ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2(セルロース)&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第130回」

2012-03-05 |   ビタペクト配布活動
 3月5日にビタペクトTと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第130回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 しかしその前にご説明しないといけないことがあります。今回子どもたちにビタペクトTを渡すことができませんでした。代わりにペクチン配合セルロースを配布しました。
 以前のこの活動でもセルロースをビタペクトTの代わりに子どもたちに渡したことがあります。
 詳しくはこちらの記事をご覧ください。

133回目に当たるチロ基金の活動「ビタペクト2無料配布」について。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c5c13bdc865c7071c69c29024464ff6d


チロ基金の活動「ビタペクト2(セルロース)『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第123回」

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/b70d590afa565bd909875ae3aae13527


 ペクチン配合セルロースについてはこちらです。
ペクチン配合セルロースについて (1)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


ペクチン配合セルロースについて (2)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5d48a74eef693b9246d188dfa277d076


ペクチン配合セルロースについて (3)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/33089b7659d42b742cf36a33deba21ad



 ビタペクトTを製造しているベルラド研究所側の事情により、現在ビタペクトTの製造が休止しています。さらに現在のところ在庫もありません。
 来月初めには再び製造が始まる予定だそうです。しかしチロ基金としては子どもたちに何もあげないよりは、ペクチン配合セルロースを渡すほうがいいと考え、今回はビタペクトTの代わりに「ペクチン入りセルロース・ツルコケモモ」(250グラム入り)3個(6人分)をSOS子ども村にて保養滞在している家族に渡しましたのでご報告いたします。
 これでチロ基金が今までに子どもたちに渡したペクチン入りセルロースは合計7個になりました。
 ペクチン入りセルロースは250グラム入りで、ビタペクトTは152グラム入りです。そのためペクチン入りセルロースを子どもたちにあげるときには1個で2人分として渡しています。

 また「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。これで今までに配布した「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1690部となりました。
  
 今回で通算140回目の配布となりました。延べ人数ですが、1690家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。

(家族A)

 ミンスク州ボリソフ地区ネマニッツァ村(チェルノブイリ原発から約340キロ)から来た家庭タイプ孤児院の一家。
 お母さんが13人の養子を連れて来ていました。この家族に3個のビタミン配合セルロースを渡しました。

 この家族は2005年、2007年、2009年にSOS子ども村に滞在しています。
 2005年のときの滞在の様子はこちらです。
「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第38回」

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no38.html


 2007年のときの滞在の様子はこちらです。
「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第55回」をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2007/no55.html


 2007年のときの滞在の様子はこちらです。
「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第98回」をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/ba497eeef5dd38faa0c2df7bd3395b41


2005年、2007年、2009年、今回の2012年のそれぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2(今回はセルロース)を渡しました。

母親(事故発生時19歳) 10ベクレル → 11ベクレル → 7ベクレル → 10ベクレル
15歳(女子)18ベクレル → 19ベクレル → 12ベクレル → 12ベクレル
13歳(女子)         14ベクレル → 15ベクレル → 19ベクレル ○
13歳(女子)19ベクレル →  0ベクレル → 21ベクレル ○ → 16ベクレル 
12歳(女子)                  19ベクレル → 10ベクレル
 8歳(男子)                  16ベクレル → 18ベクレル ○
 8歳(女子)                  28ベクレル ○ → 32ベクレル ○
 7歳(女子)                  18ベクレル → 14ベクレル

 このほか今回初めてSOS子ども村で保養に来たので、測定そのものも初めて、という子どもが6人いました。
15歳(男子)18ベクレル ○
14歳(男子) 0ベクレル
14歳(男子)20ベクレル ○
12歳(女子)10ベクレル
11歳(男子)16ベクレル
10歳(女子)23ベクレル ○

 この子どもたちのうち、15歳の女の子と13歳の女の子2人は去年の夏と冬、イタリアへ保養に行っています。
 夏は3ヶ月、冬は1ヶ月の滞在だったそうです。
(ベラルーシは学校の夏休みが3ヶ月あるのでこのような長期の保養滞在ができます。)
 また以前にも測定を受けたことのある12歳の女の子、11歳の男の子、10歳の女の子は去年の夏に1ヶ月ドイツに保養に行っています。
 おととしも保養に行ったと言う子どももいました。
 外国へ保養に行った子どものうち、今回セルロースを飲むことになったのは13歳の女の子と10歳の女の子の2人です。

