ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第233回」

2018-11-07 |   ビタペクト配布活動
 11月7日にビタペクトと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第233回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクトを3個と、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー2部を渡しました。  
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2649個、セルロースの合計は150個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2196部となりました。
 今回で通算249回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2649人の子どもにビタペクトを、約143人の子どもにセルロースを、2196家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

 今回は2家族がゴメリ(チェルノブイリ原発から約140キロ)から保養滞在していました。

(家族A)

お母さんが10人の子どもを引率していました。この家族には2個のビタペクトを渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクトを1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時13歳)8ベクレル
女子(14歳)17ベクレル  
女子(14歳)12ベクレル  
男子(13歳)19ベクレル
男子(13歳)18ベクレル 
男子(10歳)13ベクレル 
男子(10歳)16ベクレル 
男子 (6歳)24ベクレル ○
女子 (3歳)20ベクレル ○ 
男子 (4歳)16ベクレル  


 この家族は家庭タイプ孤児院といわれるもので、子ども全員が里子です。
 お母さんに子どもたちの健康状態を尋ねました。
 18ベクレルだった13歳の男の子は、偏頭痛持ちで、乗り物酔いもよく起こすそうです。
 子ども達は全員ではありませんが、毎年のようにイタリアに保養に行っているそうです。
 ほとんどの子どもたちが比較的健康だそうですが、6歳の男の子が一番問題があるそうです。

 アルコール中毒の両親の元で生まれ、ほとんど育児放棄されていたらしく、2才8ヶ月で保護されたときは、垢まみれ、父親から頭を殴られるなどの虐待も受けていたそうです。
 その後、今の養親に引き取られましたが、言葉の発達が遅く、暗記力もなく、6歳になっても、丸や三角の形の区別がつかない、色の名前も覚えられない、自分でくつをはいたり、上着のボタンを留められない、人の顔や名前もすぐ忘れてしまう、などの症状が出ているそうです。
 また頭痛をよく訴えるそうです。
 医者からは1年に1回、入院して投薬治療を受けるように言われ、そうしているのですが、薬の効き目はないそうです。
 病院で何を治療しているのか、お母さんのお話を聞いていてもよく分かりませんでした。
 学習障害なのか記憶障害なのかもよく分かりませんでした。
 以前、SOS子ども村で学習障害の女の子で、自分の名前のスペルすら書けないのに、絵画には飛びぬけた才能を持っている子がいましたが、今回の男の子は、一つ飛びぬけた才能があるわけでもなさそうで、お母さんは心配していました。
 生みの親から受けた暴力の記憶が残っていて、記憶障害を起こしている、とお母さんは話しており、それは一生消えることがないのでは、とも考えているようでした。
 父親から叩かれて、脳そのものに機能障害が残っているから、頭痛持ちなのでは? と私は思ったのですが、そのような検査は病院でしているだろうし、どんな薬を飲んでいるのかよく分かりません。 

 ともかく、ベラルーシはアルコール中毒が1番の社会問題なので、このような両親の元に生まれてきたばかりに似たような症状の子どもがたくさんいるんだろうと思うと、知らないだけでその数と社会的損失は計り知れないのでは、と思いました。
 そのような子どもたちの心身のケアを政府は里親に丸投げしている感じがしないでもないですが、でも優しい里親の元で暮らせて、今はこの男の子も幸せだと思います。
 

(家族B)

お母さんが4人の子どもを引率していました。この家族には1個のビタペクトを渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクトを1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時5歳)8ベクレル
長男(14歳) 11ベクレル 
長女(10歳) 21ベクレル ○
次女 (8歳) 15ベクレル 
三女 (6歳)  7ベクレル

 子ども達は比較的健康ということでした。長男は子どものとき髄膜炎にかかったのですが、早めに気づいて治療を始めたところ、完治したそうです。
 長女は病弱で、頭痛持ち、耳の痛みを訴えるなどの症状があったのですが、最近は落ち着いてきたとのこと。しかし、私がSOS子ども村へ行った日の前日、室内プールへみんなで泳ぎに行って、この子だけ体調不良になり寝ていました。プールの水を飲んでしまったからと、お母さんは話していましたが、他にも飲んだ子どもがいるのに、と思いました。

 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、着物から作った巾着袋、マグネット、日本語で子どもの名前を書いたカードなどをプレゼントしました。
 子ども達は、さっそく折り鶴を作っていましたが、すぐにたくさん折っていたので、びっくりしました。

 画像は記念撮影した様子です。病気で寝ていたなどの理由により写っていない子どももいます。 
 
 最後になりましたが、ビタペクトの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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