巻 

= アンナ・マグダレーナ・バッハの
            クラヴィーア小曲集( 1725年 )」

の曲を例にして、ご説明します。


★さらに、シンフォニア 6番の主題は、

インヴェンション 6番から導き出されいます。

この曲は、舞曲の性格も宿していますが、

それをどのように、演奏に結びつけるか・・・。

5番の講座でお話しました  「 反復進行 ( ゼクエンツ )」

との関係も踏まえ、お話します。


★なお、本日の 「 インヴェンション、シンフォニア5番 」 は、

6月 29日(水)、カワイ名古屋でもお話し致します。

 

 

▼▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

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■ 「 アナリーゼ講座 」 再開のお知らせ ■

2011-05-21 14:35:58 | ■私のアナリーゼ講座■

 

■「 アナリーゼ講座 」再開のお知らせ■
               2011.5.21 中村洋子

 


★3月 11日の 「 東日本大震災 」 以降、お休みしていました

「 アナリーゼ講座 」 を、再開いたします。

・5月 23日(月) 第 5回インヴェンション講座 
            :横浜カワイみなとみらい

・5月 27日(金) 第 12回平均律アナリーゼ講座
            :カワイ表参道 「 パウゼ 」

          ( 3月に予定し、延期となった講座です)

 


★≪ 第 5回インヴェンション講座
    :インヴェンション&シンフォニア 5番 ≫


★「 インヴェンション5番 」 は、一見、

「 二声 」のようにみえますが、実は、「 四声 」 を意識して、

演奏すべきです。そして、バッハの 「 フーガ 」の真髄が、

ここに、込められているのです。


★「 シンフォニア 5番 」の上二声は、

フルートとヴァイオリンの二重奏のように、

旋律が非和声音により、美しく装飾されます。

非和声音についても、分かり易くご説明し、

インヴェンション&シンフォニア 5番の両方に共通する、

バッハの「 反復進行(ゼクエンツ)」を、

ピアノで音にしながら、体験していただきます。


★インヴェンションとの併用楽譜として、

バルトークの 「 ミクロコスモス 」 を、お薦めします。

バルトークは、これを息子のために作曲しましたが、

インヴェンションを意識していたのは、当然です。

特に第 2巻は、インヴェンションへの導入曲として秀逸です。

第 1巻も含め、その第2巻の教え方、使い方を具体的に、

分かり易く、お話いたします。

 


★一例を挙げますと、ミクロコスモス 2巻 50番の Minuetto

(メヌエット)は、「 リディア旋法 」 を用いた、

二声のメヌエットです。

リディア旋法は、( 長調や短調ではない )教会旋法の一つですが、

とても目新しく、新鮮です。

それ以外は、バッハのメヌエットに、よく似ています。


★「 シンフォニア 5番 」 のバスを演奏せず、上二声のみを、

弾きますと、「 ミクロコスモス 」 50番のメヌエットとの、

共通点が多いことが、分かります。


★シンフォニア 5番の、本来は全部右手で奏する上二声を、

右手と左手に分けて、弾いてみて下さい。

バルトークが、「 バッハから、何を学んだか 」も、分かってきます。


★バルトークのメヌエットの対位法を、理解し、演奏できますと、

「 シンフォニア 5番 」の

(  フルートとヴァイオリンの二重奏のような  ) 上二声を、

バッハが望んだような、各声部が独立しながら、

一体となった演奏をすることが、可能となります。


★以上のような話を、

「 横浜みなとみらい 」 の講座でいたします。

どうぞ、お気をつけて、お出かけください。

 


■6月の講座予定

・21日(火)第 13回 平均律アナリーゼ講座 :カワイ表参道

・27日(月)第 6回 インヴェンション講座 

                                      :カワイ横浜みなとみらい

・29日(水)第 5回 インヴェンション講座 :カワイ名古屋

 

                                     ( 写真は、那覇ハーリー )
▼▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

 

 

 

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■フィンランド映画「 ヤコブへの手紙 」 を見る■

2011-05-11 22:50:38 | ■楽しいやら、悲しいやら色々なお話■

 フィンランド映画「 ヤコブへの手紙 」 を見る■
              2011.5.10 中村洋子

 


