ケリー国務長官が広島を訪問し、今後、オバマ大統領も来日する可能性があると
示唆したようですが、外交的パフォーマンスとしては良いかもしれませんが、
その事で、数十万人にも及んだ犠牲者が報われると言う訳でもなく、どれ程多くの
人々が、心も身体も苦しみ続けて来たかと言う事に対しては、何の進展も無く
悲惨な戦争は、何をもってしても償う事も癒す事も出来ない事に変わりは無いのです。
何時の世も、戦争を肯定する側と否定す売る側の意見が戦わされ、その結論が
出る間もなく、次なる戦争やテロが起こっています。
しかしながら、唯一言えることは、たとえ戦争で国としての利益が有ったとしても、
人々の心と身体は、悲しみと憤りから逃れられないのです。
身体の傷は癒えたとしても、心の傷は無くなるどころか、しっかりと刻み込まれ
憎しみは更に増し、新たなる争いの火種と成って行くのです。
しかし、戦争は、多くの人々を傷付け、更なる苦しみと悲しみを生むの事が解っていても
行なう事を肯定する人たちも少なくは有りません。
世界中で絶え間なく続く争いの悲惨さは、常にメディアを通じて報道されますが、
その陰に隠れて、膨大なる富を得ている人々が居るのも事実です。
戦争は、国同士や地域の争いともなると、そこで消費される軍事物資、武器等
その金額は国家財政並みに膨大と成ります。
中でも軍事産業は、その国の主要産業と成ることも多く、そこから得られる利益は
普通の交易から得られる額に比べ、莫大なるものです。
その為、国の経済が傾いたり、失業者が増えたり、資源が不足したりすると、
決まって、他国に攻め入り、短期間で回復を狙った事も、歴史的に多く知られています。
そもそも戦争の原因は人間の欲望に有り、必要以上に物を欲しがる人間の悪癖に有ります。
動物は、お腹が膨れればそれ以上は求めません。
しかし、人間は、常に際限なく富や財産、食料を求め続ける事から、有史以来、争いが
無くなる時は無いのです。
戦争は悲惨ですが、戦争を好んで起こし続けているのも人間です。
人を苦しめ傷つけても、己の欲望を満たそうとし続ける限り、戦争は無くならないのです。
もし無くなるとしたら、人類がこの地球上から消え去る時です。
様々な文化を産み、地球上の生物で一番の英知を誇るとも言える人類ですが、
この戦いの繰り返しが、ついに、自分たちの首を絞める時が近づいて来ました。
私達だけの欲望を叶える為に進歩させてきた生活は、地球の自然を変えるまでと
成りました。
戦いが終われば、また平和な日々が戻ってくると言う時代は過ぎ、一度争えば、
地球全体を幾度となく破壊できる最終兵器を廃棄出来ない程作り上げました。
一部の地域の争いであった戦争が、いっきに世界中を巻き込み、人類の未来まで
消し去ってしまう可能性すら出てきたのです。
戦争の勝者が、莫大なる利益を得ると言う構図は、遠い昔の絵巻に過ぎません。
一度間違ってボタンを押してしまえば、勝者も敗者も無く、人類そのものが
長きにわたって地獄を味わう羽目になるかもしれないのです。
今や、大国がコントロール出来る時代では有りません。
この引き金は、小さな国やテロリストでさえ引ける程の危険性が出てきているのです。
頻繁に世界中の首脳が集まり、何とか戦争を起こさせない様に苦慮していますが、
本当に世界から戦争を無くしたいと考えるなら、更には、自然破壊を止めたいと思うなら
先ず、このサミットに出席する国から、世界中の国々が納得する良案を出すべきなのです。
しかし、大国の欲は無くなることなく、常に自国の利害しか考えられないサミットは、
アメリカ首脳陣の広島訪問と大して変わらないのです。
本当に戦争を無くし、自然破壊を無くし、地球を守りたいのなら、話し合う以前に
行動に移さなければなりません。
その結果をサミットで話し合ってこそ、未来に繋がる会議と成るのです。
我が国にしても、大国と同じく、一部の人達の利益が優先し、多くの国民が
相変わらず苦しんでいるのです。
生活が一向に改善しないばかりか、日本の自然は破壊されたままです。
表向きの美しい日本をアピールしても、日本人の心が浅い事は見え見えです。
パフォーマンスの政治はもう沢山です。
本当に日本人の未来を考えるなら、便利で経済的に豊かな生活を求めるより
日本人一人一人が幸せに感じられる政策を早急に実施する事が大切なのです。