電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

地元紙で藤沢周平を語る対談記事を掲載

2007年01月03日 07時16分19秒 | -藤沢周平
正月三が日、新聞各紙は正月特集を組んで編集業務を休みました。毎年、ぶ厚い広告チラシとともに、様々な趣向を凝らした正月特集号が加わります。こたつで寝転がって、ミカンなどを食べながら新聞を読むのは、正月の楽しみです。

地元紙・山形新聞では、藤沢周平氏の長女展子さんと文藝春秋社で担当編集者だった鈴木文彦さんが、同氏について対談した記事を掲載しています。この中で目新しい事実は、和子夫人が原稿をすべて目を通していたことでしょう。夫人がメモ帳に誤字脱字を書き、それを見て作家が原稿を直す、という体制だったようです。鈴木氏は「作家は、夫人に仕事を見せるタイプと、そうでないタイプに分かれる。藤沢家では全く(夫人の)気配を感じなかったから、後者のタイプとばかり思っていた。ところが藤沢さんの没後、奥さんがすべて目を通してチェックしていたということを知りました。」と語っています。最初の読者になれるのが編集者の特権でしょうが、藤沢周平の場合は夫人が最初の読者になっていたことになります。作家の夫人に対する信頼を表すエピソードでもあると思われ、ちょっといい話です。

山形新聞では、今年1月26日が没後10年の節目の日でもあることから、作家ゆかりの人々の回想や取材記事を連載するとか。楽しみです。
コメント (2)

映画「敬愛なるベートーヴェン」は「フォーラム」等で上映中!

2007年01月02日 21時58分19秒 | 映画TVドラマ
今年に期待することのトップにあげた映画「敬愛なるベートーヴェン」(原題:Copying Beethoven)ですが、公式ページ(*)の「劇場情報」によれば、現在山形市の「フォーラム」にて上映中とのこと。12月30日~1月5日だけでなく、1月6日~12日までの上映スケジュールにも入っておりましたのでぎりぎりというわけではありませんが、休みが取れるかどうかを考えると、これはお正月のうちに見ておく必要がありそうです。
なお、北陸地方では、ワーナーマイカルシネマズ新潟などで、1月6日(土)に公開となっておりました。

(*):映画「敬愛なるベートーヴェン」
コメント (2)

アレクサンドル・デュマについて

2007年01月02日 06時35分56秒 | -外国文学
『モンテ・クリスト伯』におけるカドルッスとアンドレアの悪党どうしの会話のリアルさについて、作者はいつこんな会話を再現できる素養を身につけたのだろうと不思議に思いました。そういえば、文豪アレクサンドル・デュマの生涯について、実はほとんど知らない。チャールズ・ディケンズのときも、Wikipedia で調べたことが作品の理解に役立ちましたので、ここは「アレクサンドル・デュマ」について調べてみましょう。

なになに、「アレクサンドル・デュマ」は三人いる(*)のか?

(1)将軍アレクサンドル・デュマ
(2)文豪アレクサンドル・デュマ(大デュマ)
(3)息子アレクサンドル・デュマ(小デュマ)

しかも、将軍デュマは文豪デュマの父親で、現在のハイチで白人の侯爵と黒人奴隷の女性との間に生まれた私生児だったといいますから、大デュマはアフリカ系?カリブ系?理系の門外漢には思わず驚愕の事実が判明してしまいました!

母の死後、父に奴隷として売り飛ばされましたが、父がフランスに帰国した後に買い戻されて渡仏。貴族の私生児として認知されますが、父の再婚に反対したため援助を打ち切られ、フランス陸軍に一兵卒として入隊、龍騎兵としてルイ16世に仕えますが、革命の勃発で革命軍に転じ、陸軍中将にまで出世します。この間、町の有力者の娘と恋に落ち、生まれたのが大デュマです。

将軍トマ・アレクサンドル・デュマは、ナポレオンのエジプト遠征に従軍しますが、この遠征が個人的野心に基づくものと批判したためにナポレオンにとの関係が悪化。フランスに帰る途中嵐で船が難破し、ナポリで捕虜として監禁生活を送ります。この間、食事に砒素が入れられたとかで健康を害し、せっかくの美丈夫が心身ともに衰弱して帰国。おまけにナポレオンの人種差別政策によって軍隊への復帰もかなわず、彼の没後は未亡人に対し年金の下付も認められませんでした。ナポレオンから徹底的にいじめられたというわけです。

そんなわけで、有力者の娘として育った母と、失脚した混血の将軍の子として1802年に生まれた少年デュマは、相当に貧しい生活を送らなければならなかったようです。まともな学校教育も受けられなかったようで、母親は苦労して息子を私塾に通わせ、教育を受けさせています。おそらく相当に人種差別も受けたことでしょう。やがて劇作家を志したデュマは、ロマン主義演劇の旗手として名をあげるようになります。文豪デュマが描いた悪党の姿は、L.V.ベートーヴェンと同時代に、底辺の生活を送っていた頃に、身近に見聞きしたものなのだろうと思われます。

文豪デュマ(大デュマ)は名声を得て巨額の財産を作りますが、妻と息子は日陰の存在に置かれたままでした。大デュマは政変等により破産してしまいますが、この息子が小デュマで「椿姫」の作者。この作品をオペラ化したのがヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」というわけです。

(*):アレクサンドル・デュマ~Wikipediaの検索結果
コメント

新年への期待

2007年01月01日 09時58分53秒 | Weblog
新年に期待すること:

(1)映画 「敬愛なるベートーヴェン」(*)を劇場で見たい。「第九」のスコアを写譜した人を作曲を志す女性と設定。これは良さそう。
(2)音楽 山形交響楽団、山形弦楽四重奏団など、できるだけ多く演奏会に行きたい。また、ジョージ・セルの正規録音を中心に、CDコレクションの不備なところを充実させるとともに、若い演奏家の録音に多くふれていきたい。
(3)読書 昔、若い頃に読んだ古典的な作品を、中年おじんの目でもう一度読み直してみたい。ブログでも古典的な作品を取り上げるところは少ないようで、特色になるかも。
(4)散歩 子どもたちも家を離れた今、新しい車で妻とドライブ旅行をしたい。
(5)電網 今年こそ、Linux用パソコンを更新したい。Linuxの技術の進歩を、新ハードウェアで試してみたい。(Windowsについては、Linux内のエミュレータでWindows98とアプリケーションを試してみる。これができれば、サポート期限が切れたた~くさんのソフトを、安全に生き返らせることができる・かも?)
(6)週末農業 老父の楽しみではあるのだが、多角化し過ぎた果樹品種を、実際の負担を軽減するよう、作業時期が重なるものを中心に少々減らしたい。

(*):映画「敬愛なるベートーヴェン」~公式サイト~音楽も流れます
ところで、原題名"Copying Beethoven" が、なぜ「敬愛なる」になるのかな。「敬愛する」とか「親愛なる」ならわかるけど。

写真は、日当たりのいい場所でひなたぼっこしていたネコが、カメラを見つけて警戒態勢(?)に入ったところ。
コメント (12)

新年明けましておめでとうございます

2007年01月01日 07時52分24秒 | Weblog
■ 新年明けましておめでとうございます。■



■ 今年も当ブログ「電網郊外散歩道」を ■
■ どうぞよろしくお願い申し上げます。 ■

■■■■■ 平成19年 亥年 元旦 ■■■■■
コメント (14)