音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ブラームス第 4交響曲冒頭、幻の4小節があった、しかし、あえてそれを削除■

2014-07-28 20:03:40 | ■ 感動のCD、論文、追憶等■

■Brahms第 4交響曲に、幻の出だしがあった、しかし、あえてそれを削除した■

               2014.7.28    中村洋子

 

 

                                                                     ( 合歓 )

 


★梅雨が明けると、焼けるような真夏の日差し。

日本の四季は、律儀ですね。


★秋以降の「KAWAI・名古屋アナリーゼ講座」スケジュールです。

 ■第 15回 インヴェンション&シンフォニア 第15番 h-Moll
  ~15番は、Inventionen & Sinfonien 全 30曲の Coda ~
      2014年 10月 29 日(水) 10:00 ~ 12:30
         カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」

 ■「 Concerto nach Italienischen Gusto イタリア協奏曲 」 
  ~ 第1楽章
        2015年 2月25日(水)10:00~12:30
  ~ 第2、3楽章
        2015年 3月25日(水)10:00~12:30
         カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」

 

 


★前回のブログで、 Johannes Brahms ブラームス(1833~1897)の、

「 Symphony No.4 交響曲第 4番 」 について、

Celibidache チェリビダッケ の Brahms観と合わせて、書きました。


★Brahmsの 「 Symphony No.4 Manuscript Autograph 自筆譜 」 は、

1885年10月25日の Meiningen マイニンゲンでの初演に、使われ、

1886年 Simrock ジムロック出版が Berlinで出版する際にも、

それを基に、Engraver 彫り師が版を作ったようです。


★第 1楽章は、 51 pages あり、Brahms 自身が黒いペンで、

page 番号を、記入しています。


★51 page の真ん中で、 第 1楽章は終わっているのですが、

その右を見ますと、とても興味深いことに、

さらに 「 4小節 」 が書かれているのです。

青い鉛筆で、その 「 4小節 」 を、

第 1楽章の冒頭に持ってくるようにと、

指示する記号も、書かれていました。


★しかし、その 「 4小節 」 には、たくさんのバツ印が引かれ、

結果的に、削除してありました。


★この 「 4小節 」 は、「 Symphony No.4 」 の、

「 幻の出だし 」 だったのです。

 

 

 

 


★詳しく、「 4小節 」 を見てみますと・・・、

「 1小節 」 は、ティンパニーを除いた、 「 f 」 の tutti 総奏 による、

重厚な和音です。


★div.分割された violin ヴァイオリンの、一番高い音は、

「 3点 ホ音 e3 」。

聴く人には、この高い 「 ミ 」 の音が、耳に焼き付きます。

この時の和音は、 e-Moll  の Ⅳ 下属和音です。

この和音による衝撃的な “ 一撃 ” の後、

弦楽器は 1小節後半から 2小節まで、沈黙します。


★flute、oboe、clarinet、fagotto、horn が、

dim.ディミヌエンドしながら、 「 c2 - h1 - g1 」 、

「 c1 - h - g 」 の旋律を、聴かせます。

「 h1 - g1 」 は、現行の曲頭の 「 h2 - g2 」 の、先取りでしょう。


★この 4小節では、弦楽器はすべて pizzicato ですので、

管楽器を聴かせるオーケストレーション、といえます。


★和声については、 1、 2小節は 「 下属和音 Ⅳ 」 、

3、 4小節は 「 主和音 Ⅰ 」 です。

そして、この 「 幻 」 の 4小節の最後の拍が、

現行版 arco の Violin 1、2で奏される

Auftakt  「 h2 」 と 「 h1 」 との、ユニゾンになるのです。

 

 

 

 


この 「 幻の 4小節 」 も、見事な音楽です。

Brahmsは、一旦、現行版を完成させ、

そして、この 「 幻の 4小節 」 を加えた版を作ろうとしました。

しかし、推敲に推敲を重ね、

最後に、 「 幻の 4小節 」 を捨てました。


私は、この 「 捨てる 」 という “ 創作の営み ” を、

Brahms が、あえて断行できたことで、

この曲が、さらなる永遠の価値を得たと、

思います。


★ 「 幻の 4小節 」 がない現行の曲頭は、聴く人に対し、

音楽が、「 唐突 」 に始まったような印象を、与えます。

この “ 唐突感 ” は、どこかで経験されたことがございませんか?


★そうです、 Wolfgang Amadeus Mozart 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)の

Symphony No.40  K.550  「 g-Moll 」 です。

よく似ています。


★ Mozart も、曲頭に和音の tutti 総奏 を置いてから、

おもむろに、現行版の出だしにつなげることも可能でした。

彼の作風から、十分にそうした可能性も考えられます。

 

 

 

 


しかし、 Mozart も Brahmsも、あえてそれを捨てました。

それが、この二つの大傑作に見られる、

≪ 究極の技法 ≫なのです。

大上段に振りかぶる 「 出だし 」 をすべて消し去り、

いきなり、 「 本質 」 を提示したのです。


この両曲を聴く人の耳には、冒頭を聴いた瞬間、

その前から、音楽がすでに鳴り響いている・・・、

ずっと、鳴り響いていた・・・、

その音楽の美しい渦に、出だしを聴いた瞬間から、

呑み込まれ、巻き込まれる、ひたる・・・、

そのような錯覚を、呼び起こすでしょう。


初めて聴いた人でも、その冒頭の

美しさは、決して、忘れえない記憶として、

残ることでしょう。


これこそ、両天才が、晩年に行きついた、

究極の手法です。


★しかし、この ≪ 究極の手法 ≫ が、突然閃いたのでしょうか?

