音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■Berlinで私のCello Suiteと、CelloとGuitar Duoが演奏されました■

2015-06-30 00:15:50 | ■私の作品について■

■Berlinで私のCello Suiteと、CelloとGuitar Duoが演奏されました■
           2015.6.30      中村洋子

 

 

★梅雨が続いていますが、もうすぐ7月。

ことしも半年が過ぎました。


★6月は、ドイツで私の作品の演奏が続きました。

先日、The XV International Tchaikovsky Competition
http://tchaikovskycompetition.com/en/schedule/?d=29#cello

チャイコフスキーコンクールの jury 審査員をなさっている

Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー先生から、

ファックスが届きました。


★コンクールの合間を縫って、Berlinに帰り、

リサイタルをなさったそうです。

普段ですと、郵便でプログラムなどを送ってくださいますが、

「They are on strike」ということで、

今回は、ファックスとなりました。

日本では「ストライキ」という言葉は、

死語になりかかっていますが、

ドイツでは、労働者の権利として健全に行使されているのですね。

 

 


★プログラム

BENEFIZKONZERT AM
20.6.2015
VON WOLFGANG BOETTCHER
FÜR DIE AKTION:

NASHÖRNER INS SCHLOSS!

PROGRAMM
*Johann Sebastian Bach    Suite G-Dur,BWV1007
*Hanning Schröder              Essay für Wolfgang Boettcher(1980)
*Yoko Nakamura                 aus der 4.Suite ,Satz Nr.4
       Von goldenen Träumen    schwer, Einwiegende  Lüfte ziehen
                                                            (Hölderlin) 2009/2011
*Tigran mansurian               Capriccio
*Ahmed Adan Saygun         Allegretto(1955)
*Sergei Prokofiew                Marsch Opus 65 Nr.10 (1935)

PAUSE

*Volker David Kirchner         Und Salomo sprach (1987)
*Johann Sebastian Bach      Suite in C-Dur,BWV 1009


リサイタルの最初と最後に 

Bachの Suite für Violoncello solo を、

配置し、それ以外はすべて、20、21世紀の作曲家の作品です。


★私の無伴奏チェロ組曲第4番の第4楽章

「金色の夢で深い眠りに誘うそよ風」も弾かれました。

「I played the beautiful  “Sarabando” of your4.Suite

 among others modern pieces, it fit very well」

と書かれていました。

 

 


★Boettcher 先生のベルリン芸大での教え子の、

Susanne Meves-Rößeler 

ズザンネ・メーフィス ‐ レーセラーさんからも、

お便りが来ました。

私の「Mogami Fluss für Cello und Gitarre」

Cello と Guitar のための Duo「最上川」を、

演奏してくださいました。


 Susanne Meves-Rößeler,  Cello
    Christian Kulke-Vandegen,  Gitarre

「We played a few concerts and had lots of fun with it.
For sure it is not perfect.
Some parts have little mistakes, sorry.
People loved it.
Thank you for this great music,
with best greetings,
 Susanne」

 

 


★この曲は元々、二つのギターのために作曲しましたが、

チェロとギター用に、編曲いたしました。

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■Invention10番と、フランス組曲5番の深い関連性■

2015-06-24 17:13:33 | ■私のアナリーゼ講座■

■Invention10番と、フランス組曲5番の深い関連性■

~  第10回 金沢KAWAI 「インベンション・アナリーゼ講座 
       Invention & Sinfonia 第10番 ト長調  G-Dur」~

               2015.6.24 中村洋子

 

 

 

★へ短調9番で、頂点に達した《インヴェンション&シンフォニア》は、

この10番から、新しい世界へと入っていきます。

この明るく爽やかな10番から15番までの5曲は、

より自由にさらに大きな世界へと、展開していきます。

 

★「Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」に、

インヴェンション&シンフォニアの初稿が、収録されています。

名称も、Inventio は 「Praeambulum」、

Sinfonia は 「Fantasia」 となっており、曲順も異なっています。


Invention の番号で言いますと、

1,4,7,8,10,13,15,14,12,

11,9,6、5,3,2の順となっています。


★調性は、C,   d,  e,  F,  G,  a,  h,  B, A,  g,  f,  E,  Es,  D,  c

(大文字は長調,小文字は短調) と、おおむね

 調号が段々に増えていく配置です。

 

