音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■イタリア協奏曲 アナリーゼ講座 (全 2回) のお知らせ■

2014-10-29 23:21:34 | ■私のアナリーゼ講座■

■イタリア協奏曲 アナリーゼ講座 (全 2回) のお知らせ■
  ~第 1楽章の正体は、華麗で豪奢な管弦楽協奏曲~

              2014.10.29 中村洋子

 

 


★イタリア協奏曲 全 3楽章を 、2回にわたり、
初版譜を基にして、アナリーゼいたします。


 Bach  ( 1685~1750 )の作品で、生前出版された曲は、
あまり多くありませんが、その一つが 、
Italienisches Konzert ( Concerto nach Italienischen Gusto
イタリア趣味に基づく
コンチェルト ) イタリア協奏曲 」 です。

★「 Zweiten Teil der Klavierübung クラヴィア練習曲第 2巻 」 
全 27 pages の、前半 ( 1 ~ 13 page ) が、
「イタリア協奏曲」です。

後半は、「 Overture nach Französischer Art フランス風序曲 」
です。

★ Bach の自筆譜は、失われていますが、Bach は生前、
この出版譜を手元に置き、訂正も、加えていますので、
この初版譜は、 ≪ Bach公認 ≫ と見ていいでしょう。

★「 平均律クラヴィーア曲集第 1巻 」 ( 1722 )、
「 Inventionen und Sinfonien インヴェンションとシンフォニア 」
  ( 1723 ) の、上声は、ともに 「 ソプラノ記号 」 で、
記譜されています。

しかし、このイタリア協奏曲の上声は、私たちに馴染み深い
≪ ト音記号 ≫ で一貫して、 記されています。
下声は、≪  アルト記号  ≫ と ≪ バス記号 ≫ が、交互に現れます。
その意味を読み解きますと、イタリア協奏曲の骨格が、
明確に、浮かび上がってきます。

 

 

★一見、明快単純に見えます第 1楽章の和声は、実は大変に複雑で、
平均律 1巻ではあまり見られない、Bachの典型的な後期の和声です。
この和声を、正確に理解いたしませんと、 tutti( 総奏 )と 、
solo が交互にまじわる、単なる華やかな曲として
演奏されてしまいます。

事実、そのような浅薄な演奏も、多く聴かれます。

Bach の対位法と和声とが、固く手を結びあった究極の曲が、
このイタリア協奏曲なのです。
Bach が若き日に学び尽くしたAntonio Vivaldi

(1678~1741)、Alessandro Marcello (1669~1747) の
「 Concerto 」 や、Bach 自身の「 Brandenburg Concerto
ブランデンブルグ協奏曲 」
についても、2回の講座で、
触れていきたいと思います。

Bach の広大無辺な世界は、狭い 「 古楽 」 の世界には、
入り切りません。

ピアノで、それをどう演奏していくかを、やさしく、
ご説明いたします。

また、偉大な pianist  Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー
( 1886 ~ 1960 ) の Fingering から、
彼が、何をこの曲から汲み取り、
構築していったか、
についても詳しくお話します。

 

 

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■第 2回   Bach  イタリア協奏曲 アナリーゼ講座

●第 2楽章 美しい旋律に、非和声音が精緻な装飾を施している
                               


★ 「 イタリア協奏曲第 第 2楽章 」 では、
Bachが珍しく記したテンポ記号
≪ Andante ≫ のもつ深い意味を、
解き明かします。

★蜘蛛の糸のように、精妙に織り込まれた、第 2楽章 の右手旋律は、
たくさんの ≪ 非和声音 ≫ を、含んでいます。
この右手旋律を、装飾音記号で書き換えることすら可能です。
そうしますと、旋律の骨組みがむき出しに現れてきます。

★この、主に ≪ 和声音 ≫ から成る 「 骨組み 」 が、どのように
≪ 非和声音 ≫ で装飾されているか・・・、
それを理解いたしませんと、
右手が絶えず、美しい旋律を細やかに弾いているだけの

「 退屈な演奏 」 になってしまいます。

★Bach は、Alessandro Marcello のオーボエ協奏曲を、
独奏鍵盤作品に
編曲しています。
( Concerto d-Moll BWV 974, nach dem Concerto d-Moll für Oboe,
Streicher und Basso continuo von Alessandro Marcello )

マルチェロの原曲を、どんなに美しく Bach が装飾し、編曲したかを
勉強いたしますと、第 2楽章 が一気に、分かりやすくなります。

★ピアノで Bach を演奏することの楽しみ、満ち溢れる喜びを、
きっと、実感できることでしょう。
Marcelloを、Bach 編曲で弾く楽しみについても、お話いたします。

