■私の著書の紹介が「ムジカノーヴァ」「ショパン」9月号に掲載■
~Amazonレビュー欄でも、心打たれる感想を沢山頂きました~
2022.8.24 中村洋子
★記録的な猛暑の夏でしたが、いかがお過ごしですか。
のんびり過ごしているうちに、ブログ更新が遅れてしまいました。
私の新著《11人の大作曲家「自筆譜」で解明する音楽史》の書評が、
月刊誌「ムジカノーヴァ9月号」「ショパン9月号」に掲載されました。
★ムジカノーヴァ9月号は、「CD&BOOK」(p78)の欄。
長井進之介さんの文章。
私の本を十分読み込んでいただき、的確な評でした。
★「本書の著者の中村は、我々の見ている市販の楽譜には、
作曲家の重要なメッセージがほとんど反映されていないため、
出版譜だけでなく、「自筆譜」を見ることが非常に重要だという」
★「本書では、自筆譜から初版譜、そして現代の楽譜での表記の
違いを丁寧に説明しながら、なぜそれが起こっているのかも解説。
また、11人の作曲家を時系列に並べ、それぞれの楽曲が生まれた
背景と共に、詳細な楽曲分析や作曲家が求めていた音楽の形を
わかりやすく示していてくれる」
★「平易な言葉で書かれており、楽譜を読むことが苦手だという
方にとっても、高い壁を感じることなく、説明を理解できるように
なっているのも見事である」
★「分析をただ分析で終わらせることなく、楽曲の理解や演奏解釈
へとつなげられるよう、非常に実用的な説明をしていてくれる」
★「演劇や文学を例に挙げながら、解釈することの本質に迫る
コラムも非常に読みごたえがある」
★「普段、なかなか目にする機会のない自筆譜というものを意識する
だけで、音楽の世界がこれほど広がっていくのかと驚かされた」
★「現在はインターネットを含め、様々なかたちで自筆譜を閲覧する
ことが可能となっているし、本書で取り上げられた楽譜の所在が
分かりやすくまとめられているので探しやすい」
★「是非、本書を新たな角度から楽曲に向き合うきっかけにしてほしい。」
★「ショパン9月号」は「音本」books infoのコーナーです。
本書で著者が伝えたかったことは次の三つだ。
①大作曲家の作品に「バッハが宿っていないもの」はない。
②バッハ《フーガの技法》はなぜ「ニ短調」で書かれたか。
③大作曲家の「自筆譜」を学べば、「対位法」「和声」が自然に身につく。
★モーツァルトの自筆譜は、声部や楽器によって、太いペンと細いペン
で書き分けられている。ベートーヴェンは4種類のスタッカートを使い
分け、それぞれ狙いが異なる。などなど、本書ならでは記述も満載で、
楽曲分析を通じて音楽の奥深さも垣間見られる1冊となっている。
★Amazonのレビュー欄でも、心打たれる感想を頂きました。
https://www.amazon.co.jp/s?k=11%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6+%E8%87%AA%E7%AD%86%E8%AD%9C+%E3%81%A7%E8%A7%A3%E6%98%8E%E3%81%99%E3%82%8B%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%8F%B2&i=stripbooks&crid=2SWJYTM0DU27Z&sprefix=11%E4%BA%BA%2Cstripbooks%2C185&ref=nb_sb_ss_pltr-ranker-opsacceptance_3_3
「音楽は聴く一方で、知識も演奏力もないのですが、この本を
読んでいると音楽史が頭に入ってきます。平面的だった知識が
立体的になった気がします。楽譜の部分は私には難しかった
のですが、スラーやテヌートの位置から演奏法がイメージできる
という件があるムソルグスキーの《展覧会の絵》から面白くなり、
楽譜でわからない所は飛ばしながら読み進めました。
合間に入るコラムのテーマが私には本文以上に面白く、著者の美術、
映画、小説、音楽への意見、根底にある芸術への愛に、
共感したり、感心したりしました。
