音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■次回 17番平均律講座は、ヘンデル「 CHACONNE 」 とバッハをつなぐもの ■

2011-09-29 18:57:49 | ■私のアナリーゼ講座■

■次回 平均律アナリーゼ講座は、17番 変イ長調 ■

  ~ ヘンデル「 CHACONNE 」 とバッハをつなぐもの ~

             2011.9.29 中村洋子

 

 

1021日()の、第 17回アナリーゼ講座は、

Bach Wohltemperirte Clavier

 平均律クラヴィーア曲集  1巻 第 17番 変イ長調です。

   

Johann Sebastian Bach  バッハ ( 16851750 ) の有名な、

Inventio Nr.8 インヴェンション 8番へ長調が、

 豪華な、イタリア協奏曲であるように、

平均律17番 変イ長調 プレリュードも、

明るく喜びに満ちた、オーケストラ作品を彷彿とさせます。

 

このプレリュードと、バッハと同い年の Händel

 

 ヘンデル ( 16851759 ) の有名な

 

シャコンヌと変奏曲 CHACONNE G-Dur HWV 453 とを、

 

つなぐものは何か、を探ります。

 

さらに、バッハの「 Brandenburgische Konzerte

ブランデンブルク協奏曲 」をどのように、

平均律 17番の演奏に、活かしたらいいか

についても、話しいたします。
  

静謐で温かく、心に沁み入るオルガンの響きにも似た

17番フーガには「 Klagemotiv 嘆きのモティーフ 」の、

変形が、隠されています。

このモティーフがあるからこそ、

 17番フーガが、ここまで奥深い曲になっている、

と言っても、過言ではありません。

それを意識して演奏することで、さらに、

バッハの世界に、近づくことができるのです。

 

★17番プレリュードは、オーケストラを彷彿とさせ、

フーガは、オルガンの響きにも似る。

 

 

 

■日 時 : 2011 1021日(午前 10 ~ 12 30

■会 場 : カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ

■会 費 :  3,000円 ( 要予約 ) Tel.03-3409-1958

 

講師:作曲家 中村 洋子

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。

日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

 
2003
年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲第 1番 」 などを

    チェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏した

CD 『 W.ベッチャー日本を弾く』 を発表。

08:CD「 龍笛&ピアノのためのデュオ」、

    CD ソプラノとギターの 「 星の林に月の船 」 を発表

0809 :「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座

    全 15回を開催。

0910:「 無伴奏チェロ組曲第 2 」が、W.ベッチャー氏により、

     ドイツ・マンハイムで初演される

10:「 無伴奏チェロ組曲第 1 」 が、ベルリンのリース&エルラー社

     Ries &Erler Berlin から出版される。

 CD 無伴奏チェロ組曲第3番、2 W.ベッチャー演奏を発表

レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」 が、

ドイツ・ドルトムントのハウケハック社

   Musikverlag Hauke Hackから出版される。

スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。

101月より:バッハ・平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座を、

カワイ表参道で開催中。

2011 4 :「 10 Duette fur 2 Violoncelli

     チェロ二重奏のための10の曲集 が、

     ドイツの Ries & Erler Berlin 、リース&エアラー社

     から出版される。

 ● 上記の楽譜とCDは、

 「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/

「 アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/

で、販売中。

 

 

▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

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■ 「 Fur Elise エリーゼのために 」 の草稿から分かること ■

2011-09-27 17:20:46 | ■私のアナリーゼ講座■

■ 「 Für Elise エリーゼのために 」  の草稿から分かること ■
                       2011.9.27      中村洋子

 

 