 

 

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●第 3楽章 「イタリア協奏曲」 のスケールを、ピアノでどう弾くべきか

「 第 3楽章 」 は、生命力と喜びに満ち溢れた楽章です。
Edwin Fischer エドウィン・フィッシャーは、
3楽章の 3、4小節ソプラノの、
モティーフについて、
「 Bach の Choralvorspiel コラールプレリュード

" In dir ist Freude あなたの中に喜びはあり " BWV 615
の主題から
来ている 」  と、注釈しています。

★第 3楽章の1、2小節上声、それに続く下声の scale についても、
Fischer は 「 the scales full of fire、first in the treble 、
then in the bass 火のような音階、最初はトレブル、次いで、バスで 」
としています。

この意味は、どういうことでしょうか。

★上記1、2小節の音階と、3、4小節の In dir ist Freude の
モティーフから
成る主題を
「 as if  Bach's high trumpets were rejoicing at the theme 」
とも、 Edwin Fischerは、書いています。
つまり、歓喜の歌をトランペットが、高らかに鳴り響かせるように、
弾きなさい、と指示しています。

講座では、これらのことを、分かりやすく、ご説明します。

★このスケールをピアノで、どのように弾くべきか・・・、
真珠のネックレスのように、ただ美しく
、粒を揃えて弾くべきではない、
ということは、
Bach の作曲意図からして、自明の理です。

★Bach は、イタリア協奏曲作曲の20年前(1713~14頃)に、
イタリアのVivaldi ヴィヴァルディなどの Concerto を、
鍵盤独奏用に編曲しています。

これが、イタリア協奏曲の源泉です。
鍵盤楽器で、どのような楽器を想像しながら弾くべきか、
ということも、自ずと分かってきます。

 

 

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■第 1回  Bach  イタリア協奏曲 アナリーゼ講座
   日時 : 2015年 2月 25日(水) 10:00 ~ 12:30
■第 2回  Bach  イタリア協奏曲 アナリーゼ講座
   日時 : 2015年 3月25日(水) 10:00 ~ 12:30
■会 場 : カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」

■ 参加ご予約・お問い合わせは・・・  
 〒460-0003 名古屋市中区錦3-15-15 カワイ名古屋
            Tel 052-962-3939 Fax 052-972-6427

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■ 講師 : 作曲家 中村 洋子 Yoko Nakamura

  東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

   2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

   07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

   08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
       CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

   08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

   09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
             10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

   10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

   11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

   13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 

 ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で
販売中

 ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union クラシック館で、購入できます。

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

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■ Invention最後の15番を、Bachが描いたであろう「四声体」で分析する■

2014-10-26 01:21:43 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Invention最後の15番を、Bachが描いたであろう「四声体」で分析する■

                2014.10.26 中村洋子

 

 

11月25日に、 KAWAI 表参道で開催します

「平均律アナリーゼ講座第2巻20番」のため、

Bach Clavier Übung クラヴィーアユーブンク第3巻のDuettoを、

勉強中です。

この4曲のDuettoの第1曲目と、平均律2巻20番 Prélude のどちらにも、

全音階と半音階が、組合わせられて出現するところがあります。


Sviatoslav  Richterスヴャトスラフ・リヒテル(1915-1997)の、

素晴らしいDuettoを、CDで聴いていますが、

このCD(PHCPー10571)は、

1991年、ドイツでの演奏会ライブレコーディングです。


★このような曲が、リサイタルプログラムに載ることは、

幸せな時代であったと、いえるかもしれません。

現在では、ほとんど演奏されないでしょう。


★それを弾けないピアニストが悪いのか、

それを求めない聴衆が悪いのか・・・。

 

 


★ Richter リヒテルの立派な演奏とは裏腹に、

毎度のことですが、CD添付の日本語解説の素人ぶりには、

悲しい思いで一杯です。

それを読まれた方が、誤った認識を持たれるからです。

Duettoについて、『この4曲は、その「デュエット」という名称からも

理解されるように、2声部で書かれており、その内容は、

有名な《2声 インヴェンション》を思わせるが、ここでは、

さらにそれを上回る円熟したポリフォニックな技巧が

駆使されている』と、書かれています。


この解説には、二重の意味で誤りがあります。

一つは、“作曲家は年齢とともに技法が進化し、

より価値の高い作曲になる”という思い込みです。

もう一つは、“ Inventionは教育用の作品”という認識です。


★Bach、 Mozart、 Beethovenなど、どんな大作曲家でも、

その年代ごとに、特有の様式があるものですが、

どの時代の作品が優れているとか、若いから未熟である、

ということは、ほぼないのです。


★特に、Bach については、ごく若い頃から晩年に至るまで、

その質の高さは、ほぼ完全に一貫して同じ水準を保っています。

様式の差が見られるだけです。

 