そうではありません。

その根源は、実は、Bach の

「 Wohltemperirte Clavier Ⅱ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 」

第18番  fis-Moll に、あるのです。

Mozart 、Brahms がいかに、Bach を深く勉強していたか、

ということの証明なのです。

 

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
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■ Celibidache チェリビダッケ は、 Brahms ブラームスをどう見ていたか■

2014-07-22 19:04:25 | ■ 感動のCD、論文、追憶等■

■ Celibidache チェリビダッケ は、 Brahms ブラームス をどう見ていたか■
               2014.7.22   中村洋子


 

 


★梅雨空も終わり、蝉の音も、聞こえ始めました。

間もなく、盛暑ですね。


Sergiu Celibidache セルジウ・チェリビダッケ(1912~1996)が、

若かりし頃、

Berliner Philharmoniker ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を、

指揮した演奏の CD集を、聴いています。


★特に、ブラームス Johannes Brahms (1833~1897)の、

「 No.4 Symphony 第 4交響曲 」 は、

私の大好きな曲で、この曲を、これ以上の演奏で、

聴いたことがないといえます。


★幸い、「No.4 Symphony 第4交響曲」 の 、

「 Autograph 自筆譜 」 の facsimile がありましたので、

それも見ながら、聴いております

横長の 「 Autograph 自筆譜 」  facsimile は、

ページをめくる所が、手垢で、黒ずんでいます。

実に、美しい手書き譜です。


Celibidache チェリビダッケ の演奏も、Brahmsの作品も、

両者とも、全く無駄がなく、骨格がはっきり浮き出て、

それでいて、馥郁たる香りが漂うような、

豊かな肉付けも、されています。






★この演奏は、1945年 11月 2日。

Wilhelm Furtwängler ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886 - 1954)が、

指揮をできなかった頃です。


★ Celibidache チェリビダッケが、そのまま Berlin に留まって、

もし、指揮を続けていましたら、現在のクラシック音楽は、

少しは変わっていたと、思わざるをえません。


★この Celibidache チェリビダッケ の語った言葉を集めた本が、

出版されています。

日本語訳は、
「 私が独裁者? モーツァルトこそ! チェリビダッケ音楽語録 」
             シュテファン・ピーンドル&トーマス・オットー編 
                       音楽之友社


★この本に、ブラームス Johannes Brahms (1833~1897)

についての、記述がありますので、写してみます。


★≪ヨハネス・ブラームス≫
「脂肪分がなく、骨と筋肉しかない男」

「彼は作曲法と表現法をみごとなまでに意のままにし得た。
彼にとって他の作曲家の技法などまったくどうでもよいことだった。
そしてなおひどいことには、彼はまったくそれを知らなかったということだ」
(アントン・ブルックナーとくらべて)

                     
★この日本語を、普通に読まれる方は、

Celibidache チェリビダッケ が、随分と、

Brahms  を馬鹿にし、軽蔑しているように、

受け取られると思います。






私は、 Celibidache チェリビダッケ の Brahms 演奏を聴く限り、

彼は、最大限の愛と尊敬を、 Brahms に捧げていると、

思います。

「 本当に、そのようなことを彼が言っているのかしら? 」 と、

腹立たしい思いで、原本のドイツ語の本に当たりました。


★原本は、≪ Stenographische Umarmung  速記者の抱擁 
Sergiu Celibidache
beim Wort genommen  Stefan Piendl und Thomas Otto  ConBrio ≫

(「速記者の抱擁」の意は、多分、早口で語られた話を、
速記(者)のように素早く、愛情込めて書き留めた、
というようなニュアンスであると、思われます)


Johannes Brahms

" Das ist einer,der kein Fett Kennt, nur Knochen und Muskeln!"

"Er hat sein Komponieren, seine Ausdrucksweise wunderbar beherrscht. Diejenige des anderen war ihm völling unbekannt"
                             ( Über das Verhältnis zu Anton Bruckner )

                            と、書かれています。


★直訳いたしますと、
≪ 彼はそういう人です。脂がなくただ骨格と筋肉だけである。
彼は作曲しました、素晴らしくマスターした彼の表現法で。
彼にとって、他の人の作曲法は、全くどうでもよかった。
そしてさらに、気の毒であるが(or 痛ましいことに)、
彼は、他の人の作曲法を、全く知らなかった。≫
       (アントン・ブルックナーとの関係について)


★普通のこなれた日本語にいたしますと、次のようになると、思います。

≪Brahmsは、ぜい肉のない、引き締まった骨格と筋肉だけの人。

手の内に入った素晴らしい表現で、作曲したのです。
自分の方法で、作曲することに専念していたので、
同時代の作曲家は、彼にとってどうでもよかった。
そして、気の毒なことに、Brahmsは、それらを知らなかった。≫







★晩年のBrahmsは、とても肥満し、その肖像画は有名です。

骨格と筋肉だけの人 」 と言ったのは、

“ 彼の作品は、体形とは正反対である “ と、

ユーモアを込めて、語ったのでしょう。


★また、 Celibidache チェリビダッケ は、

≪ 気の毒なことに、他の作曲家を知らなかった ≫ と、

語っていますが、実は、そうではないのです。

Brahmsは、 Richard Wagner リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)

について、よく勉強し、お互いに友好的で、

尊敬し合っていました。


★Brahmsの、他の著作を読みますと、

彼は、次のように、話しています。

≪ 他の作曲家については、“知らない”と言いなさい ≫ と。
 
“ 知らない ” としておくのが、煩わされず、最も雑音が入らず、

最良の処世知なのでしょう


★Celibidache チェリビダッケ は、Brahmsの韜晦を、

十分に、承知していたが故、

≪ 気の毒なことに、(ワグナーやブルックナーのような素晴らしい)