★この初期稿(フリーデマン小曲集)と、現在の Invention & Sinfonia

との
相違を考えることにより、

インヴェンション10番が、全30曲集の中で占めている重要な役割が、

浮かび上がってきます。

 

7,8,10番が、この配列の前半に集中し、

10番 G-Dur 即ち、1番 C-Dur の属調が、フリーデマン小曲集では、

第5曲目にあり、 Invention では第10曲目にあることがカギです。

 

★バッハが平均律クラヴィーア曲集第1巻の完成翌年、

このインヴェンションを“平均律のエッセンス”として完成させたことが、

実によく分かるのです。

 

 

★「French Suites フランス組曲」は、

インヴェンションや平均律とほぼ同時期の作品です。

特に、フランス組曲5番は G-Durで、10番と同じ調です。

バッハの舞曲とインヴェンションとの関係を、

この5番を例にして解きほぐします。

バッハの重要な作品形式となっている「組曲」について、

無伴奏チェロ組曲も例に、インヴェンションとの関連性を、

お話いたします。

 

★以上のことを背景に、インヴェンション&シンフォニア10番を、

ピアノでどのように表現すべきか、

音階を粒を揃えて弾くだけでは、バッハの対位法を表現できないということ、

さらに、そこでフィンガリングの果たす重要な役割を具体的に説明します。

 

 

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■ 中村洋子・ Invention アナリーゼ講座

第10回 「Invention & Sinfonia 第10番 ト長調  G-Dur」

■日  時 :  2015年 7月22日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分

■会  場 :   カワイ金沢ショップ 金沢市南町5-9 
             ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分)

■予  約 :   Tel.076-262-8236 金沢ショップ


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 ■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

         08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」         https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

       ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
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■Invention 曲集の頂点「9番 f-Moll」 の半音階はロ短調ミサに通じる■

2015-06-23 02:22:24 | ■私のアナリーゼ講座■

■Invention 曲集の頂点「9番 f-Moll」 の半音階はロ短調ミサに通じる■
~ 金沢「Inventionアナリーゼ講座」、半音階の理解に和声分析が不可欠~

                   2015.6.23  中村洋子

 

 

 

★6月も半ばを過ぎ、梅雨の毎日です。

24日は、二ヶ月ぶりの金沢「Bach  Invention アナリーゼ講座」です。

今回は、「9番 ヘ短調 f-Moll 」です。

9番は、 Invention & Sinfonia 各々15曲の頂点となる曲です。

全15曲の3分の2の場所に、位置します


★Bach の受難曲やミサ曲では、

クライマックスとなる「イエスの受難」が、3分の2の位置に登場します。


「Messe in  h - Moll  ロ短調ミサ」 の

≪Symbolum Nicenum 5.Crucifixus 二ケア信条≫での、

バスの半音階と、 ≪Sinfonia No.9≫の1、2小節のバス半音階が、

深くつながっていることは、いうまでもありません。


この半音階を、単に半音ずつ下行する旋律線として、

横の流れでのみとらえては、

Bach を理解することになりません。


正確に和声を分析し、その和声の性格と意味から、

曲を作り、旋律に色彩を与えていかなければなりません。

そうしますと、バスの半音階に対する上声の音の意味が、

一つずつ、くっきり浮かび上がってきます。

 

 


1小節目1、2拍目の内声 「f¹ as¹ g¹」 の 「f¹ as¹」は、

f-Moll の主和音「Ⅰ」の和声音です。

1小節目1、2拍目のバスは、「 F  f 」 ですから、

これは容易に理解できます。


★しかし、「f¹ as¹ g¹」 の3番目の音 「g¹」 を、

一体、どう解釈したらいいのでしょう。

非和声音であることは、間違いありません。

それをどう捉えるかによって、

この1、2小節目内声で歌われる、 Subject 主題の演奏法と、

意味が分かってくるのです。


1小節目内声後半 「g¹ b¹ a¹」 の

3番目の音「a¹」 の非和声音についても、同様のことが言えます。

この緊張を孕んだ二つの非和声音について、講座では、

非和声音の種類からまず、お話し、どなたでも理解できるよう、

ご説明します。

 

 


