音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「STEREO」誌が、無伴奏チェロ組曲SACDを優秀録音盤と紹介■

2015-03-27 23:58:29 | ■ 感動のCD、論文、追憶等■

■「STEREO」誌が、無伴奏チェロ組曲 SACD を優秀録音盤と紹介■
    ~ 4月15日 (水)新宿で、SACD の試聴会を開催 ~

             2015.3.27 中村洋子

 

 

★発売中の雑誌「STEREO」2015年4月号 (音楽之友社刊)で、

私の「 無伴奏チェロ組曲 」第2集が、「今月の優秀録音盤」

として、以下のように、詳しく紹介されています。

 

 

■ステレオディスク コレクション

●今月の優秀録音盤  福田雅光

演奏、音質、すべて最高の次元を目指し立ち上げた新レーベル第1弾

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中村洋子 :無伴奏チェロ組曲第二巻(第4番~第6番)

 ●ヴォルフガング・ベッチャー(チェロ)

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ディスクユニオン GDRL1002
¥3,800 /  2014年12月30日

 

 日本の情感を描く中村洋子の作品を、カラヤン時代

ベルリン・フィルの首席奏者であったチェリストが演奏したアルバム。

高SN比で中低域の分解力が高く明確にチェロの旋律が描かれ、

広帯域でクォリティが高く、低音弦楽器の響きをリアルに

仕上げた内容が素晴らしい。低歪で解像度が高く質感、粒子が

大変きめ細かくCDとしては極上の音質が魅力。

本気(最善を尽くす)で制作すればこのような優秀CDが作れる。

SACDは輪郭が多少あまくなる印象はあるが

優劣は分かりにくい。

この新レーベルは作品、演奏、音質、すべて最高の次元を

目指しディスクユニオンが立ち上げた。

レーベル面の塗装は最小限。

塗装は一種のダンプ材として作用、解像度が有利であることを

理解しているレーベルは少ない。

                      総合評価96点

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★このSACDは、通常のCDプレーヤーでも聴くことができるように、

製作されていますので、その音質の比較が書かれています。

 

★最後の文章は、分かりにくいかもしれませんが、

「CDの盤面に何も印刷していない」ことを、指しています。

盤面に文字などを印刷しますと、音が劣化するため、

今回は、盤の内周の小さいところにタイトルなどを

印刷するに留めました。

 

 

★≪本気(最善を尽くす)で制作すればこのような優秀CDが作れる≫

という文章から、評者が本当にそう実感されていることが、

よく伝わってきます。

とても、うれしい評です。

 

 

★以前、お知らせしました試聴会は、予定通り開催されます。

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/d/20150316

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■Bach は、Vivaldiを勉強して20年後にイタリア協奏曲を完成■

2015-03-22 23:43:40 | ■私のアナリーゼ講座■

■Bach は、Vivaldiを勉強して20年後にイタリア協奏曲を完成■
~名古屋「イタリア協奏曲第2、3楽章・アナリーゼ講座」~
                  2015.3.22  中村洋子

 

 


★昨日3月21日は、Johann Sebastian Bach(1685~1750) の

誕生日でした。

「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」は、

Bach が何歳の時の作品か? と問われた時、

きっと、若々しい青年期の作品であろうと、

答える方が多いと、思います。

横溢した生命力と、音楽の楽しみに満ち溢れているからです。


★音楽の初心者にとっても、この曲は、親しみやすく、

ある意味で、取り組みやすい、シンプルな曲、

というイメージさえ、抱かれます。


★しかし、前回2月25日の、

「Italienisches Konzert イタリア協奏曲・第1楽章」講座で、

あの一見明快な第1楽章が、実に精緻な countepoint 対位法 と、

Bach 後期の、複雑な和声によって作曲されていることを、

勉強いたしました。

 

 