★お能の世界を、陰で支え続けてきた 「 檜書店 」 の相談役、

「椙杜茂正さま」の、追悼ブログを拝見された、

椙杜さまのご親戚の方から、暖かいメールをいただきました。

その方もご指摘されているように、新聞には、椙杜さんの

訃報記事は、残念ながら、掲載されていなかったようです。


★日本が世界に誇る映画監督 「 小津安二郎 」 監督も、

新聞に、死亡記事は出なかった、と言われております。

第一次大戦中に亡くなった、Claude  Debussy( 1862 - 1918 )

クロード・ドビュッシーも、

コンセルヴァトワール教授のような肩書きが、なかったため、

コンセルヴァトワール院長だった

Gabriel Fauré( 1845 - 1924 ) ガブリエル・フォーレが、

「 国葬 」 となったのとは、対極的に、

大変に少ない参列者による、葬儀だったそうです。


★ゴールデンウイークは、昨年に、

見そびれた名画のいくつかを、観賞しました。

 

★「 Postia Pappi Jaakobille ヤコブへの手紙 」 は、

2009年「 Republic of Finland フィンランド 」 の映画です。

高齢で、盲目の牧師 「 Father Jacob ヤコブ 」 と、

殺人で終身刑に服し、恩赦により、

釈放された女性  「 Leila レイラ 」

それに、「 郵便配達夫 」 の 3人しか、ほとんど登場しません。


★日本では、なかなか理解が難しい 「 キリスト教 」 、

人々が生きていくうえで、それが、

精神的バックボーンとして、

厳然と、横たわっている 「 ヨーロッパ 」 、

その両方を、理解するうえで、とても優れた映画といえます。


★北欧 「 フィンランド 」 は、スウェーデンの東、

ロシアとは陸続きの、小国です。

人口は、わずか530万人。

面積は、日本の九割ほどの広さで、

山はなく、行けども行けども平坦な地、

そこに、無数にある湖と、白樺林。

ノキアやリナックスなど、ハイテク産業が盛んな経済大国、

高い教育水準と学力、

フィンランド語とスウェーデン語が、公用語の国です。


★国民の約 9割が、「 福音ルーテル教会 」 に属しています。

「 福音ルーテル教会 」 は、「 国教 」 になっています。

「  教会税  」 も、直接税として集められ、

財政的な、援助をしているそうです。

 

★殺人で  12年間、刑に服し、突然、

恩赦を言い渡された  「  レイラ  」 。

恩赦を全く予想せず、どこに行くか、当てもないため、

刑務所長に薦められるまま、古びたトランクを片手に、

不承不承、ある所に赴きます。

どういう  「 殺人 」  を犯したか、

それは、結末で明らかになります。

 