★この Bach の類稀なバスの半音階は、

≪Matthäus-Passionマタイ受難曲≫の49(58)番、

 「Aus Liebe 愛ゆえに」にも、登場します。

これが、 Bach 音楽の根幹を成します。


★Sinfonia No.9には、28~30小節にかけてのバス声部に

「as b c¹ des¹ es¹ f¹ g¹」 という 「上行全音階」 も、

登場します。



★全35小節のクライマックスを、形成していくのですが、

その最高潮に達するのが、33小節目上声4拍目から始まる

「 c³ a² ・・・」 の旋律です。

これを、Edwin Fischer エドウィン・フィッシャーは、

「klagend (嘆き訴えて)」と、校訂版で記しています。


★Bach は、全35小節をいささかの緩みもなく、

万力のような密度で、構築していきます。

 

 

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■ 中村洋子・ Invention アナリーゼ講座

第9回 「Invention & Sinfonia 第9番 ヘ短調  f-Moll」

日  時 : 2015年 6月24日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分 

会  場 :  カワイ金沢ショップ、南町5-9 
                                 ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分 )

予 約 :   Tel.076-262-8236

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 ・次回  第10回 7月22日(水) 
                             Invention & Sinfonia 第10番 G-Dur

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 ■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

         08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」         https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

       ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
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■ベッチャー先生がチャイコフスキーコンクールで審査員、「MJ無線と実験」が私のSACDを紹介■

2015-06-18 18:00:32 | ■私の作品について■

■ベッチャー先生がチャイコフスキーコンクールで審査員、「MJ無線と実験」が私のSACDを紹介■
   ~銀座「山野楽器」で、私のチェロ組曲楽譜を常時販売~
                2015.6.18  中村洋子

 

 

 

銀座四丁目「山野楽器」2階CDフロアーで、

私の「6 Suiten für Violoncello solo 無伴奏チェロ組曲 全 6曲」

「SACD」が、懇切丁寧な解説を添えて展示販売されていますが、

3階「楽譜」売場でも、この「無伴奏チェロ組曲」の楽譜を、

常時、置いていただくことになりました。

うれしいことです。


★≪Musikverlag  Ries & Erler  Berlin  リース&エアラー社≫から、

出版されていますこの楽譜は、「SACD」の奏者である

Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー先生が、

渾身のエネルギーを注いで、Einrichtung ( fingering、bowing、expressionなど

演奏するために必要なあらゆる指示記号)を、惜しみなく、

すべて書き込まれています。


★また、楽譜の editor である Thomas Schwalbe さんが、

「Einrichtung」 を補うため、

Boettcher ベッチャー先生が、実際の演奏ではどのように弾いているか、

それを楽譜の上に、Legende zum Fingerisatz und zu anderen Zeichen,

Legend of fingering and other signs」として、追加しています。


★「Legend」 は「説明、凡例」というような意味で、例えば、

[×]は、 not position change、[-]は、finger to place over several chords、

[/]は、position change、[+]は、left-hand pozzicatoなどです。

それらにより、Celloの演奏技法のほとんどすべてが、公開されている、

とも言えます。

 

 


★その Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー先生ですが、

いま、Moscow モスクワと St. Petersburg セントペテルブルグで開催中の、

≪The XV International Tchaikovsky Competition

チャイコフスキーコンクール≫で、

Celloの jury 審査員もなさっています。

http://tchaikovskycompetition.com/en/jury/
http://tchaikovskycompetition.com/en/schedule/


★International Tchaikovsky Competition チャイコフスキーコンクールは、

大変に有名で人気がありますが、

Boettcher ベッチャー先生は、実力本位の最も厳しいコンクールである、

≪ミュンヘン国際音楽コンクール(Internationaler Musikwettbewerb der ARD)≫

でも、Celloの審査委員長を務められています。

 

 


★オーディオマニアの方に人気のあります雑誌

「MJ無線と実験」 2015年7月号で、

私の「無伴奏チェロ組曲第1巻」SACDが、

以下のように、紹介されています。

★私は、 ヴァイオリン、チェロの無伴奏曲を愛好する。演奏の姿をスピーカー間に
リアルに定位させ、そのボウイングや胴の響きが空間に舞うようすを、演奏会さながらに聴きたくて、名演奏、名録音を探す。ここで紹介する中村洋子の無伴奏チェロ組曲は、まさに私の探していた、聴き応えのある最新SACDアルバムといえる。各曲の
タイトルを見ると、繊細な日本情緒溢れた曲かと思ったが、実際は骨格のしっかりとしたスケールの大きな作風で、その曲の素晴らしさに驚いた。ベルリンフィルの首席であったベッチャーの演奏により、さらにチェロの可能性までも感じさせてくれる。録音も素晴らしく、エンジニアはJVCマスタリングセンターで録音とマスタリングを長く
担当する杉本一家氏、ノイマンのU-87Aiをチェロ用マイクに使用し、メインマイクは
DPA4006。ピラミックス録音システムと高精度ルビジウムクロックも使用され、格別に高い解像度、空間性がこの演奏を際立たせている。(角田郁夫)
                               