★25日は、いよいよ「第2、3楽章」講座です。

Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー(1886~1960)は、

彼の校訂版で、この第2楽章について、

「悲しみから滲み出る嘆きが、希望へと、

そして哀願へと、移り変わっていく。

最後に再び、自らの中で嘆きが、消え去っていくのである。

この嘆きの歌の多彩なニュアンスは、

言葉では、言い尽くせないほどである」と、記しています。

講座では、この点について、詳しくご説明いたします。


★第3楽章について、Edwin Fischer は、

「3楽章の Thema テーマ は、Orgelbüchlein

オルゲルビュッヒラインの

≪ In dir ist Freude! あなたの中に、喜びがある! ≫

という曲から来ている」と、指摘しています。


★この≪ In dir ist Freude! あなたの中に、喜びがある! ≫は、

1715~16年にかけて、作曲されているようです。

「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」出版の、

約20年前になります

 

 


In dir ist Freude!を、詳細に分析しますと、

実は、その中に、Antonio Vivaldi 

アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741)の、

ある violin協奏曲の、重要な motif モティーフが、

そのまま使われているのです。


Vivaldiのこの violin協奏曲は、1711年に出版されており、

Bach は、何とその約2年後に、独奏鍵盤楽器作品として、

編曲しています。


Bach の作品は、何十年もの周到な勉強と準備、

そして、熟成を経て初めて、1735年に花開いたのです。

Bach はそういう作曲家です。

古い作品の断片を、寄せ集めたのではないのです

 

★講座では、いつものように、

 「Manuscript Autograph  自筆譜 」facsimile に等しい

Bach 公認の初版譜と、Edwin Fischer 版を、道しるべに、

ご一緒に勉強いたしましょう。

 

 

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● 中村洋子 バッハ・イタリア協奏曲 アナリーゼ講座 Ⅱ

■日時 : 2015年 3月25日(水) 10:00 ~ 12:30

■会場 : カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」

■予約: カワイ名古屋  Tel 052-962-3939

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■ 
第 2楽章 ~美しい旋律に、非和声音が精緻な装飾を施している~

「イタリア協奏曲第 第 2楽章」では、Bachが珍しく記した

テンポ記号≪ Andante ≫ のもつ深い意味を、解き明かします。


★蜘蛛の糸のように、精妙に織り込まれた、

第 2楽章 の右手旋律は、たくさんの ≪ 非和声音 ≫ を、

含んでいます。

この右手旋律を、装飾音記号で書き換えることすら可能です。

そうしますと、旋律の骨組みがむき出しに現れてきます。


★この、主に≪和声音≫から成る「骨組み」が、

どのように≪非和声音≫で装飾されているか・・・、

それを理解いたしませんと、

右手が絶えず、美しい旋律を細やかに弾いているだけの

「 退屈な演奏 」 になってしまいます。


★Bach は、Alessandro Marcello のオーボエ協奏曲を、

独奏鍵盤作品に編曲しています。

( Concerto d-Moll BWV 974, nach dem Concerto

d-Moll für Oboe, Streicher und Basso continuo von

Alessandro Marcello )

マルチェロの原曲を、どんなに美しく Bach が装飾し、

編曲したかを勉強いたしますと、第 2楽章 が一気に、

分かりやすくなります。

 

Fischer は 「 the scales full of fire、first in the

treble 、then in the bass 火のような音階、最初はトレブル、

次いで、バスで 」としています。

この意味は、どういうことでしょうか。


★Edwin Fischerは、書いています。

つまり、歓喜の歌をトランペットが、高らかに鳴り響かせるように、

弾きなさい、と指示しています。

講座では、これらのことを、分かりやすく、ご説明します。


★このスケールをピアノでどのように弾くべきか・・・、

真珠のネックレスのように、ただ美しく、

粒を揃えて弾くべきではない、

ということは、 Bach の作曲意図からして、

自明の理です。

 

 

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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

        2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

        07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

        08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
             CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

        08~09年:「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

        09年:「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

        10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

        11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
   チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

        13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
    「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

       ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 
        https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

      ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■インヴェンション8番は、“豪華なイタリア協奏曲”、Invention・アナリーゼ講座 ■

2015-03-19 14:33:03 | ■私のアナリーゼ講座■

インヴェンション8番は、“豪華なイタリア協奏曲”
  ~金沢 第8回 Invention・アナリーゼ講座 
     Invention Sinfonia 第8番 FDur」~

           2015.3.19 中村洋子

 