 


Inventionにつきましては、当ブログで何度も何度も、

言及しています。

平均律クラヴィーア曲集第1巻の、エッセンスを抽出した、

恐ろしいまでの凝縮度と、簡潔さ。

その中にBach のすべてが含まれているともいえるほどの、

集中度です。

さらに、平均律第1巻から第2巻へと、橋渡しをする

扇の要の役割を果たしている曲集です。


★日本の音楽文筆業の浅薄な解説は、日本語という

離れ小島のような、隔離された言語で書かれているため、

批判されることがないだけなのです。


10月29日の KAWAI名古屋「Inventionアナリーゼ講座」は、

いよいよ、最終の15番です。

9月から、 KAWAI 金沢で新たに Inventionアナリーゼ講座を、

始め、私は再び Inventionを1番から勉強しております。


★その結果、私はいま、 Invention1番と15番、そして、

平均律第2巻20番の神々しくも、恐ろしいまでに凝縮された

二声のPrelude、の計3曲を、同時に勉強する機会を、

与えられました。


★これは、Bach 先生の深い深い配慮である、

とまで思いたくなるほど、

嬉しさを感じています。

 

 


この三曲を、同時に学ぶことにより、

今回の Invention15番から、いままで見えなかった相貌が、

見えてきたのです。

「Inventionen und Sinfonien 」全30曲の、

全体像が点描ながらも、見えてきた、

ともいえるかもしれません。


KAWAI 名古屋での Invention15番講座では、

今回は特に、金沢で始めた試みを披露いたします。

つまり、Bach が二声 の Inventionを作曲した際、

頭の中では、どのような四声体を描いていたか、

そして、最終的に、最も重要な骨格であるところの

「二声」をそこから抽出し、現在の曲として完成させたかを、

辿る試みです。


★「二声 」を「四声」に“戻し”、それをピアノで音に出し、

皆さまに体験していただきます。

それにより、二声 の Inventionが、

その背後に、豊かな四声体の音楽を背負っていること、

どう演奏したらよいのかが、

明確に、認識できると思います。

 

★同様に、「三声」の Sinfonia を 「四声体」から見る試み。

つまり、「三声」とみえても、必ず、

「soprano、 tenor 、 alto、 bass の四声」

のうちの、ある声部を、担っています。

それがどこに当たるかを、深く考え、

解明することにより、一見華やかで、

全30曲のカデンツァのようにみえるこの曲が、

底知れぬ深さと、豊饒さの世界を体現しているということが、

お分かりになると、思います。

 

 

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■中村洋子 バッハ インヴェンション・アナリーゼ講座■
第15回 インヴェンション&シンフォニア 第15番 h-Moll
~15番は、Inventionen & Sinfonien 全 30曲の Coda ~

■日時 : 2014年 10月 29 日(水) 10:00 ~ 12:30
■会場 : カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」
■参加ご予約・お問い合わせは・・・  
 〒460-0003 名古屋市中区錦3-15-15 カワイ名古屋
      Tel 052-962-3939 Fax 052-972-642
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■今後のスケジュール  
・イタリア協奏曲 第1楽章
           2015年 2/25(水)10:00~12:30
・イタリア協奏曲 第2・3楽章
           2015年 3/25(水)10:00~12:30

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★ Inventio 15曲と、 Sinfonia 15曲の 計 30曲は、
Inventio Nr.1 を Thema 主題とする 29の変奏曲と、
考えられます。
この 30曲から成る 「 Inventionen & Sinfonien 」 は、1723年と、
序文に記されています。
「平均律クラヴィーア曲集 第 1巻」 は、1722年。
つまり、平均律第 1巻のほうが、一年前なのです。

★相次いで成立した 「 人類の宝 」 ともいうべき、
二つの曲集は、お互いが、深く、関連付けられています。

★Sinfonia 15番の Thema 主題は、
Inventio 15番を土台にして、生まれ、
両者は一心同体であり、
「 Inventionen & Sinfonien 」 全 30曲の、
Coda コーダ、あるいは Kadenz カデンツ と、
見ることができます。

★逆に、この15番の高みから、
1年前の平均律 第1巻全体を、眺めることもできるのです。
平均律 第1巻の最終曲24番が、
平均律 第2巻を 予兆しているのと、同じような関係です。
つまり、この三つの曲集が、縦横無尽に絡み合っているのです。
講座では、この大きな流れをお話するとともに、
15番の素晴らしい和声についても、
詳しく解説いたします。

 

