いまの時代、テレビがないと暮らしていけない…という人が、このニッポン国でどのくらいおられるのか知らないけれど、かなり多いことは間違いないだろう。ひょっとして大半の人々がそうかも知れない。でも気をつけなければならない。高齢者の場合、テレビばっかり見ていると、ボケが猛スピードで進むそうである。その根拠は…? 知りません。テレビでそう言ってました(ええかいな)
“年寄り”が増えてきたので、テレビも「こんな病気が怖い!」とか「迫り来る老化をどう防止するか?」とか「あなたもボケにご用心」なんていうような番組が多く放映されるようになった。そんなテレビにハマっているうちに、病気になったりボケになったりアホになったりするのだから、シャレにもならん。
…が、そう言っている僕も、テレビは好きだ(ボケないよう「見過ぎ」に注意しなければ)。ニュースやワイドショーを見たり、旅の番組や古い映画を見たりしているが、今はNHKのBSで土曜日に再放送されている昔の大河ドラマ「独眼流政宗」が一番楽しみである。政宗を演じる若き日の渡辺謙の勇猛果敢さや凛々しさには惚れ惚れする。リアルタイムで見ていた当時の、忘れられないシーンがいくつもあるが、そういう場面が出てくると、胸が熱くなる。
でも、そんなテレビでも、バラエティ番組はほとんど見ない。あのごちゃごちゃと大勢の芸人が出てきて、つまらないギャグを飛ばしながら雑談を交わし、自分たちだけで面白がっているような番組は、社会に害悪をもたらすだけである。中には、まれに面白いのもあるが、大半はバカみたいな番組ばかりだ。
先日、「24時間テレビ」を見ていたら(あまり好きな番組じゃないので断片的にしか見ていませんが…)、びっくり仰天するような恐ろしい顔の女が2人出てきた。画面に「日本エレキテル連合」という文字が出た。それがこの妖怪みたいな2人のコンビ名だと気がつくまでには、しばらく時間がかかった。なんですか、あれは…? お化け屋敷でもこれほど怖いもんは出てきませんで~。テレビに出てくる芸人たちのグロテスク度も、ついにここまで来たか…とあきれた。
そして2人は下手なセリフと大げさな仕草によるやりとりをしたあと、「ダメよ~ダメダメ」という言葉を連発した。すると、まわりを取り囲むタレントたちが「待ってました~」とばかり大爆笑したのである。
あぁ、世も末じゃ~
「ダメよ~ダメダメ」のどこがどう面白いのか。笑っている人に聞いてみたい。どうやらこれが流行語にもなっているらしい。この間、ある場所で、小学2年の男児が「ダメよ~ダメダメ」と叫んでいたのを耳にした。子どもたちにこういうギャグはすぐに伝染する。テレビの悪い影響である。
だいたい「ダメよ~ダメダメ」というのは、僕らの世代からみれば、昔、森進一が歌ってヒットした「年上の女(ひと)」という歌の有名なフレーズである。
♪だから分って ほしいのと
そっとからんだ 白い指
放したくない つらいのよ
だめよだめだめ つらいのと
泣いてすがった 年上の女
2番も…
♪だめよ だめだめ いけないと
いのち燃やした 年上の女
3番も…
♪だめよ だめだめ つらいのと
涙で別れた 年上の女
…と、まぁ、こういう歌である。
調べてみると1968年(昭和43年)に出た歌である。
(わぁ~。あれから、もう46年も経つんだ)
そんな昔に流行した歌の文句がギャグとしてウケているということである。まったく~今の世の中、いったい何が流行するのか、さっぱりわけがわかりませぬ。
こんなことでは、日本の将来も…ダメよ~ダメダメ。
(うぅ…。僕にも伝染してしまった~)