20世紀音楽の源流と言われているドビュッシーもバッハを基礎に
していたと、アラベスクを例に示されていることに《なるほど!》
と思いました。というわけで、楽譜が読めなくても楽しめる本でした」
★「ショパンのスラーの筆致やブラームスの符尾の使い分け、
バルトークの記譜のレイアウト。繊細な手がかりにより、
彼らの頭の中に存在したはずの魅力的な和声や対位法が提示
されています。
これまでありふれた常識のように弾いたり聴いたりした和音や
旋律からも、別の奥深い響きが現れます。
また、和声や対位法の背景知識も、理解しやすい柔らかい
語り口で説明されます。
作曲家達が採用し駆使した具体例がどれも個性的で美しいので、
難解な和声用語なども鮮やかに記憶に留められます。
各章は独立していますが一貫してバッハが共有されていることが
大きな意味を持つのだと、とても強く印象に残りました。」
★「読み手が置いてけぼりになるようなよくある難しい専門書では
なく、内容を理解するのに必要な和声の知識や音楽用語の説明が、
その都度とてもわかりやすい語り口で(図入りで)書かれている。
そして、バッハはじめ11人の作曲家への尊敬と親しみが根底に
あり、分析と言っても堅苦しくなく、むしろ血の通った温かい
勉強姿勢。その上で、重要なポイントの分析(解説)がなされるので、
途中で挫折することなく、むしろどんどん引き込まれて
11人の作曲家に親しみがわき、もっと知りたくなる!」
★「作曲家のいろんなエピソードも所々に盛り込まれており、
バルトークのメニューイン宛ての手紙なども人柄が出ていて温かい。
優れた演奏家、映画、古典、半藤一利さんなど音楽のみならず違う
分野の本物を知る人たちの話が、チャプターの間にコラムとして
挟まれていて、視野も広がり、脳が柔軟になる。
幅広く学べる、まさに有難い一冊です。」
★「平均律1巻で24番プレリュードのみがテンポ表示を持つこと、
平均律で調性を、フーガの技法で対位法を解き明かしたこと、
平均律1巻冒頭のドミソはニ短調のフーガの技法でも強調し使われて
いることなど、本書の深い分析から初めて大いに興味深く学びました。
素人の手習いでピアノにて平均律1巻冒頭、ゴルトベルクのアリアと
第三変奏までなどを四苦八苦して発表会で披露したことがあるので、
改めて片鱗ながら何と高邁な経験をさせていただけたことかと感動しました」
★「巷に広くある、思い入れと感嘆符のみによる《名作名演》の礼賛、
平板で単調な音楽史、史実や楽曲の本質を離れたCD解説などとは無縁
の本書は、知的快楽と頭の芯を心地よく刺激してくれる高度で楽しい
理屈っぽさに満ちた音楽史の数少ない不朽の名著に数えられると
思います。
ぜひ手に取って、バッハ様の天才に思いを馳せつつ、
多くの西洋古典音楽愛好家に読んでいただきたいと思います。」
★このように皆様に応援していただきますと、
「本を書いて、本当によかった!」と実感できます。
有難うございます。
★ところで、《11人の大作曲家「自筆譜」で解明する音楽史》
38ページ5行目の文章につきまして、以下に訂正いたします。
《ショパンの前奏曲集は「展覧会の絵」が作曲される35年前の
1874年、フランスで完成されています。》と記述しましたが、
正しくは、下記です。
《ショパンの前奏曲集は「展覧会の絵」が作曲される1874年の
35年前、フランスで完成されています。》
ショパンの前奏曲集の完成した年は、1839年です。
慎んでお詫びいたします。
本をお求めになられました方は、訂正をお願いいたします。
★さっと読み飛ばせる本ではありませんが、
すべてを簡単、単純化した世界は、本当の芸術からはほど
遠いのではないでしょうか。
たとえ非力であっても、「人間は考える葦」であってほしい、
と思います。
この本をゆっくり紐解いていただければ、クラシック音楽の輝くば
かりの真実に到達する方法がつかめるはず、と確信しています。
※copyright © Yoko Nakamura
All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