★是非、お聴きください。

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■清らなAriaが浮上する12番 Prelude 、 Fuga は対位法の華■

2015-06-16 14:06:06 | ■私のアナリーゼ講座■

■清らなAriaが浮上する12番 Prelude 、 Fuga は対位法の華■
 ~
平均律第2巻アナリーゼ講座・
                                最終会
第24回 第12番 f-Moll Prelude & Fuga~

 


 

2008年から始まりました Bach「Wohltemperirte Clavier

平均律クラヴィーア曲集1巻、2巻・アナリーゼ講座」は、

いよいよ最終回を迎えました。


平均律1巻、2巻全曲を勉強することで、

「Inventionen und Sinfonien  インヴェンション&シンフォニア」が、

決して初心者への導入曲集でないばかりか、

平均律1、2巻のエッセンスを抽出し、

1、2巻の “扇の要” の役割を
果たしていることも、

実感いただけ
たことと思います。


★平均律1巻では、Bach が序文で言及しているように、

≪3度音程≫の展開で得られる「調性システム」の全貌を

俯瞰できるのです。


★それでは、第2巻を解くカギは何でしょうか?

最終会が、2巻24曲のちょうど真ん中の 第12番 f-Moll であるのは、

Bach 先生の差配であるようにも思えます。

この点につきましては、講座で詳しくお話いたします。

 

 

 

12番の Prelude は一見、軽やかな Binary form 二部構成ですが、

これをBachが心に描いていたであろう四声体に戻してみますと、

切なく清らかな Aria が、浮かび上がってきます。

 

Fugaの Subject は、11番F-Dur の Subject から導き出されています

この12番は、11番同様にはっきりとした Counter Subject 

(対主題) をもちませんが、 Subject 後半の16分音符の motif が、

絶え間なく展開されます。

 

★曲の終わりの84、85小節では 、

Prelude の曲頭がこだましています。

Bach の Counterpoint 芸術の華ともいえる Fuga です。

 

 

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●中村洋子・平均律第2巻・アナリーゼ講座
       
第24回     第 12 番  f-Moll  BWV881  Prelude & Fuga

■日  時 :  2015年 7月14日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ
■予  約  :    Tel.03-3409-1958

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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

         08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」         https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

       ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■Bachの magic 「Ⅲの和音」の凄さ、分析なくして名演はありえない■

2015-06-14 18:57:50 | ■私のアナリーゼ講座■

■Bachの magic 「Ⅲの和音」の凄さ、分析なくして名演はありえない■
      ~平均律第2巻アナリーゼ講座・5番 D-Dur~

                  2015.6.14 中村洋子

 

 


★当ブログでたびたびお話していますように、

Bach は counterpoint 対位法のみならず、harmony 和声も

極め尽した作曲家です。


★その和声の影響は、フランスの Claude  Debussy  クロード・ドビュッシー

(1862-1918)、 Maurice Ravel モーリス・ラヴェル(1875-1937) にも、

深く深く浸透しています。

クラシック音楽が、ヨーロッパの地域音楽ではなく、普遍性をもって

世界中の人々をこれまで魅了し続けてきたのも、 counterpoint 対位法、

harmony 和声の理論に立脚しているからです。


16日の KAWAI 表参道「Bach 平均律第2巻アナリーゼ講座」で、

勉強します「第5番 D-Dur」 の Fuga は、全50小節ですが、

「8分音符」の絶えることない動きで、作曲されています。


★countepoint 対位法 の秘術を尽くしているとも言えますが、

それだけでは、これだけ心をとらえて離さない傑作となるのは、

難しいでしょう。

 

 