 子どもたちの健康状態ですが、7歳の女の子は生まれつき腎臓が1個しかありません。
 以前にも測定を受けたことのある12歳の女の子は慢性胃炎です。
 14歳の男の子は1ヶ月前に養子になったばかりです。この子も慢性胃炎、慢性気管支炎です。さらに骨に異常があります。とても骨がもろく、しょっちゅう骨折を起こすそうです。今回も右手首にギプスをはめていました。
 ウイルス性感冒に繰り返しかかると、骨がもろくなったり関節痛が起こりやすくなるそうです。この子も場合もおそらくそうでしょう、というお話でした。
「できるだけ風邪やインフルエンザ、アンギーナにかからないように、体を冷やさないように。」
とリリヤ先生から言われていました。
 また
「いつかは自立して親元を離れるときが来る。その後は誰も健康に気をかけてくれなくなる。自分の健康管理は自分でできるようになりましょう。」
と子どもたち全員に話していました。

 
(家族B)
 この家族は家族Aのお母さんの娘とその長男です。娘さんは以前は家族Aといっしょに暮らしていましたが、結婚してからはポーロツク(チェルノブイリ原発から460キロ)に住んでいます。2人とも今回が初めての保養滞在になります。

 お母さん(24歳)の測定値は13ベクレル。2歳の長男は0ベクレルで、今回はセルロースは渡していません。
 お母さんは小学校5年生のときから風邪をよくひくようになり、慢性気管支炎、アンギーナなどによくかかるそうです。
 長男は食物アレルギー(さくらんぼ)があります。
 それ以外は元気だということでした。

 家族Aのお母さんはチェルノブイリ原発事故が起きたとき、19歳だったのですが、事故発生直後にゴメリ州のベトカ(チェルノブイリ原発から約150キロ)の町に労働奉仕のような形で働きに行くよう言われ、1年間住んでいたそうです。
 ベトカはチェルノブイリ原発事故のとき風下だった場所で、高汚染地域です。
 お母さんはその後結婚して、娘にあたる家族Bのお母さんを事故発生後2年目に出産しています。
「今から考えるとチェルノブイリ原発から遠く離れたところに住んでいたのだから、事故直後にベトカへ仕事に行かなければよかったかも・・・。でも当時は命令だったし、放射能の知識もなく、仕事に行くのが当たり前だと思って、何とも感じていなかった。」
とお母さんは話していました。

 家族Aの一家は村で暮らしており、2頭の牛、3匹の豚(でも2匹はすでに『食料』になったので現在は1匹。もうすぐ2匹の子豚を買うそうです。)七面鳥、あひる、にわとり(ブロイラー50羽)などを飼っているそうです。
 牛から搾乳した牛乳を飲んでいますが、きちんと検査を受けています。基準値を超える放射能が検出されたことはなく、安心して飲んでいるそうです。

 庭にはりんごの木があって、実からジュースを作っているそうです。リリヤ先生は
「搾りかすのほうにペクチンが多く含まれるので、できるだけ搾りかすの入った状態で(きれいに漉さずに)飲むように。また搾りかすはピロシキなどの焼き菓子の中に入れて食べるようにしてください。それでも余った搾りかすは飼っている豚に食べさせなさい。」
 これで豚にペクチンサプリをあげることになり、その豚肉はセシウムが減るでしょう・・・ということでした。
 
 理論的にはそうだろうと思いますが、さすがにベラルーシでペクチンを飲ませた豚をWBCで測定した、という研究はされていませんので、はっきりしたデータがあるわけではありません。
(思わずWBCに暴れる豚をのせようと四苦八苦しているベルラド研究所の職員さんの姿を想像してしまいました・・・。悪夢。)(^^;)

 WBCの測定は人間が優先ですからねえ・・・。でも豚肉になった状態でなら測定ができると思うのですが・・・。
 しかし養豚業を営まれている方、えさにりんごの搾りかす(ペクチン)をあげることを検討してみてはどうでしょうか?
 リリヤ先生は
「ニワトリのえさにも混ぜなさい。」
とも言っていました。
 きちんとした研究所で、家畜のエサにペクチンを加えることを実験してほしいです。

 今回もいつものように子ども達に折り紙、おもちゃの笛などをプレゼントしました。お母さんにはアクリルたわし。私が作ったものですが折鶴をあげるととても喜んでいました。
 今までにもSOS子ども村に滞在したことのある子どもたちは
「折り紙、前にやってみたけど、ちゃんとできたよ!」
と話していました。
 富士山の絵葉書の裏に子どもたちの名前を日本語で筆ペンで書いてあげると、「すごい、すごい。」を連発していました。
(これは私の字がきれいで「すごい」のではなく、筆ペンがすごいのです。) 

 画像は記念撮影の様子です。家族Aのお母さんは急用ができて席を外してしまい、ここには写っていません。
 また3人の子どもが学校に行っていて写っていません。保養期間中も地元の学校に行くことになっているので、勉強が遅れるということになりません。
 SOS子ども村の保養滞在家族の子どもを受け入れている学校はしょっちゅう子どもの顔ぶれが変わるので大変だとは思いますが、ベラルーシでは保養滞在期間が夏休みなどでない場合は保養所から近い学校に通うのが普通です。

 最後になりましたが、ペクチン配合セルロースの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や手作りのアクリルたわし、絵葉書など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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