★緑一色、のどかな田園風景が広がる田舎。

身を寄せたのは、牧師館でした。

周囲に、家一軒もありません。

床がギシギシと鳴り、雨漏りがするような、古い建物です。


★牧師  「 ヤコブ 」 は、盲目でした。

溢れんばかりの笑顔で、暖かく、レイラを出迎えます。

ヤコブの許には、全国各地から、悩みや相談事の手紙が、

寄せられます。

それらを開封して、読み上げてもらい、

返事を口述筆記する仕事を、依頼したのです。

前任者の婦人は、養老院に入ってしまったそうです。


★見えない目で、お湯を沸かし、紅茶を入れるヤコブ。

「 長くは居ませんからね 」、

「 家事はしませんよ 」 。

レイラは、ぶっきらぼうに、不機嫌に、言い放ちます。

テーブルにあった、パンナイフを、何も言わず、

ヤコブの眼前に、かざします。

本当に盲目か、疑っていたのです。


★ヤコブのベッドの下には、古い手紙の束が、

山のように、押し込められています。

毎日毎日、郵便配達夫が、自転車で届けたものです。

郵便配達夫が、ヤコブと世界とをつなぐ、

唯一の、絆だったのです。


★レイラは、毎日、

不機嫌な態度で、嫌々ながら、手紙を読みます。

届けられた手紙を、全部読むのが面倒とばかりに、

一部を、井戸の中に捨ててしまったりもします。


★届いた手紙に、札束を同封してきた女性がいました。

夫の暴力から、子供とともに逃れるための旅費を、

ヤコブが、用立てたのでした。

母の許で無事に暮らしている、という手紙とともに、

全額を、返してきたのです。


★お金は、クッキーの空缶に入れるよう、レイラに頼みます。

「 これは、私の全財産です 」 と、ヤコブ。

「 長く、文通を続けている人もいるのですよ  」 。


★しかし、どうしたことか、ある時から、

手紙がぷっつりと、届かなくなります。

郵便配達夫は 「 来ないものは届けられない 」 と、

そっけない返事。

牧師館の前を、素通りするだけ。

自転車が遠ざかる音を、毎日聞くヤコブは、

意気消沈し、やつれ、体も弱ってきます。

「 もう、私を必要とする人がいなくなったのか 」 。

 


★ある朝、ヤコブは、

「 今日は、結婚式がある、一緒に来て欲しい 」  と、

少し離れたところにある無人の教会まで、

お供をしてくれるよう、レイラに頼みます。


★ヤコブは、牧師の正装をして、着飾りますが、

ズボンは、普段着のままです。

それを見てもレイラは、何も言いません。


★教会に到着すると、説教台を前に、

ヤコブは、聖書の朗読を練習し始めます。

しかし、待てども待てども、誰一人来ません。


★ヤコブの、妄想だったのです。

「 ひょっとしたら、赤ちゃんの命名式だったかも・・・ 」 と、

うろたえ始めるヤコブ。


★「 私の恩赦を頼んだのは、あなたでしょう 」 と、

ヤコブを、詰問するレイラ。

「 それは、あなたの自己満足、善行を施したいという、

自己満足でしょう 」 と、畳み掛けます。

ヤコブは、それには、沈黙で答えます。


★「 私を牧師館に連れて帰ってくれ 」 と、

ヤコブが、頼みますが、

レイラは、それを無視、一人で帰ってしまいます。


★牧師館に戻ったレイラ、

空缶からお金を取り出し、タクシーを呼びます。

後部座席に座りますが、「 どこまで 」 という、

運転手の問いに、いつまで経っても、

行き先を、告げることができません。

“ 自分が身を寄せるところ、

自分を、必要とするところがない ” 。

遂に、タクシーを降り、館の中に戻ります。

天井の大きなランプに、ロープを吊り下げ、

自殺を図ろうとします。

  

 
★教会では「 もう、人からも、神からも必要とされていない 」 と、

失望に、打ちのめされているヤコブ。

棚の聖水を飲み、聖餐を噛みしめます。

そして、床のカーペットに、静かに横たわります。

「 神がそういうご意思ならば、私はここで終わるべきである 」

と、思ったのでしょう。

どれだけ時間が経ったのか、わかりません。

雷が鳴り、強い雨が、教会を打ちます。

雨漏りが、ヤコブの額に滴り落ちます。

ヤコブは覚醒します。


★牧師館の薄暗い室内、

レイラは、ロープを吊るし、

首に巻きつけていますが、逡巡しています。

そこに、よろよろとヤコブが、戻ってきます。


★その物音で、ふっと我に返るレイラ、

死を、諦めます。

レイラの気配を察したヤコブは、

「 まだ、この家に居てくれたんだね 」 と、心から喜びます。


★「 ここが自分の居る場所である 」 と、悟ったのでしょう、

レイラは、いままでとはうって変わり、

暖かく、ヤコブに接し始めます。

二人が、お互いを、必要とし合いはじめました。

レイラが自殺を逡巡していたのは、

ヤコブが戻り、自分を見つけてくれるのを、

無意識的に、待っていたからかもしれません。

 
★ 「 明日は、必ず手紙を配達してよ! 」、

レイラは、配達夫に頼みます。

久しぶりに、郵便配達の音を聞いたヤコブは、

嬉しさを、隠しきれません。

 牧師館の裏庭にある大きな樹の下、椅子に掛け、

レイラが読み上げるのを、もどかしそうに待ちます。

しかし、届いたのは、商品カタログのダイレクトメールでした。

 