★ Beethoven  ベートーヴェン(1770~ 1827) の、

 「 Für Elise エリーゼのために 」   a-Moll  WoO 59 は、

1808年の草稿があり、1810年ごろの完成と、推測されています。

しかし、完成稿は行方不明で、現在では、

この2ページの草稿 Zweiseitiger Entwurf Beethovens

 ( Beethoven - Archiv , Bonn )  が、残されているだけです。


★モーツァルトの手紙などの研究者であった、

Nohl ノール (1831~1885 ) が、1865年、

この 「 Für Elise エリーゼのために 」 を発見した、とされています。

出版は2年後の1867年、ベートーヴェン没後 40年です。


★ Elise は、ベートーヴェンを診察していた医師の娘、

Therese Malfatti  テレーゼ・マルファッティ のことではないかと、

現在では、推測されています。


★エリーゼが誰であったか、という詮索は、

曲を弾くうえで、意味はありません。

最終稿が不明である以上、残された2枚の草稿から、

ベートーヴェンの作曲意図が、どうであったかを知り、

演奏に活かすことが、肝心です。

 

 


★幸いなことに、残された 2ページは、

黒と青の二色のペンで、記載されています。

黒で書いた後、青で推敲した跡が、手に取るように分かります。

何気ないこの小品も、天才が練りに練って作曲した作品である、

ということが、実によく分かります。


★特に、私が注目しますのは、

60小節から 75小節にかけての、和音の書き方です。

左手部分の、16分音符 「 repeated notes 」 の上に、

右手の和音が、奏せられます。


★この右手の和音は、 2和音であったり、 3和音であったり、

4和音と、いろいろです。

音の性格が、それぞれ異なっているにもかかわらず、

現在の実用譜では、 1本の符尾で、音を串刺しにして、

無機的に、表記しています


★しかし、ベートーヴェンの草稿をつぶさに見ますと、

そのようには、書かれていません。

61小節目の、付点 4分音符の和音

( 下から E - G - B - Cis 、 ホ - ト - 変ロ - 嬰ト ) は、

ソプラノの  「 Cis 」  のみ、符尾が上向きで、

その下の、 「 E - G - B  」 は、まとめて、

符尾が、下向きとなっています。


★ベートーヴェンは、ここで、この 4つの音を、はっきり、

「 ソプラノの Cis  」 と、

「 3分割された アルト ( E - G - B  ) 声部 」  とに、

分けているのです。

 

 


★VERLAG BEETHOVEN-HAUS BONN から出版されています、

この自筆譜の 「 Transkription 」 では、

この 4音を、ひとまとめに下向き符尾で、

串刺しに、表記しています。

これは、明白な誤りです


★62小節以降は、ベートーヴェンの草稿どおりになっています。

この 「 Transkription 」 を、ご覧になる方は、くれぐれもご注意ください。

いかに、自筆譜を、自分の目でじっくりと見ることが大切か、

思い知らされます。


ベートーヴェンは、 61 ~ 75小節目の右手部分を、

 「 ソプラノと、分割されたアルト 」  というように、

はっきりと、声部を分けています。

つまり、 「 repeated notes 」  のバスと、

分割されたアルト、ソプラノで、

最低でも 「 3声 」 で書いているのです。


★それを知るだけでも、この部分の演奏が、

どんなに、豊かになることでしょう。


★それは、もちろん、バッハを源泉としていることは、

言うまでもないことです。

29日のカワイ表参道  「 第 16回 平均律アナリーゼ講座 」 で、

詳しく、お話します。

 

 

                                   ※copyright ©Yoko Nakamura

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■ 第 10回 横浜・インヴェンション講座は、フランス組曲 5番との対比 ■

2011-09-23 22:14:23 | ■私のアナリーゼ講座■

 ■ 第 10回横浜・インヴェンション講座は、フランス組曲 5番との対比 ■

                          2011.9.23      中村洋子

 

 

 

第 10回 横浜 インヴェンション・アナリーゼ講座 は、

Johann Sebastian Bach ( 1685~1750 )

Inventio & Sinfonia Nr.10 、

 五月の空のような、明るく爽やかな

 「 10番  ト長調 インヴェンション&シンフォニア 」 

1029日 (土)  午前 10時 ~ 12時 30分 です。

 