★前回のブログで、「Mozart magic」という言葉を使いましたが、

逆にいいますと、

Mozart が学んだ大元である Bach の「Bach magic」 について、

触れざるを得ません。


★その一例を挙げますと・・・

Bach 以降の200年以上、大作曲家をとらえて離さなかった、

「Ⅲの和音」の凄さ、です。


第2巻5番の Fuga では、9か所以上で、Bach の典型的な

「Ⅲの和音」が、存在します。


★7小節目から8小節目に移る和声進行を詳しく見てみますと、

7小節目4拍目は、属和音から属七の和音に進行しており、

8小節目1拍目は、理論上「和音Ⅰ」となるべきです


★ところがBach は、7小節目4拍目のアルト声部導音「cis¹」を、

8小節目1拍目で、主音「d¹」に進行させず、そのまま、

「cis¹」をタイで延ばしています。

そうしますと、8小節目1拍目は、主和音「Ⅰ」にならず、

「Ⅲ」の和音になってしまいます。

 

 

D-Dur の主和音「Ⅰ」は、長三和音です。

しかし、D-Dur の主和音「Ⅲ」の和音は、短三和音ですので、

それまで、長調の明るい陽光に照らされていた世界に、

一瞬、「Ⅲ」の和音が憂鬱な翳を落とすのです。


この7小節目4拍目の「cis¹」は、

主音「d¹」に、解決しなければならないのですが、

 

 

「掛留音」によって、解決が遅らされます。


★この「Ⅲ」の和音は、一時的にできた「偶成和音」といいます。

またこの場合、主和音の代わりを偶然に果たすことになったため、

「代用トニック」とも、いいます。

 
★いずれにせよ、主和音が短三和音になったかのような印象を

与えますので、長調の明るい雰囲気が一転し、

その瞬間「はて、ここは長調なのか、あるいは短調?」と、

奏者や聴く人の心と耳に、疑問を生じさせるのです。

 

 


この「Ⅲ」の和音を多用しますと、

≪調性の根幹が揺らいでしまう≫とも、言えます。

これこそが、その後の19世紀、20世紀音楽に、

深く、影響を及ぼしたのです。

新しい世界への扉も、Bach が用意していたのです。

 

 


感覚だけで Bach を弾く勉強法や、

ムード音楽のように Bach を聴くだけでは、

Bach 音楽、クラシック音楽の本質には到達しないでしょう。


★日本は、ピアノ教育が盛んで、ピアノ人口も多いのですが、

残念ながら、歴史に残る大ピアニストはまだ出現していません。

音楽を、理論的に考えようとする生徒さんに対し、

「頭で考えすぎると、頭でっかちになってしまう、

なにも考えないで、とにかく弾きなさい、弾き込みなさい」と、

逆に、反発する先生方も、まだまだ多いようです。


奏者の研ぎ澄まされた感覚が、完全に発揮されるのは、

曲を理論的に分析し、理解した後です。

分析なくして感覚だけに頼る演奏では、

どんな優れた感性、感覚、知性の持ち主でも、

それを、完全に発揮できないでしょう。

いくら弾き込んでも、徒労に終わるでしょう。


★人類最高の芸術を前にして、

その果実を享受できるのは、単純で簡単なお話ですが、

上記のような勉強を、実践するだけのことです。

 

 

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● 中村洋子・平均律第2巻・アナリーゼ講座、第5番 D-Dur 


■日  時 :  2015年 6月16日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ
■予  約  :    Tel.03-3409-1958

● 今後のスケジュール :第24回  7/14(火) 第12番 ヘ短調

-------------------------------------------------------------------------------

■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

         08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
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       ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 

 

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■平均律2巻5番 Fuga の編曲で、Mozartの見せた蠱惑性■

2015-06-12 21:02:43 | ■私のアナリーゼ講座■

■平均律2巻5番 Fuga の編曲で、Mozartの見せた蠱惑性■ 
    ~平均律2巻アナリーゼ講座 5番ニ長調 D-Dur~
              2015.6.12  中村洋子

 

 