他の作曲家を知らなかった ≫ と、わざわざ語って、

煙に巻き、からかっていたのでしょう。


★このように見てきますと、この Celibidache チェリビダッケ の言葉は、

≪ Brahms への homage 賛歌 ≫ なのです。

自筆譜を見ながら、Brahms No.4 Symphony を聴きますと、

つくづく、それを実感いたします。

本当に、素晴らしい演奏です。






★この言葉は、( Über das Verhältnis zu Anton Bruckner )の中で、

出てきた言葉のようです。

日本語訳では、「 アントン・ブルックナーとくらべて 」 とありますが、

「 アントン・ブルックナーとの関係について 」 が、妥当でしょう。

天才同士を比較するようなことは、する必要もなく、

そんなことは、しないからです。


★再度、日本語訳を見てみます。

★≪ヨハネス・ブラームス≫
「 脂肪分がなく、骨と筋肉しかない男 」

「 彼は作曲法と表現法をみごとなまでに意のままにし得た。
彼にとって他の作曲家の技法などまったくどうでもよいことだった。
そしてなおひどいことには、彼はまったくそれを知らなかったということだ 」
(アントン・ブルックナーとくらべて)


★この文章からは、

Celibidache チェリビダッケは、Brahmsを

≪ 大変な変人で、全く勉強もしていない ≫ と見ていた・・・、

そのように受け取らざるを得ないと、思います。

悪意に満ちた、中傷のような文章です。









★多分、これは、訳者が “ Celibidache チェリビダッケ は変人である ”

という、世間に流布された先入観に、囚われていたため、

その偏見に沿うように、訳したのではないかと、思われます。

例えば、≪ 骨と筋肉しかない 「男」 ≫、≪ なお「ひどいこと」には ≫。

「 男 」 は、犯罪者に使うような言葉でしょう。


★「 あとがき 」 で、訳者は、

≪1986~7年にかけて一年間ミュンヘンに滞在していたので、
その間ミュンヘン・フィルハーモニーの毎回の定期演奏会に出席して、
彼の指揮スタイルにつぶさにふれることができた。
だが、ここはその体験や感想を披露する場ではなかろう。
しかし、別の思いではある。≫

として、 Celibidache チェリビダッケ が足腰が弱り、

よちよち歩きしかできなかったことや、

珍しく、女性トロンボーン奏者がいたことなどを結構、

長く書かれています。

せっかく、一年間、 Celibidache の演奏に接するという

貴重な体験をされた訳ですので、読者は、指揮のスタイルや、

どんな演奏であったのかについての、感想のほうを、

聴きたいでしょうね。


Celibidache チェリビダッケ の CD集は、

「 audite 21.423 」  Celibidache  The Berlin Recordings
                                                                             です。





※copyright © Yoko Nakamura    
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■Bachは、先輩作曲家 Fischer から何を学んで、大 Bachとなったか■

2014-07-14 02:04:16 | ■私のアナリーゼ講座■

■Bachは、先輩作曲家フィッシャーから何を学んで、大 Bachとなったか■

~Chopin が見た 「平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座 」~
              第 21回 第1巻 21番  B-Dur

             2014.7.14 中村洋子

 

 

 

 

★Bach ( 1685~1750 ) の、平均律クラヴィーア曲集のモデルは、

Caspar  Fischer カスパール・フィッシャー (1656?~1746?) 作曲の、

「 Ariadne Musica アリアドネ・ムジカ  」

( 20の調による Prelude & Fuga 曲集 1702年 )

であったことは、かなり、知られています(出典:MGG)。


★「Ariadne Musica」の、 8番 E-Dur  Fuga は、

Bach の 平均律 第 2巻 9番 E-Dur  Fuga に、そっくりです。

                                                                         ★平均律第 1巻 21番 B-Dur の Prelude は、

Caspar  Fischer の「 Musicalishes Blumen-Büschlein 音楽の花束 」 

 6番 D-Dur Prelude と、酷似しています。

軽快な分散和音、大胆な音階、フランス風な付点リズムの和音は、

どれも、Caspar  Fischer  の作品を基としています。   

                      

★ しかし、このように、Bach の平均律曲集の基となった、

Caspar Fischer などの曲を、

実際に弾いたり、楽譜をご覧になった方は、

少ないのではないかと、思います。

 

★この講座では、 Caspar Fischer の作品を、ご紹介します。

平易でなじみやすい Caspar  Fischer の曲を、

日頃のレッスンに取り入れますと、

自然に知らないうちに、Bach の美しい広大な世界に、

入っていくことができると、
思います。                              

 

 

 

 

Chopin の所持していました 平均律 第 1巻 楽譜の、

21番 Prelude には何も書き込みはありません。

21番 Fuga には、右手で弾くことを意味する  「 d 」 の印が、

何ヶ所か、記入されています。

 

★この印は、 「 容易に弾く為 」 に書かれたものでは、

ありません。

Chopinの、実に深い洞察なのです。

これによって、21番  Prelude & Fuga を

Chopin が、どう解釈していたか、

理解することができます。

                                                                                 

Julius Röntgen の Fingering と、

この  Chopin の洞察を組み合わせますと、

Bach が、どの様にこの曲を組み立てたか、

どう演奏すべきかが、
鮮明に理解できます。

 

 

---------------------------------------------------------

 

■日  時 : 2014年 824 午後 2 時   4 30

 ■会  場 :  カワイ ミュージックスクール みなとみらい        

       横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

       ( みなとみらい駅『 出口1 番 』出て目の前の高層ビル 3F )

 ■予    約 :     Tel. 045-261-7323 横浜事務

          Tel. 045-227-1051 みなとみらい直通

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 ■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

   2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

   07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

   08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
     CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

   08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

   09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版

           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

   10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

        「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

   11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ 四重奏 のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

   13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

            「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

 ★上記の 楽譜 & CDは、

 「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/  

 「アカデミア・ミュージック 」

  https://www.academia-music.com/    で販売中

 

    ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

     Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

     全国の主要 CDショップや amazon でも、ご注文できます。

    ★ disk Union クラシック館で、第1 ~ 6番を購入できます。

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
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■Bachの counterpointに現れる重音は、重音にあらず、これこそが真骨頂■

