ベラルーシの部屋ブログ

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ミンスク地下鉄駅爆発テロ 容疑者を逮捕

2011-04-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
ベラルーシ、独裁打撃 地下鉄で爆弾テロ 12人死亡200人負傷(産経新聞) - goo ニュース

2011年4月13日(水)08:00
 ■数人拘束、国外組織含め捜査

 【モスクワ=佐藤貴生】ベラルーシの首都ミンスク中心部の地下鉄駅で起きた爆発は、12日までに少なくとも12人が死亡、約200人が負傷する惨事となり、治安当局は爆弾テロと断定、捜査に乗り出した。旧ソ連からの独立以来、同国でこれほど大規模なテロ事件が起きたのは初めて。独裁が長期化するルカシェンコ体制を揺さぶる狙いがちらつくが、当局は犯人像を絞り切れずにいるようだ。

 調べによると、爆発物は11日午後6時ごろ、オクチャブリスカヤ駅プラットホームのベンチの下で無線により起爆されたもようだ。殺傷能力を高めるために金属片が詰められ、帰宅ラッシュを襲ったテロは、最大限の被害を狙って周到に計画された犯行にみえる。

 当局は事件にかかわりがあるとみられる数人を拘束、さらに男2人のモンタージュ写真を作製して行方を追っている。

 オクチャブリスカヤ駅はミンスクの目抜き通りに面し、市内を走る地下鉄2路線が交差する首都の交通網の中心地。大統領公邸も駅から約100メートルの距離にある。治安当局は公邸に近い警備の重要拠点が標的となったことを重視している。

 ミンスク中心部では2008年7月、人混みの中で爆発物が爆発、約50人が負傷する事件が起きたが未解決のままだ。ルカシェンコ大統領は今回のテロとの関連を調べるよう指示した。

 こうしたなか、野党「ベラルーシ人民戦線」は、テロ捜査を口実に反体制勢力を弾圧しないよう政権側を牽制(けんせい)する声明を出した。

 1994年から大統領の座を占めるルカシェンコ氏は、昨年12月の大統領選で4選を決めた。が、政権側の大規模な選挙違反があったとする反体制派の抗議デモが拡大。政権は治安部隊を投入して強制的に鎮圧、反体制派候補の大半の身柄を一時拘束した。反体制派の政権不信は抜きがたいものがあり、国内情勢の不安定材料となりそうだ。

 政治的な敵対関係に加え、大きな被害をもたらしたテロの手法からみて、何らかの武装組織が関与した可能性も捨てきれない。ルカシェンコ大統領は国外の組織の関与も含めて捜査する意向を示した。

 ただ、ベラルーシではロシア南部・北カフカス地方のような武装勢力と政府軍との衝突もなく、イスラム原理主義勢力の活動が活発な地域とは見なされていない。重大な国際紛争とも無縁で、「私たちがこうしたテロと対決するのは初めてだ」(最高検察庁のシベト次席検事)という戸惑いの声も聞かれる。

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 本当にとまどってしまいます。
 そしてついに容疑者3人が逮捕されました。(早い。)
 2005年9月と2008年7月に起きた爆発事件も自分たちがやったと自供しているそうです。
 この2005年の事件と言うのは、ミンスクではなく、ビテプスクで2回起きた爆発事件で、路上に置かれた爆発物が爆発し、通行人2人が死亡した事件です。あまり政治的な背景はなさそう、という見方だったのですが、犯人は捕まっていませんでした。
(ちょうどこのとき、私はCD「月と日」が完成・発売開始・記念コンサートが続いていたので、すっかり頭が浮かれており、この事件のことを知ったのが、一ヶ月ぐらい後でした。(^^;)) 

 これで一連の爆発事件が一挙解決か?・・・だといいですね。ただ、捜査当局は「愉快犯」とみているそうです。
 えー愉快犯? 本当だったらひどすぎる。何が愉快なんでしょうか・・・。
 容疑者の1人は25歳なので、2005年の事件のときは19歳?
 何が目的でこんなことをしたのか、理解できないです。裁判が始まったら、彼らはどういう理由を語るのでしょうか?
 
 最初のショックがややおさまり、市民の間では
「死刑にしろ!」「人間ではない。」「広場でさらし者にすべき。」「ベラルーシ人であってもベラルーシ人と呼びたくない。」
などの怒り、というか過激な発言もたくさん出ており、それをニュースで流しています。
 (怒るのはよーく分かりますが、こういった発言ばかりでるのもどうかねえ・・・と私は思います。)

 ちなみに「バスが爆発炎上中!」のデマメールを最初に流した人物も逮捕されました。
 こちらに対しても「鞭打ちの刑が妥当。」とかいろいろ言われています。(そんな刑はベラルーシにはありません・・・。)

 ベラルーシではヨーロッパ諸国では珍しく死刑制度が残っている国です。
 裁判が始まる前から、これは死刑確定、と言ってもいいぐらいの雰囲気が蔓延しています。
 それもねえ・・・。本当はみんな別のことで文句を言いたいと思っていたところへ、こういう事件が起こったので、容疑者に対する激しい言葉を吐いて、ストレス解消しているように見えるのは私だけでしょうか?

 さて、ここでもう一つ残っている問題は爆発物そのものです。
 容疑者たちのお手製爆弾であることは間違いないのですが、今回の事件の被害者、目撃者の証言をまとめると、今までのテロ事件史の中で初めて登場するタイプの爆発物だそうです。
 要するに発明品、ということです。専門家もまだはっきりと「こういう仕組みでこういう材料から作る爆発物ですよ。」と言えていないのです。
 ヨーロッパ各国では事件の背景云々、よりもこの「爆発物の作り方」のほうに関心が高まっています。小型なのに強力な威力だったそうです。
 こういうのを素人が家で作ることができるとすると、他の国でも自国のテロに使われたら大変だ、ということですね。
 こんな新発明ができるほど頭がいい割には、防犯カメラにばっちり映っていてそのへんの警戒をしてなかったなんて、この実行犯、間が抜けていると私個人は思いました。