 

★インヴェンション8番は、1番と並び、最も有名な曲です。

クラシック音楽をご存じない方でも、一度は耳にされたことがあるでしょう。

明るく屈託がなく、一見、単純な曲に見えます。


★しかし、目と耳をよく凝らしてみますと、


そこにバッハの傑作「イタリア協奏曲」のエッセンスが、

浮かび上がってきます


★同じ「へ長調 F-Dur」であるのも、偶然ではありません。

インヴェンションとイタリア協奏曲の源を辿りますと、

「ブランデンブルク協奏曲」に、行きつきます。

さらに、それらの曲の大本は、

イタリアのヴィヴァルディやマルチェロなどの作曲家です。

 

  

Bachの「イタリア協奏曲」の初版譜は、

私たちに馴染み深い「大譜表」、つまり、

ト音記号とバス記号で、記譜されています。


インヴェンションや平均律の上声は、

ほぼ、ソプラノ記号で書かれています。


この違いを、読み解くことで、

インヴェンション8番がより深く、理解できます。

「ト音記号」は、ドイツでは「ヴァイオリン記号」と、

呼ばれていることが、ヒントです。


★この34小節の小さな曲に、


どんなに≪豪華な協奏曲≫が、隠されているか・・・、

それを解説し、音で確かめ、演奏のヒントをお話します。

★「シンフォニア8番」は、インヴェンション8番を

さらに発展させた曲と、みることができます。

シンフォニア全15曲のほぼ中央に位置し、

頂点である≪9番 ヘ短調≫へと、

どのようにつなげて演奏すべきか
その点もご説明いたします。

 

 

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■日  時 :  2015年 4月22日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分

■会  場 :   カワイ金沢ショップ、南町5-9 
            ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分 )

■予  約  :    Tel.076-262-8236 


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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

    東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

        2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

        07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

        08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

        08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

        09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

        10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

        11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
   チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

        13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
    「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

              スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

       ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 
        https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

      ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 

 

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■ 「SACD」の試聴会を4月15日開催、Schneiderhanの名演CD■

2015-03-16 18:01:11 | ■私の作品について■

■ 「SACD」の試聴会を4月15日開催、Schneiderhanの名演CD■
~18日(水)・ KAWAI 金沢「Inventionアナリーゼ講座第7番」~

                2015.3.16   中村洋子

 

 


私の作品「 6 Suiten für Violoncello solo

無伴奏チェロ組曲 全 6曲 」を収録しました 

 「SACD」 の試聴会が、4月15日 ( 水 )に、 開催されます。

「GOLDEN RULE」 レーベル1号として、

この SACD を発売しました 「disk Union 社」 の主催です。


★4月15日 18時開場、18時30分スタート。
会場: 「 dues 新宿 」 (disk Union イヴェントスペース)。
 =新宿区新宿3-28-4、東京メトロ新宿三丁目 A5出口徒歩1分=
ドリンク代(500円)を頂戴します。

★参加ご希望は、ディスクユニオン御茶ノ水クラシック館
            03-3295-5073 担当・高木まで


★「ESOTERIC エソテリック社」 最高の SACD用機器を、使用します。

この SACD を masteringした杉本一家さんの monitor roomに、

匹敵する、現在最高の音質を、体験できることでしょう。

また、「SACD」 と 「CD」 との音質の差を、

聴き比べる試みもいたします。


★当日は、私・中村洋子と杉本一家さんが出席し、

この作品と録音、マスタリングなどについて、

少々、お話いたします。

 

 


★このところ、私は、Wolfgang  Schneiderhan 

ヴォルフガング・シュナイダーハン(1915 - 2002)の、

ヴァイオリンを聴いて、楽しんでいます。

・Beethoven (1770~ 1827) Violin Konzert in D-Dur 
                            Furtwängler, Berliner Philharmoniker

・Brahms (1833~1897) Sonata für Violine und Klavier Nr.1,2
                            Friedrich Wührer, Klaveir    