★2か月ぶりの「平均律アナリーゼ講座」を、

6月16日(火)カワイ表参道で、開催します。

今回は「平均律第2巻5番ニ長調 D-Dur」、

じっくり勉強しています。


華やかでオーケストラを思わせる Prelude。

厳格な四声体で書かれた Fuga、

Mozartはその Fuga をほぼそのまま、

弦楽四重奏に編曲しています。

どちらも、私の大好きな曲です。


★Bach がどうしてこの Prelude と Fuga を、

一対の曲として発想したか、

それは、私にとって長年解けない謎でした。

しかし今回、平均律第1、2巻をアナリーゼ講座を通して、

ほぼ勉強し終え、また、Röntgen 版から曲の構造を探り、

さらに、華やかな Prelude を厳格な四声体に要約するなどの

作業を経た結果、

Bach が、この Prelude & Fuga を、お互いこの曲でなくてはならない、

これしかあり得ないように作曲していたことを、ようやく突き止めました。

講座で詳しく、お話いたします。

 

 


★ Wolfgang Amadeus Mozart ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

(1756~1791)は、Bach の平均律第2巻から、第2、5、7、8、9番の

Fuga を、弦楽四重奏に編曲しています。

≪Wolfgang Amadeus Mozart, KV405 nach Johan Sebastian Bach
                                                                                   BWV87≫


★Mozart は、全50小節からなる、この5番 Fuga を編曲するにあたって、

音を一つ、二つ変えるわずかな改変を、所々で加えています。

しかし、ほとんど忠実に四声体に移しています。


そのわずかな改変について考えて見ますと、

Bach と Mozart との性格の違いなどが如実に分かり、

とても興味深いものがあります


★Bach の四声体を Mozart は、

ソプラノ声部=ヴァイオリンⅠ、アルト声部=ヴァイオリンⅡ、

テノール声部=ヴィオラ、バス声部=チェロに、

ほとんどそのまま、書き写していますが、

ヴィオラの音域には低すぎる音は、ヴィオラの音域の音に

変えています(9小節目)。

 

 


★Mozart は、私から見まして几帳面で繊細な作曲家に見えます。

例えば、32小節目にありますように、

Bach が大胆に省略している、三和音の第三音を丁寧に

書き加えています。

また、38小節目では、三和音の三音重複を避けるため、

重複した三音を「根音」としています。

剛毅で大胆な Bach の和声を丁寧に、書き直しています。


いかにもMozart らしい音に書き直している所もあります。

数か所あるのですが、顕著な例は、

45小節目のヴィオラ3拍目「g」と、45小節目の第Ⅱヴァイオリン

最後の音「gis1」によって、わざと「対斜」の関係を作っています。


Bach は、このヴィオラの「g」を「gis」で書いており、

それはごく普通の関係です。

しかし、Mozart の改変した「対斜」は、耳障りに聴こえますが、

非常に魅力的です。

「g」と「gis1」の和音のところで、

明らかに和声が、変わってしまうのです。


Bach は3拍目和音を、端正にドッペルドミナントでまとめています。

Mozart は、3拍目和音を「Ⅳ」の和音に変え、そして、

4拍目のドッペルドミナントに移ります。

その瞬間、微笑みかけるような優しい、

暖かい感情に、全身がくるまれているような気持ちになります。

これが Mozart の世界です。

Mozart マジックといってもいいかもしれません。

Mozart が好きな方は、こういうところに惹かれるのかもしれませんね。

 

 

 

★これをピアノで演奏し、天才 Mozart の和音を楽しんでください。

講座でも、ご説明いたします。

 

 

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● 中村洋子・平均律第2巻・アナリーゼ講座、第5番 D-Dur 


■日  時 :  2015年 6月16日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ
■予  約  :    Tel.03-3409-1958

● 今後のスケジュール :第24回  7/14(火) 第12番 ヘ短調

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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

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                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
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   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
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■ピアノ独奏曲を作曲しました。Kempffの「Goldberg-Variationen」偉大な演奏■

2015-06-02 22:35:48 | ■私の作品について■

■ピアノ独奏曲を作曲しました。Kempffの「Goldberg-Variationen」偉大な演奏■

                 2015.6.2  中村洋子

 

 


★5月末は、鹿児島県・屋久島近くの口永良部島で突如火山が噴火し、

首都圏も、二度にわたって大きな地震に見舞われ、

小笠原諸島でも、記録にないような深い震源での大地震が起きました。

穏やかな気持ちに、なかなかなれません。


★東京銀座の「山野楽器」クラシックCD売場で、

私の「無伴奏チェロ組曲全6曲」のSACD( Wolfgang Boettcher 演奏)が、

心のこもった紹介文を添えて、展示販売されています。

うれしいことです。

タワーレコード本店でも、ご紹介いただいているそうです。


★私は、これから出版します本の準備や、

新しくピアノ独奏曲の作曲などで、忙しい毎日でした。


★昨夜は夜中にふと、 Wilhelm Kempff ヴィルヘルム・ケンプ(1895~1991)