★ヘ短調  9番で、頂点に達した ≪ インヴェンション ≫ は、

この 10番から、新しい世界に、入っていきます。

 10番から 15番は、より自由に大きな世界へと、展開していきます。

9番までは、各曲が、緊密に連携しあっていましたが、

10番からは、一曲ずつが、

華やかであったり、

メランコリックであったり、

ヴィルトゥオーゾ的であったり、

奔放に個性的に、作曲されています

 

 

 ★  今回は、バッハの舞曲とインヴェンションとの関係を、

「 フランス組曲 5番 」との対比により、解きほぐします。

バッハの作品は、無伴奏チェロ組曲や 、

ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ、

イギリス組曲などにみられるように、さまざまな舞曲の様式が、

重要な作品形式となっています。

 

★ フランス組曲にある舞曲により、初めて、

バッハの舞曲に触れた方も、きっと多いことでしょう。

大変に、親しみやすい曲集です。

この舞曲を、応用することで、インヴェンション 10番を、

より深く理解でき、また、演奏の貴重な手引きともなります。

それらを、分かりやすくお話いたします

 

 

 

■ 日時 :  2011 10月29日 (土)  午前 10時 ~ 12時 30分

 会場:   カワイミュージックスクール みなとみらい  

 横浜市西区 みなとみらい 4‐7‐1 M. M. MID. SQUARE 3F  

 ( みなとみらい駅  『 出口 1番 』 出て、目の前の高層ビル 3F )

 ■ 受講料:  ¥3000

 ■( 要予約 )  Tel.045-261-7323 横浜事務所

           Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

 

講師:作曲家 中村 洋子

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。

日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

 
2003
年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲第 1番 」 などを

    チェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏した

        CD 『 W.ベッチャー日本を弾く』 を発表。

08:CD「 龍笛&ピアノのためのデュオ」、

    CD ソプラノとギターの 「 星の林に月の船 」 を発表

0809 :「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座 」 全 15回を開催。

0910:「 無伴奏チェロ組曲第 2 」が、W.ベッチャー氏により、

     ドイツ・マンハイムで初演される

10:「 無伴奏チェロ組曲第 1 」 が、ベルリンのリース&エルラー社

     Ries &Erler Berlin から出版される。

       CD   無伴奏チェロ組曲第3番、2  W.ベッチャー演奏を発表

       レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」 が、

         ドイツ・ドルトムントのハウケハック社

   Musikverlag Hauke Hackから出版される。

         スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。

101月より:バッハ・平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座を、

          カワイ表参道で開催中。

2011 4 :「 10 Duette fur 2 Violoncelli

     チェロ二重奏のための10の曲集 が、

      ドイツの Ries & Erler Berlin 、リース&エアラー社

     から出版される。

 

  ● 上記の楽譜とCDは、

 「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/

「 アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/

 で、販売中。

 

 

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■シンフォニア 9番での Edwin Fischer の 難しい Fingeringのもつ意味■

2011-09-21 23:55:17 | ■私のアナリーゼ講座■

 

■シンフォニア 9番での Edwin Fischer  の 難しい Fingeringのもつ意味■
     
              2011.9.21    中村洋子

 

 

★本日は、記録的な強い台風が日本を縦断し、大荒れの一日でした。

外出もできず、明後日23日 ( 祝日・金曜日) PM 2:00 から、

「横浜みなとみらい・カワイ」で、開講いたします

「 バッハ インヴェンション・アナリーゼ講座 」 の勉強で、過ごしました。


★ Johann Sebastian Bach  バッハ  ( 1685~1750 )