★Schneiderhan は、私の以前からの愛聴盤である

「Fischer Trio」 の violinist でもあります。

このTrioは、 Schneiderhan のほか、

Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー(1886-1960)、

Enrico Mainardi エンリコ・マイナルディ(1897-1976)。

音楽を、音で構築するいわば “建造物” として取り組んだ

最高の音楽家のトリオです。

 

 


その音楽は美しく、堅苦しさは微塵もなく、  

音楽をする喜びに、満ち満ちています。

お腹が膨れるほどの形容詞、美辞麗句の宣伝で飾り立てられた、

現代の演奏家にがっかり、失望するより、

こうした真のマエストロによる、歴史的な名演を、

是非、聴いていただきたいものです。


本当の音楽とはどういうものか・・・

理屈ではなく、それを初めて、

体験されるかもしれません。


★一度でも、ご自分でそのような経験をされますと、

後は、本物の音楽を自分の目と耳で、

探し当てることが、可能となることでしょう。

偽物ばかりを聴いていては、絶対に、

そのようなレベルには、達しません。

 

 

 

 


18日 ( 水 )は、 KAWAI 金沢 「 Invention アナリーゼ講座」、

「Invention & Sinfonia 第7番」 e-Moll です。


★Edwin Fischer エドウィン・フィッシャーの素晴らしい

「Invention 校訂版」 を道しるべに、

Bach の 「Manuscript Autograph  自筆譜 」facsimile から、

Bach が、この曲を弾く人に対し、

どのように弾いて欲しいと思っていたかを、

詳しく分かりやすく、お話いたします。

 

 

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中村洋子 第7回  Invention・アナリーゼ講座
        「Invention & Sinfonia 第7番」  e-Moll 

 ~「ベートーヴェン・エリーゼのために」に宿るバッハの作曲法~

■日  時 :  2015年 3月18日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分

■会  場 :  カワイ金沢ショップ、南町5-9 
              尾山神社前 南町バス停より徒歩3分

■予   約  :  Tel.   076-262-8236 
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★インヴェンション&シンフォニア各 15曲の、丁度真ん中の 7番 ホ短調は、

この曲集で追及されている 「 3度音程 」 と 「 4度音程 」が主題として力強く、

むきだしに提示されています。


★特に「4度音程」は、調性を規定する際、根幹となる大切な音程です。

シューベルトの「冬の旅」や「平均律クラヴィーア曲集第2巻」の

「 フーガ 5番 ニ長調 」などを例に、その意味を詳しくご説明いたします。


★「 4度音程 」 の最も基本的な形は、

「 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集 」

のなかでも、散見されます。

家族や生徒たちに、いち早く身につけさせたいと、バッハが考えていたのです。


★演奏する際、「 4度音程 」 をどう表現するかについては、

エドウィン・フィッシャー校訂版のフィンガリングを基に、お話いたします。

これを理解いたしますと、本当の意味での ≪ バッハの豊かさ ≫ を、

体験することができます。


★ベートーヴェンは、「Klavierstück a-Moll WoO 59 Für Elise

エリーゼのために」を何度も推敲し、1810年ごろ現在の形となったようです。

ここでも、この重要な「4度音程」が、曲の根幹として使われています。

残されたベートーヴェン自筆のスケッチを基に、

その推敲の過程でバッハの「インヴェンション7番 」が

どのような影響を与えたか、分かりやすくお話します

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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

    東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

        2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

        07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

        08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

        08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

        09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

        10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

        11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
   チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

        13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
    「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

              スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

       ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 
        https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

      ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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■平均律第2巻 4番Preludeは fluteとviolinのDuett、全音階16分音符のFugaはジーグ風■

2015-03-12 00:24:07 | ■私のアナリーゼ講座■

■4番Preludeは fluteとviolinのDuett、全音階16分音符のFugaはジーグ風■
          ~平均律第2巻アナリーゼ講座 第4番 cis-Moll ~

                                      2015.3.12 中村洋子

 