 
★レイラは、うその手紙を読み始めます。

「 ペットがいなくなり・・・・ 」、

ヤコブ 「 次の手紙は? 」。

「 ・・・ 」 、 沈黙の後、

「 自分が小さいときから、母親は、いつも虐待しました。

姉が体を張って、暴力から守ってくれました。

成人になってからは、男のような肉体労働をしていました。

ある日、姉のもとに行くと、

姉の夫が暴力を振るのを、目撃してしまいました。

思わず、その夫にナイフを刺してしまいました 」。


★「 その手紙の差出人は、貴方、レイラですね 」

と、微笑むヤコブ。

涙にくれるレイラ。

ヤコブは、分厚い手紙の束をもって、戻ります。

レイラの姉からの、手紙でした。

「 長いお付き合いの人もいる、といったでしょう。

恩赦の申請はお姉さんです、私は橋渡ししただけ 」。


★ 「 私は、姉の一番大切な人を、

奪ってしまったんです 」  レイラ。

「 お姉さんは、たった一人の愛する妹と、

いまでも、貴方を思ってます 」。


★レイラと姉が、ようやく心で結びつきました。

橋渡し、最後の立派な務めを、

果たすことができた喜びから、ヤコブは、

「 私が、お茶を作ってくる 」 と、

裸足で、泥の庭を歩き、台所に行きます。

ゴルゴダの丘を歩く、キリストの像と重なります。


★しかし、いつまでたっても戻りません。

台所で倒れ、絶命しているヤコブを見つけるレイラ。


★ヤコブの言葉、

「 私は、“ 私を必要としている人のためにある ” と思い、

神も、“ そういう私を必要としている ” と思っていた。

しかし、“ 私が、神を必要としていた  ”のだ。

神を必要としていたのは、私だ  」 。

これが、この映画の核心、です。


★同時に、キリスト教に支えられた、

ヨーロッパの核心、であるかもしれません。

「 誰からも、必要とされない 」  ことほど、

人を絶望にさせるものは、ないでしょう。

でも、神だけは、決して見捨てないのです。

いつも、一緒に居るのです、

心のなかに、居るのです。

そう確信することほど、心強いものはないでしょう。

孤独にも、耐えられます。

間違っているかもしれませんが、そのように、

私は、この映画を観ました。


★ヤコブは、彼に寄せられる手紙に対し、

いつも、聖書の中の適切な文言を、

記憶の中から選び出し、返事に書き添えます。

「 新約聖書のフィリピ章6節の何節、何行目に・・・と  」

のように、です。

聖書の文章を全部、完全に暗記しているからできるのです。


★私は、クリスチャンではありませんが、

音楽の 「 暗譜 」 と全く、同じであると同感しました。

私の「 Bible 聖書 」 は、「 Bach バッハ 」 かもしれません。


★バッハの音楽、「 インヴェンション 」 や、

「 平均律クラヴィーア曲集 」 などを、完全に覚え、分析し、

暗譜し、血肉化していることで、

初めて、作曲の基礎が築かれる、と思います。

バッハも、そのように指摘しています。

「 暗譜 」 とは、楽譜を見ないで弾ける、

ということ、ではないのです。

 

 

 ▼▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

  

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■ ドイツで、私の作品の演奏会が、続きました-その3 ■

2011-05-05 23:39:53 | ■私の作品について■

■ ドイツで、私の作品の演奏会が、続きました-その3 ■
                       2011.5.5 中村洋子

 


★例年とは趣の異なった「ゴールデンウイーク」も、

終わりました。

  

★2011年 4月 9日( 土 )と 10日( 日 )は、

Potsdam ポツダムに近い Berlin ベルリンの、

「 Schloss Glienicke グリニッケ城 」 で、

Wolfgang Boettcher 先生と、Ursula Trede-Boettcher 先生により、

私の作品「 Fantasy on Kojo no tsuki 荒城の月幻想 」が、

演奏されました。


★4月 11日付けの、ベッチャー先生からのお手紙では、

「 Yesterday people came with tears out of the

concert room ! 」と、書かれてありました。

きっと、素晴らしい演奏で、お聴きになった皆さまが、

涙されたのでしょう。

このコンサートは、ピアノとチェロの二重奏でした。

 

  