2014-07-12 18:33:16 | ■私のアナリーゼ講座■

■Bachの counterpointに現れる重音は、重音にあらず、これこそが真骨頂■
~ Chopin が見た平均律第1巻アナリーゼ講座・20番 a-Moll のご案内 ~

                                  2014.7.12     中村洋子

 

 


★以前、当ブログで 「 Inventionインヴェンション14番 B-Dur 」  と

「 Wohltemperirte Clavier Ⅱ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻

16番 g-Moll Fuga 」 の類似性について、指摘しました。

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/f6d2d707cc21e9b1615a6a2d5bd89568


★本来、Thema 主題や Motiv モティーフが、

異なった動きをするはずの 「 counterpoint 対位法 」 で、まるで、

3度や 6度音程の、 ≪ 重音進行 ≫ のように

ピッタリと一致した Thema 主題などが、奏されます。

いわば、横紙破りの対位法です


明日開催いたします、KAWAI・横浜みなとみらい

「 Chopin が見た平均律 第 1巻・アナリーゼ講座 」 では、

≪ 20番 イ短調 a-Moll ≫  を勉強いたしますが、

この 20番 Fuga も、 Thema 主題をあたかも重音のように、

音を重ねる手法が、数多く、使われています。


この三曲を同時期に勉強できることは、

Bach の counterpoint 対位法 の謎に切り込む、

絶好の機会
であり、

そのような機会を、 Bach 先生が、

与えて下さったような、気持ちです。


★これは、Inventionen インヴェンションと、

「 Wohltemperirte Clavier Ⅰ、Ⅱ

平均律クラヴィーア曲集 第 1巻、第 2巻 」 とを、

同時並行的に、勉強していかなければ、

決して見えない
ものであり、

また、Bach がそれを要求していると、

言うことができるのです。

 

 


★この 20番について、Chopin ショパンの書き込みが、

この曲を解き明かす大きなヒントであることは

間違いありません。

これについては、2012年2月 のブログを参照ください。


★今回は、Bartók Béla  バルトーク (1881~1945) が、

この 20番をどう見ていたかについても、お話いたします。


★Bartókは、脚注で次のように記しています。

 ≪このフーガの構成は、普通によくある Fuga フーガからは、

逸脱している。第一部の提示部は、三つの部分からできている。

その第一番目は、通例のフーガの提示部です。

次の第二番目の部分は、Thema in der Umkehrung

反行形主題の提示部です。

最後の三番目は、Thema in der Engführung

ストレッタ主題の提示部です。

40小節目の冒頭で、この大きな提示部が終了しています。

以上が第一部です。

そして、すぐに短い Zwischenspiel 嬉遊部が始まり、

43小節目冒頭で終わります ≫


★≪第二部は、 43小節目から始まり、

ここでの主題は、近親調のみです。

第三部の初めは、もう一度主調の主題が提示され、

フェルマータの付いた和音とともに、

頂点がさらに昂進していきます≫

 

 


Bartók は、この 87小節の長大なフーガの、

ほぼ半分を占めている、
異例の提示部に、鋭く、着目しています。

それが、この 「 重音のような横紙破りの counterpoint 対位法 」 が、

生まれたことと、密接に関連しているからです。


私の考えは、「 重音 」 のように見えますが、

実は、 ≪ 重音ではなく ≫、

結果的に、重音のように、形の上ではなっている、

ということです。

この分析については、講座でお話いたします。

それは、Bach の 「 自筆譜 」 を、詳しく分析いたしますと、

分かってくるのです。
 

★この平均律  ≪ 第 1巻 20番 ≫ の終結部 80小節が、

fermata フェルマータを伴った和音で、半終始した後、

Coda コーダを始めていることと、

≪ 第 2巻 16番 ≫ で、  73、 74小節目 codetta コデッタの後に、

75小節目から Coda コーダが始まるのも、

偶然の一致ではないような気がします。


http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/d/20120214

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/d/20120216

 

 

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■Chopin が見た平均律アナリーゼ講座 第20回 のご案内 
        第 1巻 第 20番 イ短調 a-Moll
   ~ Chopin の楽譜書き込みは、アナリーゼそのもの ~

■ 日  時 2014年 13  午後 2 時   4 30

■ 会  場 :  カワイミュージックスクールみなとみらい        

          横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

          ( みなとみらい駅『出口1番』出て、目の前の高層ビル 3F )

■ 予 約 : Tel.045-261-7323 横浜事務所

       Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

  2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

  07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

  08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
     CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

  08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

  09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版

          「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

  10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

  10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

  11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

  12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

  13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

★上記の 楽譜 & CDは、

「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/  

「アカデミア・ミュージック 」

 https://www.academia-music.com/    で販売中

 

   ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

    Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

    全国の主要 CDショップや amazon でも、ご注文できます。

   ★ disk Union クラシック館で、第1 ~ 6番を購入できます。

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■映画「ブルージャスミン」を見る、米国の近未来を暗示。救いはあるのでしょうか■

2014-07-08 23:27:14 | ■楽しいやら、悲しいやら色々なお話■

■映画「Blue Jasmin」を見る、米国の近未来を暗示。救いはあるのでしょうか■

                  2014.7.8    中村洋子

 

 

★Woody Allennウッディ・アレンの新作映画
「 ブルージャスミン Blue Jasmin 」(2013年)を見ました。

悲しい映画です。「救い」がありません。
彼は絶望しているのでしょう、「アメリカ」という国に。
主人公のジャスミン Jasmin という女性を描くことで、
その国の近未来を暗示しています。

 

★「ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris 」で、
Woody Allennは、
“いつの時代でも、理想郷などありはしない”。 
その時代の愚かさ、軽薄さを憎み、俗物と戦い、
日々、命を削る思いで創作している芸術家だけが、後世からみて、
その時代を輝かせている・・・というメッセージとともに、