★また、 Invention & Sinfonia15番の記譜について、
ヨーロッパの有名なUrtext 原典版が、
どうして各々異なっているか、それをどのように
取捨選択すべきか、具体的にお話いたします。

★さらに、15番の repeated notes 同音連奏と、
Bach と同時代のScarlatti スカルラッティ(1685-1757 ) の repeated notes がどう違うのかも、ご説明いたします。
これが、≪ Bach をどう弾くべきか ≫、
という問いへの、回答になります。

 

★汲めども尽きない 15番の二曲から、exercise を抽出し、etude とすることも出来ます。
Bach が、この作品により、息子やお弟子さんたちを、
いかに深く豊かな音楽世界へといざなったか、
目に浮かぶようです。
ご一緒に、探求いたしましょう。

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■ 講師 : 作曲家 中村 洋子 Yoko Nakamura

 

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

   2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

   07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

   08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
       CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

   08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

   09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
             10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

   10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

   11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

   13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 

 ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で
販売中

 ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union クラシック館で、購入できます。

 

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura  
             All Rights Reserved
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■バッハが自ら記した「スラー」や珍しい記譜には、深い意味が・・・■

2014-10-16 18:00:11 | ■私のアナリーゼ講座■

■バッハが自ら記した「スラー」や珍しい記譜には、深い意味が・・・■
 ~金沢 第3回 「 Bach Invention アナリーゼ講座」3番 D-Dur ~

               2014.10.16 中村洋子

 

 


「インヴェンション3番」の Bach自筆譜には、

珍しい記譜が、3か所あります。

本来、小節線を跨いで「タイ」で結ばれるべき音が、

タイを記入せずに、符頭のみ記されているのです。

見方によれば「付点」とも、とれます。


★このような記譜法は、 Beethoven 「月光ソナタ」自筆譜にも、

見られます。

両者に共通するのは、それにより、どのように演奏すべきか、

演奏して欲しいかが、強く伝わってくることです

その理由を、分かりやすくご説明いたします。

 

 

 

★「インヴェンション3番」には、バッハが多数の「スラー」を

記入しています。

バッハが自ら、「スラー」を記入したということは、

「必要があるから、記入した」ということです。

必要であるから」とは、「誤解されないため」です。



この「スラー」の解釈により、この曲を、どのように演奏するか、

それが決定されるほど、重要な「スラー」です。

その各々がもつ意味を、詳しく説明いたします。

その意味を知るためには、この3番と1番、2番との関係を、

もう一度じっくり、見直す必要があります。


それは、「 Inventionen & Sinfonien 」1、2、3番の計6曲が、

1番インヴェンションから、どのように紡ぎ出されていったか、

ということでもあります


★校訂版の楽譜に記入されています Fingering は、

優れた校訂版においては、easy to play な指使いを指示しているのでは、

決して、ありません。

エドウィン・フィッシャーの素晴らしいフィンガリングが、

何を指示しているのか、演奏にどう活かせるか、

詳しくお話します。

 

 

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■日  時 : 2014年 11月19日(水)午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 : カワイ金沢ショップ、南町5-9 
        ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分 )
■予約  :     Tel.076-262-8236 金沢ショップ
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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

   2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

   07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

   08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
       CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

   08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

   09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
             10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

   10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

   11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

   13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 

 ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で
販売中

 ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union クラシック館で、購入できます。

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■今後のスケジュール

第4回  2014年 12/24 (水)  Inventio & Sinfonia     第4番

第5回  2015 年  1/14  (水)  Inventio & Sinfonia      第5番

第6回  2015 年   2/11(水・祝) Inventio & Sinfonia      第6番

第7回  2015 年   3/18      (水) Inventio & Sinfonia      第7番

                     各回とも、10:00-12:30

 

 

 ※copyright © Yoko Nakamura    
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■ Inventio 2番 C-Moll の「四声体」は、“憂愁の湖”■

2014-10-14 20:58:49 | ■私のアナリーゼ講座■

■  Inventio 2番 C-Moll の「四声体」は、“憂愁の湖” ■
~ 金沢  Invention アナリーゼ講座 第 2番  c-Moll ~
        2014.10.14       中村洋子

 

 


★10月に入り、6日の大型台風、7日のノーベル物理学賞受賞、

8日の皆既月食、

9日は、 KAWAI 表参道での「平均律第2巻 19番アナリーゼ講座」、

13日から本日にかけ、また大型台風の襲来と、

地も世も、慌ただしく動いています。


9月の金沢 Invention講座では、「二声の Inventio」を、

 Bach が作曲の際、心に描いたであろう「四声体」に戻したら、

どうなるであろうか・・・という試みに、

挑戦いたしました。


9日の平均律 第 2巻 19番アナリーゼ講座では、

「三声の Fuga」 に、Bach が書き記していなくとも、

必ず発想していたと思える一声を加え、「四声体」として創作し、

皆さまに、お聴きいただきました。

とても、好評でした。

 