「 シンフォニア 9番 」 について、

Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー の校訂版は、 

「 感動的な Klagelied  ( 悲嘆の歌 )  」 と評し、

左手 ( 下声 ) 1小節目 2拍  ( F ) から始まり、

2小節目 3拍の 「 C 」 まで続く半音階進行を 「 Passionsmotiv 」 

 (  キリスト受難のモティーフ ) と、しています。    


★上記の半音階は、 F → E → Es → D → Des → C 

 (  へ → ホ → 変ホ → ニ → 変ニ → ハ  ) 音ですが、

この 6つの音を、2つづつ分割しますと、

 F → E 、 Es → D 、 Des → C という 

≪ 2度音程モティーフの、畳みかけ ≫ と、なります。


9番シンフォニアは、この 「 2度音程 」 の motiv が、曲を支配しています

  「 2度音程 」 は、  Fischer フィッシャー に倣って名付けますと、

 「 Klagemotiv 」  ( 嘆きのモティーフ ) と、呼んでいいと、思います。

 

 


★この 「 Klagemotiv 」  を、どう演奏すべきか?

その答えを解く 「 鍵 」 が、  Fischer  フィッシャー 校訂版の、

「 Fingering 」  に、あるのです


★例えば、 13小節目上声 ( ソプラノ )  4拍目の 

As → G  ( 変イ → ト ) 音 の 8分音符を、

 Fischer  は、 「 5 5 」 と、 二音とも、

小指で演奏するよう、指定しています


常識的にみますと、ここは 「 5 4 」 と、

 「 小指 薬指 」 で弾くのが、最も 「 弾き易い 」 

 「 指遣い 」 です。

 「 5 5 」 は、とても弾き難い指遣いです

 それゆえ、Fischerの楽譜を、「 読み込めない 」 人たちは、     

このような 「 指遣い 」 を、ひいては、

「 Fischer  の楽譜 」 までを、非難の対象とするのです。


★しかし、この箇所を、 Fischer  の指遣いで、

 ≪ vollem Legato zu “ singen ”≫ ≪ “ sung in full legato ” ≫

 ( フルレガートで、歌う ) で、 Largo のテンポで、

弾いてみてください


★重い十字架を、痩身に背負いながら、刑場へと、

一歩一歩よろけながら歩む、キリストの足取りもかくや・・・

という音型が、眼前に、現れてきます。

 

 


★まず 「 5 5」 指の Fingering  で、その音型を体験し、

次に、各人の指の特性に合った、 「 指遣い 」 を、

探せばいいのです。


★これは、私が以前に、講座でお話ししました 「 暗譜の方法 」 とも、

深い関係が、あります。


★ Edwin Fischer  エドウィン・フィッシャー は、上声 ( ソプラノ ) の

上記 13小節に続く、 14小節の最後の音  「 As 変イ 」 から、

15小節の最初の音  「 G  ト 」  にかけての 

「 Klagemotiv 」  ( 嘆きのモティーフ )  の 2度音程も、

 「 2 2 」  指 を、指示しています。


人差指を、2回続けて使いますが、同じく     

≪ vollem Legato zu “ singen ” ≫ で、弾くことにより、

 「 思い足取り 」 が、 「 5 5 」 のときより、さらに、

「 深く 」 、表現できるのです。


★上記の  Fingering は、ほんの一例です。

各小節にびっしり書き込まれた  Fingering  は、

一つ一つに、深い意味があります

音で 「 思考する 」 とは、何なのか?

という問いに対する、明確な 「 答え 」 が、ここにあります。

そして、同時に 「 どう演奏したらよいか 」 にも、

直結しているのです。

 

 

                                       ※copyright ©Yoko Nakamura

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■ 「 Fur Elise エリーゼのために 」 がなぜ名曲か&ケンプの名演 ■

2011-09-18 16:18:43 | ■私のアナリーゼ講座■

■ 「 Für Elise エリーゼのために 」  がなぜ名曲か&ケンプの名演 ■
                  2011.9.18       中村洋子

 

  

 

カワイ表参道で、9月28日( 木 )開催の、

「 第 16回 平均律アナリーゼ講座 」  で、お話いたします、

Beethoven  ベートーヴェン (1770~ 1827)

