■■ バッハの無伴奏チェロ組曲をピアノで弾く ■■
2007/3/17(土)
★5月に録音を予定しております、ベッチャー先生のため作曲は、
CD一枚分ですが、4分の3まで、楽譜をベルリンに送りました。
最後の一曲は、おこがましくも無伴奏チェロ組曲です。
録音は2日間にわたりますが、先生は、その3日前に来日され、
3日間もリハーサルに当ててくださるそうです。
計5日間も私の曲を弾いてくださるのは、本当に光栄であり、感動です。
★無伴奏チェロ組曲といえば、バッハです。
カザルスなど名演はたくさんありますが、
近頃、テレビのコマーシャルやBGMで、シンセサイザーなどの人造機械音などで、
あまりにも安易にムードミュージックのように使われているのを聞きますと、
悲しくなってしまいます。
しかし、どんな使われ方をしても、びくともしない曲であるのもまた、事実です。
ということは、この曲を、ピアノで弾いて楽しむことも当然、可能です。
なにせ、バッハは編曲の大家。
マルチェルロやヴィヴァルディの協奏曲をたくさん、鍵盤楽器に編曲して、
領主を楽しませた人でもあります。
★私も以前は、楽譜を見ながら頭の中で音を鳴らしていましたが、
たまたま、ピアノでそのまま、無伴奏チェロ組曲を弾いてみますと、
大変に楽しい、ということを発見しました。
原典版を所持することは当然のことながら、
佳いエディションの楽譜で弾くのも大変、勉強になります。
★私は、ヤーノシュ・シュタルケル版で、弾いています。
シュタルケルが2001年9月に来日されたとき、
マスタークラスを聴講しました。
無伴奏チェロ組曲の第2番を講義されました。
その時のメモがいま、大変に役立っています。
シュタルケルによりますと、彼が持っているだけでも、
無伴奏チェロ組曲のエディションは89種類もあるそうです。
彼は「search for treasures」といっていました。
ケンプもシューベルトのときに「hidden treasures」と、同じtreasureを使っています。
★私は、その折、シュタルケル版の楽譜を購入しました。
彼は、2番のクーラントで「私はスラーを混ぜて弾くのが好きだ」といっていました。
シュタルケル版では、歌わせるところはスラーで、
切る音もテヌートなのか、アクセントなのか、
弓はダウンなのか、アップなのか、明確に指示してあります。
イメージを膨らませやすくなっています。
★そのまま、ピアノで、単旋律を両手を使って、弾いてみてください。
なんだか、チェリストになったような気持ち。
これをやりますと、バッハの鍵盤作品を弾く際に、
旋律をどう歌わせるか、どのように扱うかなど、おおいに勉強になります。
お薦めです。
★JOHANN SEBASTIAN BACH SIX SUITES for unaccompanied violoncello
edited by Janos Starker
PEER INTERNATIONAL CORPORATION NEW YORK
PEER MUSIKVERLAG G.M.B.H.HAMBURG
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽△▼▲