 


明日の KAWAI 金沢 第2回「 Inventionアナリーゼ講座」では、

「二声 」の  Inventio 2番 c-Moll に、新たに二声 を加え、

「四声体」にして、お聴きいただく予定です。


★  Inventio 2番は、全27小節ですが、曲の冒頭から、

下声左手部分は、 alto アルト 記号で記譜されています。

これは、22小節の3拍目直前まで続き、

やっと、22小節目3拍目から bass バス 記号 (ヘ音記号)となり、

終わりの27小節まで5小節半のみが、 bass バス 記号となります


★ これは、曲の冒頭1小節目から、22小節目まで、

「 bass バス 声部」が、不在ということを意味します。

それでは、  Inventio 2番の下声、左手部分は何の声部なのでしょうか?

Bach は、書かなかった bass バス をどのように想像しながら、

作曲したのでしょうか。

 


Inventio 2番は、trill がたびたび姿を現します。

Bach は、重要な音に装飾音を付け、注意を喚起することが

多いのですが、これらの trill は何を訴えたかったのか、

分かりやすく、ご説明いたします。


朝日のような神々しい光に満ちた  Inventio 1番と比べ、

「四声体」の2番は、

愁いを帯びた p(ピアノ)で始まります。


★この  Inventio 2番の上声は、

常に soprano ソプラノ 声部ですので、

まるで、受難曲の Aria アリアを聴き、

それをピアノで弾いているような、

錯覚を覚えます。


それを支える bass バス は、どうなっているのか、

探求しましたら、 Bach の意図したであろう、

素晴らしい bass バス が、浮上して来ました。

重要なmotifモティーフの拡大形が、

厳かに、姿を現しました。

素晴らしい bass バス が、

浮かび上がってきたのです。


★その bass バス を加えた「四声」の  Inventio 2番は、

深い憂愁をたたえた湖のような、

素晴らしい曲です。

 

★Bach は、Invention の序文で、この曲集の目的の一つに、

≪eine cantable Art im Spielen ≫

≪ a cantabile style of playing ≫ 

≪ カンタービレで演奏すること ≫ の獲得を、

挙げています。

その意味からも、四声体の Invention は、

趣旨に叶うと、思います。

 

 

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■日  時 : 2014年 10月15日(水)午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 : カワイ金沢ショップ、南町5-9 
        ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分 )
■予約  :     Tel.076-262-8236 金沢ショップ
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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

   2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

   07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

   08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
       CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

   08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

   09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
             10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

   10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

   11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

   13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 

 ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で
販売中

 ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union クラシック館で、購入できます。

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■今後のスケジュール

第3回  2014年 11/19 (水)   Inventio & Sinfonia    第3番     

第4回  2014年 12/24 (水)  Inventio & Sinfonia     第4番

第5回  2015 年  1/14  (水)  Inventio & Sinfonia      第5番

第6回  2015 年   2/11(水・祝) Inventio & Sinfonia      第6番

第7回  2015 年   3/18      (水) Inventio & Sinfonia      第7番

                    各回とも、10:00-12:30 

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
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■ 第 20番:前奏曲の半音階、フーガの跳躍音程と全音階、その究極の対比 ■

2014-10-11 02:16:07 | ■ 感動のCD、論文、追憶等■

第 20番:前奏曲の半音階、フーガの跳躍音程と全音階、その究極の対比 ■
 ~ 平均律 第 2巻アナリーゼ講座
第 20番  a-Moll Prelude & Fuga ~

                2014.10.11 中村洋子 

 

             

 

★20番 Prelude は、全32小節が「 二声 」で作曲されているように

見えますが、そうではありません。

冒頭1小節目を見てみましょう。

左手で弾く下声は、8分音符の下行半音階です。


★この半音階は、あたかも岩に時を一つ一つ刻みつけていくような、

峻厳さと同時に、地の深みに引き込まれていくかのような、

凄味ある底知れなさをも感じさせます。


右手で弾く上声は、一見しますと「 一声 」ですが、

実は、「 二声 」が一体化して「 一声 」となったものです

その一体化した「 二声 」の下声は

(左手の本来の下声と合わせて見ますと、内声となります)、

本来の下声の下行半音階に呼応して、下声に引きずり込まれるように、

半音階進行していきます。

 

★つまり、この1小節目は「 三声 」とみるべきで、

この1小節の中にある要素が、

Preludeの全32小節で、徹底的に展開されるのです。

 

