ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第237回」

2019-02-26 |   ビタペクト配布活動
 2月26日にビタペクトと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第237回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクトを5個と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを1部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2673個、セルロースの合計は150個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2199部となりました。
 今回で通算253回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2673人の子どもにビタペクトを、約143人の子どもにセルロースを、2199家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。


(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。

(家族A)

 ミンスク郊外にある町マチュリシチ(チェルノブイリ原発から約310キロ)から来た家族。お母さんが養子やその子どもたちを5人引率してきていました。孫はミンスクで暮らしています。
 この家族は2014年10月にも保養滞在しています。
 そのときの様子はこちらをご覧ください。

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第168回」(家族B)

 この家族には4個のビタペクトを渡しました。前回と今回の内部被曝量の測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトを渡しました。

母親(事故発生当時29歳) 20ベクレル → 24ベクレル
女子(16歳) 36ベクレル ○ → 37ベクレル ○
女子(14歳) 33ベクレル ○ → 44ベクレル ○
孫 (13歳)(今回初測定)12ベクレル
孫娘(10歳) 30ベクレル ○ → 28ベクレル ○
孫  (8歳) 28ベクレル ○ → 23ベクレル ○

 このうち16歳の女の子と14歳の女の子は実の姉妹です。妹は昨年2回イタリアへ保養に行ったそうです。
 お姉さんのほうは、
「そろそろ進路を決定しないといけない年。」
と養母に言われているのですが、何に対してもやる気がなく、勉強はしたくない、仕事もしたくない、趣味もない、何もしたくない、将来結婚もしたくない・・・と言っているそうです。
 何だかすごい怠け者みたいですが、ずっと鼻づまりに悩んでおり、体中関節痛がしているそうです。
 確かに体調がこんな状態では、何に対してもやる気が出ないのかもしれません。

 妹はとてもやせていて、イタリアへ行ったら、「マカロニの食べ過ぎで」太り、ベラルーシへ帰ってきたらすぐやせてしまうそうです。スポーツやダンスをしていて一応元気なのですが、疲れやすくスタミナはないそうです。
 
10歳の孫娘は逆にずっとしゃべっていました。分かりやすく言えば、空気が読めず、会話のキャッチボールはできず、わがまま、といった感じでしょうか。
「ねえ、あなた何歳? それ(ビタペクト)食べたことある。おいしくない。絶対食べない。あなた何歳? それはおいしくないから、もらっても食べない。あなた何歳? ヨーグルトは好き。それヨーグルトに混ぜて食べるの? でも変なにおいがする。だから食べない。あなた何歳?」
とこんな調子でずっとしゃべっています。
 神経の異常ありと診断され、四人兄弟の中で一人の女の子だそうですが、兄や弟がいっしょにいるといらいらして、兄弟げんかが始まるので、兄弟に迷惑をかけないようにするため、もうすぐ実家から引き離され、田舎のおばあちゃんに育てられることになったそうです。
 おばあちゃんからすれば、血のつながりのない養女の娘をこれから、上記の姉妹(養女)といっしょに育てていくのか、と考えると、頭が下がります。(私には無理・・・。)

 そのおばあちゃんですが、最近は年のせいで、足がすぐ疲れる、関節が痛い、ここ数年急に太ってきた、両親は太ってなかったのになどと、健康上の悩みがあるそうです。
 病気にならないようにニンニクを刻んで水に入れたものを毎日飲んでいる、と話していました。


(家族B)

 ブレスト州ル二ネツ(チェルノブイリ原発から約250キロ)から来た家族。ルニネツは放射能汚染地域に指定されていたところです。
 お母さんが2人の実子を連れて来ていました。この家族には1個のビタペクトを渡しました。

母親(事故発生当時5歳) 10ベクレル
長女(10歳) 17ベクレル 
長男 (9歳) 40ベクレル ○

 長女は口蓋裂で手術をする予定です。口蓋裂の患者さんによくあることですが、しょっちゅう中耳炎になって困っているとのことでした。発音することが難しいせいか、この子はほとんどしゃべらず、とてもおとなしかったです。
 長男は冬場すぐに気管支炎になるとお母さんは話していました。
 長女の病気のため、お母さんはいろいろな専門病院を探してはあちこちで検査を受けさせていました。
 2週間ほど前、地元の病院でWBCでの測定を受ける機会があったので、子ども2人が内部被曝を測定したそうです。
 その結果は「大丈夫。」の一言だけ。
 具体的な数値は何も聞かされませんでした。
 そのため、お母さんは、うちの子は被曝していないのね、と安心していたそうです。
 それからSOS子ども村へ来ました。そしてベルラド研究所で今回の測定をし、
「え、17ベクレル? ゼロじゃないの? 40ベクレル? どういうこと?」
と混乱したそうです。
 ベラルーシ保健省が定める危険な内部被曝量というのは、成人が体重1キロ当たり500ベクレル以上、子どもは200ベクレル以上とされています。
 それ以下だと「大丈夫。」と言われて検査結果の告知は終わります。
 お母さんは、
「知らなかった。これで意味が分かったわ。」
と納得していましたが、子どもが被曝していたことがはっきり分かって複雑な表情でした。
 でもビタペクトという対処方法も今回初めて知ってよかった、とも話してくれました。


 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、和風シール、日本語で子どもの名前を書いたカードなどをプレゼントしました。
(家族Aの孫娘ちゃんが全て独占しようとして大変でした。)  
 画像は記念撮影した様子です。  

 最後になりましたが、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。今回のビタペクトの購入費にはCD「月と日」の売り上げ金を充てました。、
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 

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