主人公である、売れっ子の脚本家に、アメリカでの職業も、
リッチな婚約者もすべてを捨てさせ、パリを徘徊する生活を選択させました。

ここで既に 、Allennはアメリカの繁栄なるものへの疑いの「種火」を埋め込んでいました。そして、この「Blue Jasmin」です。 


Fuga にも似て、 Jasmin という主人公(主題)に、妹 Ginger と彼、元夫。
 Jasmin の夫、息子、新しい恋人という脇役(副主題)が、現在と過去とを経糸と横糸のように、絡ませ、縦横無尽、それぞれの生き方をさらすことで、アメリカの現在を暴きます。

 

★甘い香りを四方八方にまき散らす Jasmin の花。
しかし、この花の名前をもった主人公は、破産し、落ちぶれ、
行くあてもなし。
誰も救ってくれない。
路傍のベンチに座り込み、独り言をつぶやいている。
映画は、残酷にそこで終わらせています。

 

★NYに住み、アメリカという国を、
その落ち窪んだ目で、じっくり眺めてきた Woody Allenn が
「もう、救いようがない、アメリカという国は、
いずれ Jasmin のようになる」と、アメリカという国への訣別を、
この映画で表明しているのかもしれません。

 

 


★NYから、サンフランシスコへ飛ぶ機内、ファーストクラスの席です。
中年の女性が、隣席の上品な老女に、一方的に喋りつづけます。
ボストン大学で人類学を学んでいた時、投資家の大金持ちに見初められ、中退したのよ」「夢のようなゴージャスな生活だったわ」「彼のセックステクニックは最高よ」「ある日、突然破産し、無一文になったの」
「いまから、サンフランシスコの妹の家に行くの、トランク一つで」
「安定剤やたくさんの薬を、カクテルのようにして飲んでいるのよ」
「ジャネットが本名だったけど、平凡だから神秘的なジャスミンに変えたの」。

40代後半に見えるこの女性が、主人公の Jasmin ジャスミン。

 

★純白の生地に黒い縁取り、みるからに高価そうな「 Chanel 」の上着、
バッグには、黄色い Hermès のスカーフが結わえられ、ヒラヒラなびきます。
しかし、このシャネルはどことなく、陳腐に見えます。
一方、隣の老女は上品、さりげなさを装いながらも高級さがにじみ出る服装。

 

★タクシーで到着する妹の家は、安っぽいカフェやレストランが並ぶ、下町の庶民街。妹は不在でした。
スーパーでレジ係として汗まみれになり、働いているのです。

日本人から見ますとかなり広く、整ったこぎれいな家ですが、典型的セレブだった Jasmin の、かつての宮廷のような邸宅とは比較になりません。
パソコンを開くのも、
キッチンシンクの横。


 
★フラッシュバックのように、 Jasmin の過去の生活が、挿入されます。
これが、この映画の見事な技法です。
 Jasmin の意識の中で、現実と過去の夢のような生活とが、混在しています、
その混在、混乱を、映像が描きます。

 

★ Jasmin の大邸宅は、優しそうなメードさん、豪華な家具の居間、
プール、広大な庭、山の中の美しい別荘。

★妹の名は、Ginger ジンジャー「生姜」、少々コケティッシュな名前。
Jasmin は、背も高く、歩き方も前方を見据え、胸を張って歩きます。
Ginger は、小柄、痩せています。見るからに貧相です。
化粧もほとんどしない。
一目で階級の違いが分かります。
この姉妹は、ともに養女でしたが、Ginger は養い親と折り合いが悪く、
若くして家を出ていたことが分かってきます。

 

 

★「お金がないのに、どうしてファーストクラスなの」と妹。
「今までの癖でつい、頼んじゃったの・・・」

 Ginger には、別れた夫との間に小さい男児が二人います。
その夫は家具修理工、東欧系の移民の様子。いまでも子供とは会っています。
元夫の家へ、子供を迎えに来たGinger が、 Jasmin が来たことを話します。
「あの女は全部知ってたんだ。絶対に許せない」と元夫。
「知らなかったのよ」とかばうGinger 。
彼はこの映画で、重要な役割をこれから演じていきます。
離婚の原因も、 Jasmin にあったことが次第に分かってきます。

 

★Ginger には、いま、新しい彼がいます。「食事をしよう」、彼とその友達と四人で街に出かけます。なだらかな坂のはるか下には美しい海が光ります、派手なネオンの中華街での散策、観光案内もたっぷりしてくれます。


 
★その彼も、やはり、肉体労働者でした。典型的なブルーカラー。
ジーンズに、薄汚れたセンスの悪いシャツ。
いろいろな血が混じり合ったような浅黒い風貌、いわゆる白人ではありません。
知性の香りは全くしません。
彼の体から発する、暑苦しい汗の臭いがスクリーンにまで漂ってきます。
彼らの話は徹頭徹尾、口に出すのも憚られるような、卑猥な話ばっかりです。
そして、 Jasmin への好奇に満ちた刺すような眼差し。


★Ginger の彼は、とことん Ginger に惚れ込んでいます。
「早く一緒になりたい、子供も引き取りたい」。
そんな思いがヒシヒシ伝わってきます。
嘘のない単純な人なのです。

 

★そんな男たちに、辟易する Jasmin 。
いままで自分を取り巻いていたアッパークラスとの乖離に、
絶望的な気持ちにとらわれています。

 
画面には、フラッシュバックのように、Jasmin のかつての優雅な生活が現れます。
誕生祝いに宝石のブレスレットを貰うシーン。
真っ白な泡がこんもりと盛り上がるバスタブで、入浴中のジャスミン、
夫が宝石の包みを開け、腕に嵌めます。
名画の王侯貴族のような食卓、誕生日のディナーです。
揺らめく蝋燭の灯り、まばゆいばかりの銀食器、虹色に輝くクリスタルグラス、
高価なワイン、かしずく給仕・・・。

 