 

 

★「 Messe in h - Moll ロ短調ミサ 」をはじめとして、

この下行半音階が、 Bach を Bach たらしめているのです。

いわば、Bach の “ 手兵 ”なのです。

この下行半音階が、Bach の和声とどのように結びついているか、

それを分かりやすく解説いたします。


Prelude の半音階に対して、

Fuga の Thema 主題( Subject と Answer )は跳躍音程進行、

対主題( Counter-subject )は、全音階進行を基として

成り立っています。



この対比は、Bach が平均律クラヴィーア曲集で追求してきた

「 調性の中で音階が果たす役割 」の最終結論である

ともいえます。


20番の調性が、1番 C-Dur の平行調 a-Moll であることも

無縁ではありません。

調性の中で音階の果たす役割を考えるうえで、最も重要なのは、

Harmony 和声です。

Bach の Counterpoint 対位法 と、Harmonyとの関係も、

実際にピアノで音を出しながら、ご説明いたします。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  平均律 第 2巻 アナリーゼ講座

第 17回 : 第 20番 a-Moll BWV889 Prelude & Fuga

■日  時 :  2014年 11月25日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分

■会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ

■予 約 :    Tel.03-3409-1958

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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

    2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

    07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

    08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

    08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

    09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
         

    10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

    10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

    11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

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    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
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                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

  ★上記の 楽譜 & CDは、
カワイ・表参道http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
アカデミア・ミュージックhttps://www.academia-music.com/販売中

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   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
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■平均律第2巻19番前奏曲は「八声体」、平明な美しさの根源はそこに■

2014-10-04 18:48:49 | ■私のアナリーゼ講座■

■平均律第2巻19番前奏曲は「八声体」、平明な美しさの根源はそこに■

            2014.10.4   中村洋子

 

 

★御嶽山の噴火から1週間たちました。

まだ、山に取り残されている方々のことを思いますと、

心が痛みます。

時期外れの大型台風の襲来、暗いお話が多い毎日ですが、

一条の光は、やはり Bach の音楽です。


★CD ショップを覗きますと、平均律クラヴィーア曲集第1巻に比べ、

第2巻の録音は、やや数が少ないように思えます。

私にしましても、2巻は 1巻に比べ、

「難しい」という意識があったことは、否めません。

何が「難しい」のか、具体的に説明できなかったのも、

事実です。


KAWAI 表参道で、9日開催「平均律第2巻・アナリーゼ講座」では、

≪19番 A-Dur BWV888  Prelude & Fuga ≫ を、

勉強いたします。


この19番 Prelude の美しさは、

なんと表現したらいいのでしょうか。

誰もいない早朝の教会、清澄な空気が漲り、

高いステンドグラス越しに、透明感溢れる朝日が差し込んでいます。

室内は輝き、その平明さに浸る安らぎと心地の良さ。

そのような趣のある曲です。

 

 


★少し、その美しさの源を辿ってみましょう。

この Prelude は、最後の 33小節を除いて、

いつも、三声で動いています。

それでは「三声」なのでしょうか?

いいえ、違います。


三声とみえて、実は立派な「四声体の音楽」です。

そして、それをさらに詳しく分析しますと、

「八声」にまで、細分化されます。


★どうして、そのように細々と面倒くさく、分析するのか?

もっと大らかに、楽しんで弾けばいいのではないの?

という声が聞こえてきそうです。


★それは、Bach が作曲したとき、彼の頭の中で、

soprano ソプラノ、alto アルト、tenor テノール、bass バスの

声部がどのように、組み合わされていたのであろうか、

それを考えることが、最も、弾きやすくなるからです。

その結果、どのような音色で演奏すべきかも、

自ずと、分かるのです。

つまり、弾きやすく、美しく、聴く人を感動させることができる、

演奏となるからです。


9日の「19番 A-Dur アナリーゼ講座」では、

どのように ≪八声部≫ が、成り立っているか、

具体的にお示しし、

それを、どのように演奏すべきか、お話いたします。


★それを理解されますと、凡庸な校訂版楽譜が、

必要なくなるばかりか、

邪魔になってくるかもしれません。

Bach  の音楽は、Bach から、つまり、

「Manuscript Autograph facsimile 自筆譜 」 から、

学ぶしかないのです。

 

 


★しかし、Röntgen 版などの立派な校訂版は、

とても、勉強になります。

Röntgen 版は、Bach への重要な道標である、といえます。

例えば、冒頭 3小節上声の 四つの fingering フィンガリング

 

 

『 a1 →  「3」 、 h1 →  「3」 、 cis2 →  「3」、  d2 →  「3」 』 は、

決して easy to play の指使いではありません。


★この四つの音をつなぎますと、

 

 

という、4度の順次進行 motif モティーフが、生まれ出ます。


この motif モティーフこそが、

19番 Prelude & Fuga を支配する要素となります。


★最も分かりやすい例としましては、

Fuga 冒頭1小節目の Subject 主題 

『 a - h - cis1 』 が、導き出されます。

 

 

しかし、何故 a1 、 h  cis1 は、冒頭で隣同士の音なのに、

「 d2 」 は、ずっと離れ、1小節目最後の音なのでしょうか?


