ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

液体ゼオライト(沸石)について

2011-04-01 | 放射能関連情報
 体内に蓄積された放射能を排出する作用があるとして、日本で液体ゼオライト(沸石)が有効である、チェルノブイリ原発事故で有名になった、と聞いたのですが、本当ですか? というメールが日本在住の方から届きました。
 これについてですが、私はベラルーシで液体ゼオライトを子どもたちに与えた、という話を聞いたことがありません・・・とその方にはお返事しておきました。

 メールによると「日本では、液体ゼオライト(沸石)がチェルノブイリでヨウ素やセシウム除去に使用され、多くの子供たちに摂取されたとデトックス作用があると広まっています。」
 とありました。私も自分で調べてみたのですが、「1本9000円」とか「癌が治る」とか宣伝してあり、さらに
「チェルノブイリ原発事故後、子どもや乳牛に飲ませて、有名になった。」とありました。

 ベラルーシでチェルノブイリ原発事故の対策として、子どもたちに飲ませた、という話は、私は全く聞いたことがありません。
 いろいろな当時の資料を読んだことがあるのですが、ヨウ素剤を飲ませたという話はたくさんあるのですが、液体ゼオライト(沸石)についての記述には出会ったことはありません。
 もしかすると私が知らないだけの話なのかもしれませんが、今までベラルーシ人(支援活動をしてきた人や研究者)と話をしてきて、液体ゼオライトのことが話題になったこともありません。

 だいたいとても高価なものなので、乳牛にまで飲ませられるような余裕が当時のベラルーシ(ソ連)にあったとは思えません。
 それで、乳牛が除染されて、安全な牛乳を搾ることができたとしても、その後放射能汚染された草を食べてしまえば、意味がありません。
 乳牛に高価な放射能除去物質を与えたとは、とても考えられないのです。

 メールをくださった方は
「日本食品分析センターにもゼオライトについて聞きましたが、添加物として認められているが5%未満らしく。筑波にある研究所のデータベースに放射能との関連性や報告がされていない。」
とも書いていました。
 つまり、もしかすると本当に放射能排出に効き目があるのかもしれないが、どれだけ飲めばどれぐらいの効果があるのか、など信用できる資料が今の時点ではない、ということです。今から実験していって効果が実証されていくものなのかもしれません。
 しかし実証されるまでにはだいぶ時間がかかるでしょう。


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 ここから先は4月5日の書き込みです。ああ、やっぱり。と思いました。

「放射性物質を体外に出す」ニセ薬をネット販売(読売新聞) - goo ニュース

 東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故に便乗し、「体内被曝(ひばく)に効く」とうたって飲み薬を無許可で販売したとして、警視庁は5日、神戸市灘区宮山町1丁目の健康食品販売会社経営梅若文孝(50)、従業員の千葉なつみ(29)の両容疑者を薬事法違反(医薬品の無許可販売など)の疑いで逮捕し、発表した。

 生活環境課によると、梅若容疑者らは2月17日~3月29日、茨城県守谷市の主婦(48)ら3人に、30ミリリットル入り液体飲み薬「プレミアムゼオライト」10本を計4万7500円で販売した疑いがある。