 
★画面は過去に遡ります。別れる前の妹夫婦が突然、ニューヨークの豪邸を、
訪れます。「観光」でした。Jasmin は、高級リムジンを提供して市内観光をしてもらいます。超ブランド店で、妹が目を丸くするような素敵なバックなどを買い与え、それなりに歓待します。
 観光も一段落、プールサイドでくつろいでいるシーン。
妹の夫、「実は、宝くじで2000万円当たった。これで自分の事業を始めたいが、どう思うか」。

Jasmin 「それを、夫に任せたら?。例のあのホテルの件に加えてあげたら」
Jasmin の夫「○○諸島のリゾートホテルへの投資の話だ。しかし、利子はあまりよくない、1、2割程度だが・・・」。 画面はそこで終わります。

 


★ここから、Jasmin の夫がどういう人物であるか、順々に解き明かしていきます。
山荘のテラスで、Jasmin 夫婦がくつろいでいます。夫の顧問弁護士が深刻な顔で、
なにやら、書類を持ってきました。「このままでは駄目だ。ヨーロッパの会社に付け替えろ。それなら大丈夫だ、違法にならないな」というようなことを指示しています。どうやら、危ない橋を渡っている人種のようです。
 Jasmin はといえば、その危なさを知っているようでもあり、それ以上に、知りたくもない、いまのままでいい、という微妙な深層心理を覗かせています。Jasmin の親友は「会計は、夫と別にしておかないと駄目よ」と忠告しています。

 

★妹がリムジンでNY観光中のことですが、偶然に Jasmin の夫が美しいモデルのような女性とビルから出てくるところを目撃、別れ際、キッスを交わしました。
夫の複雑な女性関係を暗示します。
これが、この映画の  Counter subject 対主題でもあります。

 Jasmin の夫には、前妻との間の男の子がいます。
ハーバードの優秀な学生です。
父親が、大学に多大な寄付をしたことが知れ渡り、
彼も、パパを誇らしげに思っている様子。

 

★サンフランシスコのJasmin は、好きな室内装飾の資格を取り、
それで、生計を立てようと考えています。
PCで通信教育を受けたい。
そのためにはPCを勉強しなくてはいけない。
その費用稼ぎに、嫌々ながら、歯科医の受付アルバイトを始めます。

 

 

 


★インテリ風の歯科医は、Jasmin を一目見た時から惚れ込んだ様子です。
懲りずに何度も何度も迫ってきます。
歯科医の指には結婚リングがキラリと光ります。

Jasmin は頑なに拒み続け、遂に荒々しく床に突き倒し、「もう二度と来ない」。
  
 この話は、本筋ではないサイドストーリーです。お金に本当に困っているJasmin にとって、歯科医の愛人となる選択肢も、現実には十分ありうる話です。

しかし、Woody Allennは、Jasmin に拒絶させます。
そのような妥協は、かつての誇り高きセレブにとって、
耐えがたい、許しがたい、という設定なのでしょう。こ
の挿入話は、 Fuga の中の「ディヴェルティメント 嬉遊部」にも似て、
物語を豊かにしてくれます。

 

★PC学校で知り合った女性からの誘い、「パーティーに行きましょう」。
Jasmin は妹と、久しぶりに華やかな宴会場に出かけます。
妹は、楽しく踊りまくり、中年の太った男と仲良くなってしまいます。

 Jasmin は、自分が主催者、女王のように振る舞っていたことのあるNYのパーティーを思い出してか、独り言をぶつぶつ。周りから不審に思われます。
風を浴びようと、テラスに出ました。

寂しそうに一人で座っていた男性と、目が合います。
インテリ風で柔和な眼差し、優しそう。

 
★「私は外交官、近くオーストリアに赴任します。2、3年の任期が終わったら、下院議員選挙に出るつもりです」。
「亡くなった妻はファッション雑誌の編集をしていました。貴女もその関係のお仕事のようですね。とってもセンスがいい」。

 初対面から、お互い引かれ合うものを感じています。
「私は インテリアデザイナー。脳外科医だった夫が急死しました。子供もいません」と、自己紹介をしてしまいます。
ここで本当のことは言えないでしょう。
それが普通の人間でしょう。

 「海の見える高台にやっと、気に入る家が見つかったところです。家具はまだ入っていません。一緒に見に行ってくれませんか」

 

 

★妹は、オーディオ業界の中年男が「独身」というのを単純に信じ、浮気だけでおさまらず、いまの彼から乗り換え、一緒になる気になってしまいます。
 だが、 Ginger の浮気を聴きつけた彼が、スーパーで働いている Ginger のもとに、血相を変え、乗り込んできます。「ダチ公がパーティーでバイトしていた。お前は男と楽しそうにしていたな。もう、夜も眠れないんだ。好きなんだよ、お前が」。買物客の驚いた顔も目に入らず、半狂乱で怒鳴る。よりを戻すよう迫ります。どうしても諦め切れないのです。

 

★彼は、さらに家にも押しかけ、復縁を迫ります。家具を倒す、電話を壊す、
当り散らします。
冷ややかな目で見ている Jasmin に、
「確かに、俺は貧乏だ。でもな、あんたたちのように、人を騙すようなことはしていないぜ」。

 

★しかし、 Ginger はまだ中年男に未練たっぷり。香水を浴びるように振りかけ、デートに出かけます。だが、男の職場に電話したことから、その中年が妻子持ち、騙されていたことに気付きます。
目が覚めたように、あっという間に元の鞘に収まってしまいます。
前より親密です。
なんともあっけらかんとした男女関係です。

 

 

★Jasmin は、外交官の両親にも会い、「趣味がいい、陶器や美術品の話もできる」と、大層気に入られます。
アンティーク家具のお店まで、黒の BMW でドライブ、
一緒に天蓋付きの大きなベッドを、楽しそうに選びます。
すべてが夢のよう。順調です。
「下院議員の選挙では、いつも僕の横で微笑んでいて欲しい」。