これを解明いたしますと、 Prelude と Fuga を、

どう弾くべきかの、カギが分かります。

講座で、詳しくお話いたします。


Bartók Béla  バルトーク (1881~1945) が、独自の配列を施した、

 Wohltemperirte Clavier 校訂版も、大変に素晴らしいものです


★この19番  A-Dur は、彼の校訂版では、

 「第1巻 12番」 に、組み入れられています。

その Fingering は、19番ではそれほど似ていませんが、

他の曲では、Röntgen 版と非常に似通った Fingering が、

記されています。


★どちらが先か、気になるところですが、

Röntgen 版の出版年は、残念ながら、分かりません。

Bartók Béla  バルトーク (1881~1945)校訂版を見ますと、

「©1908 by Rozsnyai Károly, Budapest」 が、

最初のコピーライトで、

「© Copyright assigned 1950 to Editio Musica Budapest」

とあり、1950年に、Editio Musica Budapestへと、

譲渡されたようです。

 

★最初のコピーライト年の1908年は、Bartókが27歳前後です。

Bartók版は、20代半ばの作品ということになります。

Julius Röntgen ユリウス・レントゲン (1855~1932)は、

53歳前後で、有名なprofessorでした。

Röntgen が亡くなった1932年は、

大手出版社であったEditio Musica Budapestに、

Bartók版の版権が譲渡された1950年より、18年前です。


★Bartókは、Bach 「Manuscript Autograph facsimile 自筆譜 」

を、しっかり勉強した人ですので、

Röntgen 版が以前から存在していたとするならば、

それを勉強したのはあり得ることでしょう。


★しかし、両者とも共通点はありながら、

Bach の音楽の真実に、辿り着くための「導き」であることに、

変わりありません。

 

 

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■第 16 回  第 19 番 A-Dur BWV888 Prelude & Fuga
  ~ 19 番は Bach の counterpoint 対位法の極致 ~

■日 時 : 2014 年 10 月 9 日(木) 午前 10 時 ~ 12 時 30 分
■会 場 : カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ
■予約  : Tell..03-3409-1958

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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

    2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

    07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

    08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

    08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

    09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
          「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

    10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

    10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

    11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

    12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

    13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

  ★上記の 楽譜 & CDは、
カワイ・表参道http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
アカデミア・ミュージックhttps://www.academia-music.com/   で
   販売中

  ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union クラシック館で、購入できます。

 

 

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■Manet 「笛を吹く少年 Le Joueur de fifre」は、三角のcomposition、Bach に似る■

2014-10-02 18:57:42 | ■楽しいやら、悲しいやら色々なお話■

■Manet 「笛を吹く少年 Le Joueur de fifre」は、三角のcomposition、Bach に似る■
          2014.10.2        中村洋子

 

 


★9月17日に開催しました「KAWAI金沢」での、

「 Inventio & Sinfonia Nr.1」 の講座では、

この曲が、実は二声ではなく、四声であることを、

実際に演奏することで、十分に理解していただきました。


★同21日の「KAWAI横浜」では、

「平均律クラヴィーア曲集第1巻22番」について、同様に、

この 「 b-Moll  Prelude 」  を、四声体に要約いたしまして、

実際に、聴いて頂きました。

これが、一つの「アリア」となることを、証明いたしました。

受講された皆さまも納得され、

Bach の豊かさに、感嘆されたことと思います。


★忙中閑ありで、国立新美術館で、Musée d'Orsay

オルセー美術館展を見てまいりました。

Édouard Manet エドゥアール・マネ(1832 - 1883)に、

焦点を当てて、じっくりと見ました。

 

Manet 晩年の傑作「Portrait of George Clemeceau 

クレマンソーの肖像画」(1880)は、彼の最高傑作の一つ

思います。

 

 

 