 「 Für Elise エリーゼのために 」  ( 1810年ころ成立 ) を、

詳しく、見ています。


★もし、 Wilhelm Kempff  ヴィルヘルム・ケンプ ( 1895~1991) の、

名演 ( ケンプ 「 ベートーヴェン・アンコール 」 POCG 90112 ) と、

ベートーヴェン の残した 2ページのドラフト Zweiseitiger Entwurf Beethovens

 ( Beethoven - Archiv , Bonn )  が、無かったとしましたら、

私は、この曲を講座で扱うことは、なかったでしょう。

 ( ベートーヴェンの完全な Manuscript Autogragh は、失われています  )

 

 


★クラシック音楽を、全く知らない方でも、

知らない方はいないほど、人口に膾炙した曲です。

日本でも、陳腐に編曲されたり改竄されたものが、満ち溢れています。


★しかし、にもかかわらず、そんなにも人の心を打つのは何故か?

それを、考えてみますと、意外にもといいますか、当然といいますか、

ヨーロッパ・クラシック音楽の ≪ 名曲の条件 ≫ を、すべて備えている、

ということが、分かります。


★  Zweiseitiger Entwurf Beethovens を、詳しく見ますと、

2、 3、 4 小節目と、 9、 10、 11 小節目の 1拍目に、

「 Pedal 記号 」 が付けられ、さらに、 その小節が終わる直前に、

「 O 」 のマークが、付けられています。

「 O 」 はおそらく、 「 Ohne 」 = 「 無しで、without 」 の略ですから、

≪ 次の小節に移る直前で、ペダルを離しなさい ≫ という意味です。   


★8小節目の 「 第 2括弧 」 部分と、

22小節目の 「 第 1括弧 」 部分に、書かれている楽譜は、

同じですが、上声の 16分音符 シ - ド - レ  ( H - C - D ) の、

意味するものは、全く違います。


★ Kempff ケンプはなぜ、22小節目の  ( H - C - D ) を、

テヌート気味に、強調して弾いているのでしょうか?

 

 


★ベートーヴェン時代も、今日も同じですが、

ペダルは、音を曖昧にぼかすために使われているのでは、

決して、ありません。

それを、勘違いいたしますと、 「 エリーゼのために 」 が、

巷で聴こえてくる 「 ムード音楽 」 と、一緒になってしまいます。


★この 「 ペダルの意味 」 と、 「 22小節目の テヌート 」 こそが、

 「 Für Elise エリーゼのために 」 が、名曲たる所以なのです。

この点につきましては、講座で詳しくご説明します。


★Kempff ケンプの名演に接した後、私も真似をして、

ピアノで弾いてみましたが、全く、歯が立ちませんでした。

それは、Beethoven ベートーヴェン の 32の ピアノソナタ を、

あれ程、深く学び読み込み、さらには、その根源の曲である、

Johann Sebastian Bach  バッハ  ( 1685~1750 ) の、

 「 Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集 」 を、

生涯、学び続けた人にしか、できない演奏だからです。


★私は、バッハや ベートーヴェン の名曲に対し、

安易に 「 編曲 」 して、勝手に音を加えたり、減らしたり、

あるいは、原曲とは全く違う調に変えてしまう、

 「 移調 」 に、反対です。

そのようにしましても、当然、そこそこの感動は得られます。

それは、名曲であるがゆえに、当然のことです。


★しかし、例えば、バッハの、「 6  Suiten für Violoncello solo

無伴奏チェロ組曲 全 6曲 」 を、

他の楽器で、移調して演奏することは、

バッハが考えた ≪ 調の設計 ≫ を、

ズタズタにすることに、なりかねないのです


★Kempff ケンプ演奏 「 エリーゼのために 」  の、

 59小節以降の  「 A 」  の、

 repeated notes の美しさは、

形容しようが、ありません。

なぜ、ケンプがこのように演奏できたか、

それを、考え続けることが、

「 Bach  バッハ 」 に近づく、第一歩です。

 

 

                                    ※copyright ©Yoko Nakamura

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