“ああ、元の生活に戻ることができる”。

 

★回想:Parisの高級ホテルから夫の忘れ物についての電話。
アメリカ国内の出張だったはずが・・・。
友人「今まで言わなかったけど、若い顧問弁護士、スポーツインストラクター、モデル、いろいろな人と彼がつき合っているのを知ってたわ。あえて、貴女には言わなかったけど」。

 

★帰宅した夫が唐突に、切り出します。
「今
度は本気なのだ。もう愛し合っている。若いフランス人の学生だ。あなたと別れたい。暫くホテルに住む」そのまま、家を去る夫。

 

★半狂乱の Jasmin 、突如、 FBI に電話を掛けます。
なにやら、告白している様子。

街を歩いている夫が、いきなり警察官に取り囲まれました。
逮捕状を見せられ、
車に押し込み、連行されてしまいます。

 

★自宅から、バッグを背負って家を出て行く息子。
父が詐欺師だったとは、もう、大学も行けない。跡
を追わないでくれ。

問わず語りに、夫が留置場で首を吊って自殺したこと。
窒息ではなく、首の骨が折れて死んだこと。
ロープは自分で手に入れたそうだ。

 

★財産は全部、没収されてしまった。
かろうじて隠すことができた宝石などは、売り払ったの。
私の名前が刻まれたヴィトンのスーツケースはただ同然よ、売れないわよ。

ニューヨークで、高級靴店の店員もしたわ。お客に靴を出すの。
昔のお友達が店に入ってきたけど、私に気付くと、
さりげなく静かに出て行ったわ。

 

 

ここから映画は密度を増してきます。
ほんの一日の出来事でクライマックスを迎えさせます。
ギリシャ悲劇のようです。  

★宝石店の前。
ショーウインドーには、大粒のダイアモンド指輪が輝いています。

まさに、店に入ろうとしている Jasmin と外交官。
男が声を掛けます。

「久しぶりだな。ここで会うとは。
この間偶然、息子さんと遭ったぜ。
場末のビルの地下で中古のギター屋をやっていた」。
妹の元夫でした。

 

★外交官の顔色が変わります。
Jasmin 「アラスカに仕事が見つかったんですって、よかったわね」
妹の元夫「誰が好きこのんで、そんな辺鄙なところへ行くか。
こうなったのもお前に金を全部取られ、無一文になったせいだぞ」。

「覚えておけ、人はな、許せないことは絶対に忘れないものだ」

 

★「息子?、どういうことだ」「婚約指輪、冗談じゃない」「説明してくれ」。
BMW の車内。厳しく詰問する外交官。
「そういうことじゃないの!」激しい口論。
車を急停車させ、飛び降りように出て行く Jasmin 。

 

★亡霊のように歩く Jasmin 。
地下への薄暗い階段を降り、中古ギター店に。

奥で息子が一人、パソコンに向かって仕事をしています。
「口止めしたのに、喋ってしまったのか」 
「FBIに密告したのは、あんただったんだな」 
「二度と顔を見せないでくれ。結婚した。
  彼女と一緒になったおかげで、ドラッグを止めることができた」

Jasmin 「FBIに電話してすぐに、後悔したの、本当に後悔したの」
  
「私には、あなたが必要なのよ」
息子「出てってくれ」

 


★憔悴し切った Jasmin 、とぼとぼ妹の家に戻ります。
家中に、明るい笑い声が響いています。
妹と彼は、最後の一切れになったピザを取り合いっこ。
じゃれています。
澱を落とすかのように、シャワーを、いつまでも浴び続ける Jasmin 。

まだ、妹たちは戯れています。

 

 

★その声を聞きながら、
「That's why you have never better life 
だから、あなたたちはいい生活ができないのよ」と、
呪詛のような言葉をつぶやき、家から出て行きます。

濡れ髪のままです。
亡霊のような顔。
白の Chanel スーツ。
冒頭の機内と同じ Chanel。
彼女のレゾンデトル、最後まで手放せないのです。
その白は気のせいか、くすんで見えます。
夢遊病者のよう。
道路際のベンチに腰を下ろす。
ブツブツ独り言。
隣に座っていた女性がさっと、逃げていきます。
映画は、ここで The END。
Woody Allennは、 Jasmin を見捨てたのです。

 

★以上は、シナリオ通りの、正確な筋、表現ではないかもしれませんが、
大筋では、
あまり間違っていないと思います。
映画館で販売している「パンフレット」は、腹立たしいのですが、歯の浮いたような常套的形容詞のオンパレードで、その映画が本当に伝えたかったことを、解説しているものは、稀なような気がします。
しかも、「シナリオ」を添付しているものはほとんど皆無です。
「自筆譜」と同様、「シナリオ」は映画理解のためには、必要なのです。
残念です。

パンフは、この映画について
≪虚栄とプライドで塗り固められたジャスミン≫と解説しています。
はたして、そうなのでしょうか。

 

 

★ Jasmin が、夫の投資詐欺を知っていたかどうか、
それはこの映画の重大なカギです。

プールサイドで、心地よい安楽椅子に座りながら、リゾートホテルへの投資を勧誘する手口を見て、「サブプライムローン」という言葉を思い出しました。
 アメリカで、お金持ちではない、その下の階層の人々に、マイホーム建設を薦めたあの「投資」です。失業者でも、あまり英語もできない移民の労働者にまで、このローンを組ませ、膨大な数の住宅を建てさせたのです。最初の数年間は、金利も安いのですが、その後、うんと高くなります。住宅の時価が上昇中は、それでも支払いは可能ですが、いったん時価が下落し始めますと、たちまち、ローンを払えなくなります。そして、その住宅は取り上げられてしまいます。
 その「サブプライムローン」を証券化して、高金利をうたい文句に、世界中に売ったのが、アメリカという国なのです。日本国もさぞかし、いい“カモ”だったことでしょう。プールサイドでの、リゾートホテルへの投資勧誘とそっくりです。