★接近して見ますと、 Clemeceau の右眼は、黒目の部分は

漫画のように、黒く塗りつぶしただけ。

しかし、3~4メートル離れて見ますと、大政治家の発散する、

威圧感、したたかさ、ふてぶてしさ、尊大さに気後れし、

負けてしまいます。


見ている私が、肖像画の Clemeceau 

クレマンソー(1841-1929)から、

『お前は誰であるか』、と鋭い眼差しで問い掛けられ、

“値踏み”されているような、感じです。

 Clemeceau クレマンソーという人物が、どんな人であったか、

この一枚の絵が、多分、書物よりも雄弁に語りかけています。


この体験は、印刷された画集を見ては不可能でしょう。

実物の絵画を見て、初めて分かるものなのです。

 Clemeceau のやや薄い頭頂部が、キューピー人形の尖った頭

のように、三角を形作っているのに、気付きます。

本来在り得ない形、自然にそこに視線が注がれます。

これが、この絵画の基本の構造なのです。

この頭頂部から顔、胸、手と視線が下がっていきます。

すべて三角形が、基本の構図です。

 


★同じ構造が、有名な「 Le Joueur de fifre 笛を吹く少年」

 ( 1866 )でもいえます。

帽子の最頂部には、小さな「赤い三角」、そのすぐ下の帽子本体には、

少し大きめの「金の三角」。

視線は、そこから不思議な三角形をした鼻の方へと移ります。

額から眉間、眉により、「大きな眉間の三角」が、

肌色で、描かれています。

そして、フルートを当てた「赤い唇」へと自然に降りていきます。


★黒いフルート、黒い上着の縦列金ボタン、

金色のフルートケース、

これらが、大きな「力強い三角」を描きます。

さらに「大きな三角」が、左腰と両足靴下の白により、

形作られています。


★「 Le Joueur de fifre 笛を吹く少年」のポーズは、

極めて具体的。

しかし、見始めますと、非常に抽象的な、

近代的な絵画に見えてきます。

すべてが、≪三角のcomposition コンポジション≫なのです。

 

 


★小さい三角は、至る所に散りばめられています。

右手の親指、中指、薬指が、「肌色の三角」。

手の平の窪みも「三角」、

その反行形ともいえるのが、先ほどの「大きな眉間の三角」。

赤いズボンの左足裾にも、「皺による三角」が描かれています。

作曲の canon カノンのようです。


★唇、帽子の上部、ズボン、これらは「赤」。

フルートケースを吊るベルトと靴下が、「純白」。

顔と手が「ピンク」。

フルート、上着、ズボンの縦線、靴が「黒」。

背景は「灰色」。

五色です。


全体の構成は、きれいに四分割できます。

画面の最上部から唇までの縦の距離を、「1」としますと、

唇から、腰の白ベルト中央に描かれた、

「大きな金ボタン」までが「1」、

この金ボタンが全体の要の役割です。

その下のズボンから画面下端までが、ちょうど「2」の距離。

 

 


★「 Le Joueur de fifre 笛を吹く少年」は、フランスの第二帝政期、

鼓笛隊のメンバーとして、戦場で最前線に立ち、

笛を吹き、その高く鋭い音で、兵士を鼓舞させ、

戦場へ、戦場へと駆り立てる。

そして、真っ先に殺される悲劇的な運命だったそうです。


★しかし、この絵画を見ていますと、そのような文学的な意味は、

あまり意味を持たないように思われます。

精緻に張り巡らされた≪三角のcomposition≫がもたらす、

交感に酔います。

見れば見るほど、Bach の音楽のもつ構築性に、

そっくりであることに、驚きます。

それゆえ、感動するのでしょう。

 

 


Bach  Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集 」 は、

第1巻が、多種多様な「調」を展開し、色彩感がとても豊かです。

しかし、第2巻は、「調」が、主調とその近親調に限られ、

色彩豊かな展開は、一見しますと、なさそうです。

それゆえ、あまり、好まれなかったことも事実です。


★ Manet 晩年の傑作「Clemeceau クレマンソー」の肖像画は、

黒、白、肌色のほぼ三色です。

これも、極めて限定されています。

しかし、恐ろしいまでの迫力です。

この延長に、 Paul Cézanne 

ポール・セザンヌ(1839- 1906)があるのは、当然でしょう。


Bach も  Manet も晩年は、要素を極限まで減らす、

限定することで、何を獲得しようとしたのでしょうか。

私はいま、10月9日のKAWAI表参道での

「Bach 平均律第2巻・アナリーゼ講座」 でお話します、

第 19 番 A-Dur BWV888 Prelude & Fuga の勉強をしております。


★ようやく、Bach が平均律クラヴィーア曲集第2巻で、

目指したものが、見えてきたような気がします。

そこから見えてきましたものは、得も言われぬような、

色彩感にあふれた、まるで交響曲の世界なのです。

講座で実演とともに、詳しくお話いたします。

きっと、驚かれることでしょう。

 

 

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