演奏の Bach 「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」を、聴きました。

楽譜を見ながら演奏をお聴きになりますと、冒頭の Thema である「Aria」で、

Bach の書いた装飾音を、 Kempffが大胆にカットしていることに、

驚かれるでしょう。


★これは、前回のブログでも書きましたように、

Kempff が考え抜いた結果、現代のピアノで演奏するためには、

「過剰となる」装飾音を省くことで、よけいに Bach の本質が

理解できるということなのです。

見事な演奏です。


★この曲を、カイザーリンク伯爵が不眠症対策にした、

とかいうお話は、戯言でしょう。

Bach の「Clavier Übung クラヴィーアユーブンク」の第4巻として、

生前に出版された、渾身の名曲です。

眠くなるどころか、 聴き惚れます。

 

 

 


2008年から始めました Bach の

「Inventionen und Sinfonien  インヴェンションとシンフォニア」、

「Wohltemperirte Clavier Ⅰ、Ⅱ 平均律クラヴィーア曲集第1、2巻」

の全曲アナリーゼ講座は、6月16日 (火)の「平均律2巻 5番 ニ長調 D-Dur」 、

7月14日 (火) 「平均律2巻12番 ヘ短調 f-Moll」のみを、残すことになりました。


★7年かけて達成しつつありますが、

私の希望はやはり、「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」と、

「Die Kunst der Fugue フーガの技法」を、どういう形になるか

分かりませんが、皆さまと一緒に勉強していきたい、ということです。


★「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」の

 「Manuscript Autograph  自筆譜 」は、行方不明ですが、

幸い、 Bach 公認の生前出版された楽譜のfacsimileが、

存在しますので、それで勉強できます。

「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」と同じです。


★「Die Kunst der Fuge フーガの技法」は、

「Manuscript Autograph  自筆譜 」が、残されています。

Bach が亡くなった直後に出版された「Die Kunst der Fuge」

初版譜とは、配列などが異なっています

私はこの「Manuscript Autograph  自筆譜」で、勉強しますと、

初版譜より、こちらのほうに説得されてしまいます。

その点も、じっくりと探求したいと思います。

 

 


今回作曲しましたピアノ独奏曲は、「Suite No.1 for piano solo」です。

7楽章形式の組曲です。

与謝蕪村の俳句を、各章に一句ずつ掲げました。


★これは、私が学生時代から愛読しています、

萩原朔太郎「郷愁の詩人与謝蕪村」という作品にある句から、

選び出しました。


★私が、Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー先生と、

一緒にSACDを出しました「無伴奏チェロ組曲1~6番」の姉妹編

言えます。

Bach を7年間勉強してきましたご褒美かもしれませんが、

私なりに、満足した作品となりました。


朔太郎の評論は、若い頃から何度も読み、

そのたびに、発見があります。

それが「名作」である理由でしょう。

朔太郎と蕪村、天才が天才を見るのです。

機会がございましたら、是非お読みください。

 

 

Kempff は、「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」の冒頭、

この変奏曲の主題となる「Aria」の装飾音をほとんどカットし、

2小節目上声の前打音も、弾いていません。

これは、 Bach 「 Inventio 1番 C-Dur 」を、

 Bachの 「Manuscript Autograph facsimile 自筆譜 」 で、

勉強した人でしたら「なるほど!」と、

膝を打つことでしょう。


彼はただ装飾音を省略するのでなく、深いアナリーゼを基に、

カットしているのです。

それによって、Ariaの骨格が隅々まで分かります。

Ariaのみならず、この曲全体の構造まで、

まるで、X線透視したかのように、

分かってくるのです。


★続く 「Variatio Ⅰ 第1変奏」は、二声 の曲なのですが、

 Kempff の演奏では、四声に聴こえます。

くっきりと四声に聴こえます。


★「二声 の Inventio」が、本当は「四声」であるのと、同じ理由です。

さらに、「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」と、

「Inventionen und Sinfonien  インヴェンションとシンフォニア」とが、

兄弟の曲であることまで、分かってくるのです。

それを教えてくれるのが、 この Kempff の偉大な演奏です。

 

 

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