 
★しかし、「サブプライムローン」などの金融商品の結末がどうなったか、実は、分かっていない、といえそうです。それらの証券を売りまくった巨大な投資銀行などに対し、「 too big to fail 」 として、アメリカ政府は 「QE 金融緩和」 という分かったようで分からない用語を使い、膨大な資金供与、340兆円ものお札を刷り、延命措置、 “点滴“ を続けています。うやむやになっているだけかもしれません。そうした不良債権は、一説によれば、2000兆円ともいわれます。しかし、いずれ、清算の時がやってくるでしょう。逮捕された Jasmin の夫のように、その日は、突然訪れるかもしれません。

 

★不平等社会のアメリカは、最も豊かな1%の世帯が、国の金融資産の3分の1を所有し、上位20%の世帯が、95%を所有している歪な国です。「サブプライムローン」が、かなり詐欺っぽいものであったことは、富裕層のみならず、アメリカ全体がうすうす感づいていたかもしれません。 Jasmin の心理のように。何か変である、しかし、この甘い果実は捨てたくはない、本当はどうなっているか知りたくもない、知ると怖い。そうやって、ズルズルと流されてきた、というのが真相かもしれません。
 

 

 


★Woody Allennは、憐れな Jasmin の生き方を通して、
アメリカの実態を描いたのでしょう。
いずれ清算の時が来る。
その時、アメリカという国は、ジャスミンのようになる・・・。

 

★案外、この映画の主人公は、「妹 Ginger とその彼」かもしれません。
姉を批判しない、かばう。この優しさは、虐げられてきた者がもつ、優しさかもしれません。浮気しても直ぐに回復。新しいキャラクターです。

≪確かに、俺は貧乏だ。でもな、あんたたちのように、人を騙すようなことはしていないぜ≫という Ginger の彼の言葉。
これが、この映画の「核」であり、「救い」でしょう。
野卑でもいい、ジーンズで汗を流して働く人間のほうが、
Chanel を纏い、紳士やセレブのお面をかぶった詐欺師より、誠実である。
よほど、人間臭い。
こういう人たちが、アメリカを再建していく、と Allenn は言いたいのでしょう。

 

★Woody Allennは、決してアメリカを、見捨てはしていなかったのです。
「救い」はあったのです。
 そういえば、 Allenn はいつも「コットンパンツ」ですね。
「Chanel」より
「Blue jeans」です。

 

★Woody Allennの映画手法は、作曲技法によく似ています。
Subject 主題と Answer 応答、ディヴェルティメント 嬉遊部、
頂点の作り方・・・。
彼は、相当、クラシック音楽にも精通しているように見えます。 

 

 ■ Woody Allenn ウッディ・アレンの映画「 Midnight in Paris 」を見る

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/643877816a85ed0f39455e1899790aa7

 

※copyright © Yoko Nakamura    
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■ Bach が創ったどの motif も、それぞれが固有の命を宿す ■

2014-07-03 16:00:47 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Bach が創ったどの motif も、それぞれが固有の命を宿す

   第 14回  Bach 平均律クラヴィーア曲集  第 2巻 ・ アナリーゼ講座
        第  17番  As-Dur  BWV886   Prelude  &  Fuga
                                

                    2014. 7. 3               中村洋子

 

        

 

 

★厳しく、緊迫した「 16 g-Moll Fuga に続く

17 As-Dur Prelude 」 は、絢爛豪華

あたかも、Bach Orchestral Suite 管弦楽組曲の、

Ouvertur  序曲のようです。

 

★ Bartók バルトークは、この Prelude について、

頭で 「 f grandioso  ♩ = 50  と指定し、

≪ 力強いオルガン作品を想像できる ≫ と、注釈しています。

一方、Röntgen  は Andante   (  ♩ = 69  )  に指定、

曲の冒頭を「 p 」として、詩的な世界を創り出しています。

  

この二つの解釈は、

Bach の作品は演奏者によっていかようにも解釈でき、

それが、理論的な熟考の結果であれば、極めて妥当である

という、良い例であると言えます。

 

 

17 Fuga は、Counter-subject  対主題の「 半音階 」が、

特徴的ですが、見落としてはいけないのが、

16分音符の「 下行音階 」の進行です。

これは、実は 「 16番 g-Moll Fuga 」 で準備され、

はるか遠くの 「 21番 B-Dur Prelude 」にまでつながる、

極めて重要な、 motif モティーフなのです

 

★Bach の「 Wohltemperirte Clavier

平均律クラヴィーア曲集  」 は、

一つの曲だけを見ていては、何も分からない、とも言えるのです。

Bach  が創ったどの motif モティーフ も、

それぞれが固有の命を、宿しています。

 

★全曲集にわたって、様々な motif モティーフが、

縦横無尽に、張り巡らされ、

それらが、曲と曲との間で、緊張感を保ちながら、

有機的に支え合い、交感し、

広大無限な、宇宙空間にも等しい世界を、

構築しているのです。

 

 

Edwin Fischer  エドウィン・フィッシャーは、

≪ every voice ( 声部 )had its own melodic life ≫ と、

書いていますが、

≪ every motif has its own melodic life ≫ とも、

えると思います

----------------------------------------------

■ 日 時:2014年 8月 5日 ( 火 )午前 10時 ~ 12時 30分

会 場 : カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ

予 約:  TEL     03 - 3409-1958

----------------------------------------------

■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

  2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

  07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

  08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
     CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

  08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

  09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版

          「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

  10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

  10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

  11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

  12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

  13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

           「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

★上記の 楽譜 & CDは、

「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/  

「アカデミア・ミュージック 」

 https://www.academia-music.com/    で販売中

 

 

 

  ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

   全国の主要 CDショップや amazon でも、ご注文できます。

  ★ disk Union クラシック館で、第1 ~ 6番を購入できます。

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※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

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