ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第239回」

2019-04-22 |   ビタペクト配布活動
 4月22日にビタペクトと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第239回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクトを7個を渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2691個、セルロースの合計は150個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2199部となりました。
 今回で通算255回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2691人の子どもにビタペクトを、約143人の子どもにセルロースを、2199家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から1家族が12人の子どもを引率して、保養滞在していました。
この家族は2016年と2017年にもSOS子ども村で保養滞在していたときがあります。
 そのときの様子は以下をご覧ください。
 
チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第193回」(家族B)
チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第209回」

 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトを1個ずつ渡しました。2016年と2017年に測定した結果についても表記してあります。

母親(事故発生時2歳)31ベクレル → 22ベクレル → 13ベクレル 
長男(14歳)42ベクレル ○ → 27ベクレル ○ → 13ベクレル
長女(14歳)33ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 13ベクレル
次男(11歳)39ベクレル ○ → 33ベクレル ○ → 31ベクレル ○
三男 (6歳)24ベクレル ○ → 21ベクレル ○ → 41ベクレル ○
四男(6ヶ月)(今回初測定) 5ベクレル
養女(11歳)41ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 29ベクレル○
養女(14歳)(今回初測定)16ベクレル
養女(10歳)(2017年初測定)19ベクレル → 32ベクレル ○
養女 (9歳)(2017年初測定)16ベクレル → 45ベクレル ○
養女(12歳)39ベクレル ○ → 24ベクレル ○ → 18ベクレル
養子(10歳)20ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 37ベクレル ○
養女(11歳)32ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 29ベクレル ○

 このうち10歳と9歳の養女は実の姉妹です。
 12歳の養女と10歳の養子も実の姉弟です。

 子どもたちの健康状態についてお母さんにお話を伺いました。
 次男、12歳の養女、10歳の養子は、生まれつき心臓病を抱えています。経過観察中で特に治療は受けていません。

 長女は腎臓病のため、腎臓を一つ摘出しています。
 四男以外、全員に甲状腺肥大が見られるそうです。2年前はほとんどの子ども達は比較的健康、と言っていたのですが、今はほとんどの子どもが甲状腺肥大になっていました。
 体内被曝領は3年前に比べると平均すれば、ずいぶん少なくなったと思います。
 セシウム137の半減期が過ぎたことが影響しているのかもしれません。

 画像のようすは、生後6ヶ月の四男のWBC測定の様子です。場所はベルラド研究所です。
 3分間背もたれの真ん中でじっとしていないといけないので、こんなに小さい赤ちゃんの測定は無理では・・・と思っていたのですが、お母さんがガラガラを振って気をそらしていたので、ちゃんとお座りできました。
 もっともからだそのものが小さい赤ちゃんなので、測定がどれほど正しくできたかは疑問だな、と私は感じました。
 結果は5ベクレルでしたが、これが300ベクレルとかだったら、かえってびっくりしてしまいますね。小さいのにこんなにたくさん検出されるってどういうこと? 生後6か月ではビタペクトも飲ませられないし・・・と焦っていたと思います。
 
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方、日本語で子どもの名前を書いたカードやキーホルダー、シールなどをプレゼントしました。
 
 最後になりましたが、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。今回のビタペクトの購入費にはCD「月と日」の売り上げ金を充てました。、
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 

・・・・・・・・・・・・・

 2020年4月26日の追記です。
 SOS子ども村では保養家族の出身地をミンスク州に限定するベラルーシの法律に従い、旧汚染地域からの家族を保養に招くことができなくなりました。
 また内部被曝測定も、受けるかどうかの判断は家族側に任せることとなりました。
 残念ながら、ベラルーシではチェルノブイリ原発事故が発生してから30年以上が経ち、人々の記憶の中から事故の記憶も消え始め、また事故後に生まれた世代も増えてきたことから、放射能被曝リスクを意識しない人が増えてきました。
 またベラルーシ政府もすでに復興に成功し、汚染地域に住民が戻り始め、もう事故の影響はない、という姿勢です。
 その結果、測定や研究も縮小されています。国として経済的な余裕もないのが大きな要因です。
 最後のビタペクト配布活動を行ってから1年間、SOS子ども村の保養家族で、いわゆる意識が高く、WBCの測定をしてください、と希望する家族が現れるかどうか見守っていましたが、皆無でした。
 もし、今後、測定を希望し、結果によってはビタペクト摂取を必要としている家族が現れたら、チロ基金としてはこの活動を再開しますが、現時点の状況では、この活動は実施していない、ということをお知らせいたします。
 チロ基金としては、測定をしていない人、つまり内部被曝量がはっきり分からない人に対して、ビタペクト(ペクチンサプリ)を無理に勧めて、飲んでもらうということはしたくありません。強要はできませんし、被曝していない人がペクチンを必要以上に摂取するのは体によくありません。(非常に体に毒、というわけではありませんが。)
 今後もしばらく状況を見たいと思っていますが、現時点ではこのSOS子ども村保養家族を対象とした「ビタペクト無料配布活動」は休止いたします。
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