★4月15日(金)は、

ベルリン芸大コンサートホールで、開催されました、

「 日本のためのチャリティーコンサート 」

「 Benefitzkonzert

Die Universität der Künste Berlin spielt für Japan 」で、

「 Fantasy on Kojo no tsuki 荒城の月幻想 」が、

ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの、

五重奏で、演奏されました。


★Boettcher ベッチャー先生は、Brahms ブラームスの、

Sonata Fur Violoncello und Klavier Nr.1 op.38

チェロとピアノのためのソナタ 1番 を、

Pascal Devoyon , Klavier

パスカル・ドゥヴォワイヨン先生のピアノで弾かれました。

コンサートの最後に、アンコールピースとして、

「 Fantasy on Kojo no tsuki  」が、

五重奏で、演奏されました。

 

★これは、Cello : Boettcher チェロのベッチャー先生や

Kontrabass : Michael Wolf  コントラバスの、

ミヒャエル・ヴォルフ先生、

( Michael Wolf is Professor for doublebass
 
at the Berlin University of the Arts )、

Violin : Sayako Kusaka ヴァイオリンの日下紗矢子さん

( Kusaka さんは、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団

の第1コンサートマスター )、などの演奏でした。

 

 ★ベッチャー先生からの、4月16日付けの手紙、

「Yesterday I played in a very moving concert of our

UdK. for Japan. Our big concerthall was overbooked

with 1400 persons and we played a very rich program.

After all played your " Fantasy on Kojo no Tsuki " ・・・

Suddenly there was a beautifull touch of Japanese

music in the hall.-- My daughter Marie tried to

play the piece with her pupils.Everybody likes it. 」

 

  

★「 昨日は、日本のための大変に感動的な演奏会をしました。

ベルリン芸大コンサートホールは、入りきれないほどの、

1400人もの方々で溢れ、 とても豊かなプログラムでした。

《 Fantasy on Kojo no tsuki 》 を、アンコールとして、

演奏しましたが、

曲が始まると、美しい日本音楽の肌触りに、

会場が包まれ募金が10,000 ユーロ 以上も、

集まりました。

私の娘のマリーも、この曲を自分の生徒たちと、

練習し始めましたが、全員、この曲が好きです」。


★3回にわたって、ドイツでの、

私の作品の演奏について、ご報告いたしましたが、

Wolfgang Boettcher 先生の素晴らしい演奏は、

言うまでもありませんが、

あまりなじみのない私の曲を、即座に、

共感をもって聴き、理解していただくことのできる、

質の高い聴衆の皆さま、

そういう方々によって、先生のような、本物の芸術家が、

支えられている、ということを、実感いたしました。

ドイツの皆さまに、敬意と感謝を、

申し上げたい、と思います。

 

  

▼▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

 

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■ 推薦CD & ドイツで私の作品の演奏会が、続きました-2 ■

2011-05-03 21:13:46 | ■私の作品について■

 

■ 推薦CD & ドイツで私の作品の演奏会が、続きました-2 ■
                       2011.5.3 中村洋子

 

 

 

★5月の連休に入りました。

新緑が、みずみずしく、かぐわしいですね。


4月3日 ドイツ・マンハイム、リンデンホフのヨハネ教会で、

「 Musik aus 4 Jahrhunderten und Ländern 」

「4つの国と、4世紀にまたがる音楽」という名前の、

コンサートが、開催されました。


★ヴォルフガング・ベッチャー先生(チェロ)と、

ウルズラ・トレーデ=ベッチャー先生(オルガン)の演奏会です。

Wolfgang Boettcher (Cello), Ursula Trede-Boettcher (Orgel)

Johanniskirche Lindenhof Mannheim

3. April 2011 17:00

Werke von Bach, Nakamura, Telemann , Vivaldi u.a.


