■ 「ベルガマスク組曲」の 和声は、 Sinfonia 14番 から最大限に吸収■
~ 第 14回 Invention・アナリーゼ講座のお知らせ ~
2014.2.26 中村洋子
★本日は、KAWAI 名古屋で
「 第 13回 Bach Invention・アナリーゼ講座 」 を、開催いたしました。
年 3回ですので、ゆっくりとした歩みですが、これまでの講座で、
Bach の ≪ counterpoint 対位法 とは何か≫ を、探求してきました。
★今回は、 Bach の自筆譜から Invention と Sinfoniaを書き写す際、
両者を対比できるように、工夫を凝らして一枚の紙に記載し、さらに、
Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー(1886~1960)校訂版の、
Fingering も加えました。
★その結果、そのレイアウトから、これまで以上に、
Invention と Sinfonia が、表裏一体の曲 であることが、
裏付けられ、完璧に読み込むことができました。
★このようにして読み込むことが出来ますと、それが、
≪ 本当の暗譜 ≫ につながります。
また、暗譜の具体的な方法についても、詳しくお話しました。
★ Bach を暗譜することは、
≪ 誰からも奪われることのない、宝物を手に入れる ≫
ことなのです。
★次回の Invention アナリーゼ講座は、 Bach の和声と、
Claude Debussy クロード・ドビュッシー (1862~1918)との関係も、
お話いたします。
★Debussy は、 Chopin の全ピアノ作品を校訂しています。
Chopin は、その短い人生で、成人以降ほとんどをフランスで過ごし、
Parisで亡くなりました。
Chopin の存在と作品が無ければ、
Gabriel Faure ガブリエル・フォーレ(1845~1924) 、
Debussy 、 Maurice Ravel モーリス・ラヴェル(1875~1937) など、
フランス近代の大作曲家の作品は、在り得なかった、
と言えます。
★その Chopin が、終生にわたって学び、
学び尽したのが Bach です。
Bach なくして、Faure 、Debussy 、 Ravel は在り得ない、
ということなのです。
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■中村洋子・ Invention・アナリーゼ講座
●第14回 インヴェンション&シンフォニア 第14番 B-Dur
~ドビュッシー「ベルガマスク組曲」の和声は、14番から最大限に吸収~
★名古屋での 「 インヴェンション講座 」 も、あと 2回となりました。
★最終曲から一つ前の 14番は、インヴェンション全体を総括する、
とても重要な曲といえます。
★≪ インヴェンション 14番≫は、冒頭にある 3小節の長いテーマを、
どのように、緊張感を保ちながら演奏するか、
それが 「 要 」 といえます。
この 3小節のテーマには、一体どのような和声が、
内包されているのでしょうか?
それを、解きほぐします。
★≪ シンフォニア 14番 ≫ は、Fuga フーガのエッセンスを学べる曲です。
前半は、フーガの提示部として、例えようもない美しさ。
後半は、充実した「 ストレッタ 」 が、展開されます。
「 ストレッタ 」 は、 “ フーガの華 ” といえます。
この点についても、分かりやすくご説明いたします。
★他の曲と同様に、この14番も Invention と Sinfonia の両方で、
一曲とみることができます。
それを、 「 自筆譜 」 と 「 Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー版 」 を使い、
どう演奏と結びつけるかを含めて、詳しくお話しします。
★ ドビュッシー と インヴェンションは、
全く、無関係のように思われますが、
ドビュッシー の特徴的な和音は、実は、 Bach の和声に多くを負っています。
それを、 ≪ Suite bergamasque ベルガマスク組曲 ≫ を例に、
シンフォニア 14番から、何を学びとり、完成させたか、解き明かします。
同様のことは、モーリス・ラヴェルの和声についても、いえます。
フランス近代音楽の源泉も、すべてBach による、と言ういうことができます。
■ 日時 : 2014年 6月25日(水) 10:00 ~ 12:30
■ 会場 : カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」
■ 予約 : カワイ名古屋 Tel 052-962-3939 Fax 052-972-6427
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■ 講師 : 作曲家 中村 洋子 Yoko Nakamura
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。
07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。
08年:CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。
08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
Analysis インヴェンション・アナリーゼ講座 」
全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。
09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
初演される。
10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。
10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
「 Regenbogen-Cellotrios 虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。
11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
Musikverlag Hauke Hack Dortmund 社から出版。
13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。
スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
自作品が演奏される。
★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」
Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
全国の主要CDショップや amazon でも、ご注文できます。
★上記の 楽譜 & CDは「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で販売中
※copyright © Yoko Nakamura
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