平均律第2巻の4番 cis-Moll、5番 D-Dur、12番 f-Moll の

3曲は、Bach の自筆譜が行方不明です。

私たちは、平均律1、2巻をBach の自筆譜で学んできましたが、

その成果を総動員して、勉強したいと思います。

その際、平均律1巻と2巻の橋渡しの曲であり、

両巻のエッセンスでもある「Invention &Sinfonia」は、

大変参考となります。

2巻4番 Preludeは、 Sinfonia 5番 Es-Dur と酷似しています。

Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー は、5番について

「3声の Preludeの上声は、
フルートとヴァイオリンの Duett、

下声は通奏低音」という解釈をしています。 

切々と歌われる4番 Preludeは、62小節から成り、

Bach のお弟子さんたちはきっと、たくさんの装飾音を付け、

cantabile(歌うように)奏法をここから学んだことでしょう。

Fuga は、その心地よい流れを断ち切るように、

19個の全音階16分音符で厳しく始まります。

Gigue のような発想です。

 

全72小節の真ん中の35小節からは、

ソプラノ、アルト、バスの順で下行半音階が、

カノンで顔を出します。

この半音階はこれ以降、Counter-subject のように

Subject に寄り添います。

行方不明の自筆譜は、

この35ページを、見開き2ページの、

どこにレイアウトしていたのでしょうか?

それは宿題です。

 

 

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●中村洋子 平均律クラヴィーア曲集 第 2 巻・アナリーゼ講座

   第 22 回 第 4 番 cis-Moll  BWV873  Prelude & Fuga

■日 時 : 2015 年 4 月 16 日(木) 午前 10 時 ~ 12 時30 分
■会 場 : カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ
■予 約 : Tell. 03 - 3409 - 1958

---------------------------------------------------------

■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

    東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

        2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

        07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

        08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

        08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

        09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
  
   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

        10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

        11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
   チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

        13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
    「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

              スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

       ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」 
        https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/
                          販売中。

      ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 

 

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■平均律第2巻最後の24番は軽やか、Bachの心は既に「フーガの技法」 へと弾む■

2015-03-07 23:54:27 | ■私のアナリーゼ講座■

■平均律第2巻最後の24番は軽やか、Bachの心は既に「フーガの技法」 へと弾む■
    ~ KAWAI 表参道・平均律第2巻24番アナリーゼ講座~

                  2015・3・7  中村洋子

 


★マンサク、山茱萸、ミツマタと、

早春の樹々が、可憐な花を咲かせています。

いずれも黄色です。

春は、もうすぐですね。


★3月のアナリーゼ講座は、

・10日 ( 火 )平均律第2巻24番h-Moll    : KAWAI 表参道
・18日 ( 水 ) Invention 7番 e-Moll : KAWAI金沢
・25日 ( 水 ) イタリア協奏曲 2、3楽章: KAWAI 名古屋
                                                                                                              です。

★以前、「 Wohltemperirte Clavier Ⅱ

平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 」 の最終曲24番 h-Moll が、

どうして「大規模で、重々しく立派な曲ではないのでしょうか?」

という、ご質問を受けました。


★確かに、22番 b-Mollのように、長大で重厚な曲を、

平均律第1巻24番、平均律第2巻24番、計48曲の

最終曲とすることも、あり得たかもしれません。


★しかし、ここで「第1巻24曲、第2巻24曲」と書きましたように、

この第2巻24番h-Moll は、2巻の終わりであるとともに、

1、2巻の計48曲の最終でもあります。

 

 


★ここで、1巻の24番h-Moll と、2巻24番h-Moll とを

比較しますと、驚くような「Bach の設計図」が、

浮かび上がってきます


★10日の「表参道講座」で、詳しくご説明しますが、

2巻24番h-Moll は、

「この Prelude と Fuga でなくてはならない!!!」

のです。


平均律1、2巻や、 「 Messe in  h - Moll  ロ短調ミサ 」 について、

「以前に作曲した曲を、寄せ集めて編んだものだ・・・」

と、したり顔で主張する学者もいます。


★これは、「作曲家」の仕事とはどういうものか、ということを、

全く理解していないがゆえの、無知からの発言でしょう。

たとえ若い頃に書いた作曲であれ、それをもう一度取り上げ、

新しい構成の一員として、取り込むことにより、

その曲は、全く新しい生命が吹き込まれているのです。


★ですから、Bach が平均律第2巻の

「Manuscript Autograph 自筆譜 」 を、完成した1730年代末に、

この24曲は、全く新しい相貌をもって、

第2巻全集の一員として、作曲されたとみるべきでしょう。

決して、寄せ集めではありません。

 

 


★では、平均律第2巻24番 h-Moll は、

どのような曲なのでしょうか?

