めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

秋を見つけた!

2013-08-14 03:19:56 | 日記
先週の猛暑からすると、夜の気温が少し下がり過ごしやすくなった。
日本各地の気温は相変わらず高温を維持しているが、我が家の周囲は
数日前に比べると思いのほか落ち着いている様に思える。

ここ数日、深夜にかけて世界陸上が放送されることもあって
就寝時間が3時過ぎになってしまうのが悩みの種である。
スポーツ番組が事の他お気に入りと言う事もあって、たとえ
深夜に放送されようと、最後まで魅入ってしまうのだ。
今日も棒高跳びの決勝まで見てしまい、終わってから
明日の目覚めと仕事を心配してしまう事となった。

今年の夏の酷さと東京の四季のなさにうんざりとしたボヤキを
書いて来たが、今日はこの夏初めて秋を感じる事ができた。
それは、つい先ほどの事だった。

午前零時過ぎまでいつもの様に夜更かしをしてテレビの番組を
背もたれにひっくり返りながら見ていると、零時近くまで
うるさく鳴いていたセミの声がしなくなった。
どこからか聞き慣れないかすかな連続音が聞こえて来た。
テレビの音声がやや大きくてハッキリと確認ができず、また
競技に興奮した自分の声で聞き取れなかった。

しばらくテレビの音に混ざって聞こえてくる微かな音を気にしつつ
相変わらず選手の活躍に目を奪われていると、また小さな連続音が
聞こえて来た。
さすがに気になってテレビの音量を下げると、その声の主は小さく
ルルルルルルルルルル、、、、、、、、、、、、、、、。
と一定の軽やかなリズムを奏で、真夜中の暗闇から囁くように
歌い始めた。


久し振りに聞く優しい音色だ。
カンタンだ! 何年ぶりだろうか。すっかり忘れていた。
簡単!? いやその、かんたんではない。
虫の名前で、ちょうど八月の立秋の頃から鳴き始めて、
十月ぐらいまで鳴き続ける秋を知らせる虫の一つである。


最近の猛暑を考えると、たとえ立秋を迎えても、それは
暦の上での事、今の日本では季節の移り変わりを感じる事は
特に都会では難しくなっている。

まだまだ暑い日は続くが、こんな小さな虫の声を聞いただけで
心が安らぐというのは本当に素敵な事だ。
虫の音が雑音しか聞こえない民族も多いそうだが、
風の音や川のせせらぎに涼を感じ、虫の音や光りの傾きに
秋の訪れを思う我々日本人の感性、こんなにも豊かな心を
育てて来たこの素晴らしい日本の自然を失ってはならないと
心から思った。