めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

涼しい緑の目黒川

2013-08-08 14:00:36 | 日記
朝の八時だというのに枕元の寒暖計は30度を指している。
窓は開けたまんまで庭からの風が入ってくるのだが、
その風は道路からの熱気も一緒に運んできて、首筋から
ベットリとした汗がにじむ。

この夏は猛暑になることは解っていたが、こんなにも長く
暑い日が続くとは思っていなかった。
昨今の節電や省エネの傾向から、我が家も数年前から夏と言えば
扇風機と団扇、そしてあまりにも暑いときはシャワーで過ごすのが
夏の定番となっていたが、今年の暑さは異常だ。

我が家は幸い玄関を開ければ南の庭から一直線で風が吹き抜けるのだが
今年は外の道路からの熱風が吹き抜ける事が多くなった。
マンションのほんの猫の額ほどの庭の緑では、この暑さでは温度を下げるには
思ったような効果が得られない。
また、夜になるとチェーンを掛けているものの、玄関の半開きは物騒だ。

しかしながら、近くの目黒川に行くと、不思議とこの暑さが和らぐ。
遊歩道を覆う様に茂った桜の葉は、普通の道路を歩くよりも
2~3度は確実に気温が低く感じる。
桜の花の咲く時期は多くの人が訪れる目黒河畔も、この時期はここを
生活道路として利用する人と、ウォーキング等の運動目当てで利用する
一部の人たちが時々見られるくらいで、昼間の暑い時間帯は殆ど歩かない。

何故歩道には広葉樹を植えるのかという質問で、夏場は日陰に、冬場は
落葉して太陽の光が当たる様にするためという解説を見たことがある。
まさに今の時期はその強い太陽の光を遮る天然の日傘の役目をしているのだ。
しかも、桜並木は川に沿って茂っているので川からの冷えた風と相まって
天然のクーラーの様な役目をしている。

そう考えると、戦後日本の山は広葉樹が切り倒され多くの針葉樹に変わった。
建築材として重宝された針葉樹はその下に住む多くの野生動物や植物に
大きな影響を与えた。我々が桜の葉の下で気持ち良く感じる様に、
春夏秋冬、多くの動植物がその恩恵に浸って日本の豊かな自然を支えていた。
動植物の多様性のみならず、世界で一番美味しくて良質な水が簡単に
手に入ったのはこの偉大なる日本の自然のお蔭だったのだ。

我々は自然のサイクルから離れ、自分たちだけの生活を作りあげようとした、
その身勝手さが今に将来に暗雲を広げる結果となっている。
クーラーが無いと生活できない夏、沢山の食品添加物を使わないと
生産できない食料品、汚染物質を出さないと動かない便利な車。
ありとあらゆる我々が創りだした便利グッズがジワジワと我々の身体を
心をむしばんでいく。時々感ずる自然の美しさ、偉大さ、そして
我々の独りよがりの弱さを感じる事が無くなった時、自然は
我々をこの地球から抹殺するのかもしれない。