★演奏されましたのは、

・Antonio Vivaldi (1678 ~ 1741)
      Sonata B-Dur für Violoncello & Orgel

・J.S.Bach (1685 ~ 1750)
            Fantasia G-Dur BWV 572 

・Yoko Nakamura  
            Suite Nr.1 für Violoncello

・Eugene Gigout (1844 ~ 1925)
            Toccata H-Moll

・Ernst Lothar von Knorr (1896 ~ 1973)
            Adagio

・Joseph Ahrens ( 1904~1997)
      Aus dem Choralwerk "Das heilige Jahr"

・Georg Philipp Telemann (1681~1767)
            Sonata D-Dur für Violoncello & Orgel

 


★Vivaldi ヴィヴァルディは、17~18世紀のイタリア、

Bachと Telemann バッハとテレマンは、17~18世紀のドイツ、

Gigout ギグーは、19~20世紀 フランス、

Ernst Lothar von Knorr 19~20世紀

クノールは、ドイツ・マンハイム音楽院元学長の作曲家、

Joseph Ahrens 20世紀 ヨゼフ・アーレンス。

Yoko Nakamura  中村洋子が、20~21世紀。


★Gigout ギグーは、日本ではあまり有名ではありませんが、

 Saint-Saëns サンサーンス(1835~1921) の弟子の、

作曲家・オルガニストで、Albert Roussel

アルベール・ルーセルや、Andre Messager

アンドレ・メサジェの先生です。

 

★Joseph Ahrens ヨゼフ・アーレンスは、

戦前、ベルリンフィルのオルガニスト、

戦後は、ベルリン芸大で長く教えた作曲家・オルガニスト。

「 グレゴリア聖歌 」  のような典礼音楽と、

現代の 「 12音技法 」  とを、ミックスした作曲技法や、

オルガンの即興演奏で、有名でした。


★私の作品は、「 無伴奏チェロ組曲 1番 」 でした。


★ “ ベッチャー先生の演奏を聴きたい ″ 、と思われる方も

いらっしゃると、思います。

そこで、推薦のCDです。

 


★「 Kammermusik Mitglieder der Berliner Philharmoniker 」 [PROC-1112/5]

「 ベルリンフィルのメンバーによる 室内楽 」

という原題の  「 ドイツグラモフォン 」 CDです。

(日本版CDは、相変わらず、日本特有の商業主義による、

そのCDの内容とは乖離した、赤面するようなタイトルですが、

「超絶技巧の饗宴」~ベルリンフィルの名手たち~ )


★ベルリンフィル黄金期の1980~81年録音の、4枚組みCDです。

12人のチェリストや、Brandis-Quartett ブランディス弦楽四重奏、

Westphal-Quartette ヴェストファル弦楽四重奏が、

合体しての弦楽八重奏団、

管では、ザイフェルト(ホルン)、ライスター(クラリネット)、

コッホ(オーボエ)など、歴史的なマエストロたちです。

 

★日本版タイトルですと、日本で人気を博している、

サーカスの曲芸ような、技巧を誇示するだけの演奏と、

受け取られてしまいます。

しかし、本物の演奏は、“技巧”を感じるものでは、

決して、ありません。

作曲家が望んだ世界を、表現できる能力をもつかどうかに、

尽きるのです。


★聴きどころは、Klengel (1859~1933) クレンゲル作曲

「 Hymnus ( 12チェロのため ) 讃歌 」 Op.57。

Mozart モーツァルト 「13管楽器のためのセレナーデ 」 K.361、

とりわけ、オーボエ Lothar Koch  ローター・コッホの名演です。


★さらに、ベッチャー先生も参加されている、

Mendelssohn メンデルスゾーンの、「 Oktett 八重奏曲」Op.20」、

これは、二つの弦楽四重奏団が合体して、演奏しています。

Haydn ハイドンの 「 Divertimento ディヴェルティメント 」

通称 《  Geburtstag 誕生日  》 で、フルートを演奏する

Karlheinz Zoeller カールハインツ・ツェラーも、絶品。


★ベッチャー先生がメンバーである、

Brandis-Quartett  ブランディス弦楽四重奏団の、

ハイドン 「 弦楽四重奏曲 Op.20-4  」 は、

このような名演奏によらなければ、本当の理解は無理でしょう。


★極めつけの名演は、
 
Mendelssohn メンデルスゾーンの、「Oktett 八重奏曲」Op.20、

「音楽の喜び」、「湧き立つような音楽の喜び」に、

満ちた曲です。


★コマーシャリズムに塗り込められている、

日本の“クラシック音楽”の世界には、辟易です。

数少ない本物の演奏、CDを探し当てては、

日常の糧としています。

 

▲▽無断での転載、引用は固くお断りいたします△▼▲

 

 

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