まず第一に、平均律1巻と2巻の総まとめの曲であると同時に、

「 Inventionen und Sinfonien 

インヴェンションとシンフォニア 」
全30曲をも内包した、

稀有な曲であるということです。


★天国のBach 先生のご配慮か、18日に金沢で開催します

 Sinfonia No.7 e-Moll に、その謎を解くカギがありました


Sinfonia No.7 e-Moll とこの2巻24番 h-Moll とが、

どのような関係にあるのかを考えてみます。

Sinfonia No.7 e-Moll から、24番 h-Moll を見てみますと、

24番 h-Moll は、 e-Moll の属調。

 

 

24番 h-Moll から、Sinfonia No.7 e-Moll を見ますと、

e-Moll は、 h-Moll の下属調になります。

 

 


★≪互いが属調または、下属調の関係にある≫のは、

非常に強い関係で結ばれている、

ということになります


24番は、 珍しくも、Prelude に Bach 自身の手で

「Allegro 快速に」と、書き込んでいます。


★その曲想は、軽やかで、

一抹の哀愁を、帯びています。

(平均律第2巻で、Bach がtempoを書いているのは、

この他には、第16番 g-Moll の Preludeでの「Largo」のみ)


平均律第1巻で、Bachがtempoを書き込んでいるのは、

やはり24番のみで、

Prelude に「Andante ゆっくり歩くような速さ」、

Fuga に「Largo ゆっくり」と、tempoを書き込んでいます。

いずれも、速く弾くことを望んでいません。


1巻と2巻との違いは何なのでしょうか

「Allegro」という記号からは、

≪成し遂げた!!!≫という喜び、

そして、そこまで到達できた、という自信が、

溢れ出て来るかのようです


★「一抹の寂しさ」は、大Bach にしましても、

この48曲を書き終えた安堵と満足感、

それに伴う名残惜しさを、感じたのではないでしょうか。


★Bach の自筆譜を見ますと、各曲を書き終えた後、

最後の終止線の後に、彼独特の記号がよく、

書き込まれています。


★例えば、第20番 Fuga の終わりは、

 

 


 Fuga 3番のように、

その後に、「Fine終わり」の文字が、見られることもあります。

 

 

しかし、この24番 Fuga は、この終止線の後に、

ひときわ大きく、「Fine」が書かれ、

そして、彼の終止マークが、大きく大きく描かれています。

 

 

この≪達成感≫の中身は何でしょうか?

それは、次のように言うことができるでしょう。


2巻24番を真摯に、綿密に勉強していきますと、

1巻24番が、色濃く浮かび上がって来るのです。

主題、和声、さらに(Bach の自筆譜から読み取れる)

24番に記された独特の staccato スタッカート 、

tie タイを分析し、何故Bach がそれを記したかを、

考えることから、答えが出てきます。


平均律1、2巻を完成したBach の心は、

次の作品≪ Die Kunst der Fugue フーガの技法≫へと、

ぴたりと照準が当てられている・・・ということなのです。


そのためには、平均律1巻、 Invention & Sinfonia

すべてを見通す目が必要なのです。

講座では、これらを具体的に分かりやすくお話いたします。

 

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 ● 中村洋子  Bach 平均律 第 2巻・アナリーゼ講座

第 21回  第 24番 h-Moll BWV893 Prelude & Fuga

 ~ 平均律最後の24番は「憂愁」と「牧歌」的性格を宿し、
                                                
軽やかに踊って終わる

  ■日  時 :  2015年 3月10日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分

  ■会  場 :  カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ

  ■予  約 :    Tel.03-3409-1958

  ------------------------------------------------------------

  ■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

    東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

        2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

        07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

        08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

        08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

        09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
  
   10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

        10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

        11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
   チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

        13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

   14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
    「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

              スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

       ★上記の 楽譜 & CDは、
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   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
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