電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザーク「交響曲第1番」を聴く

2018年04月04日 06時03分04秒 | -オーケストラ
このところ、通勤の音楽として選んでいたのが、ドボルザークの「交響曲第1番Op.3」です。ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィルの演奏で、グラモフォンの紙箱全集から。この曲には「ズロニツェの鐘」という副題もあるようですが、作曲当時のエピソードは興味深いものがあります。

Wikipedia によれば、作曲者が23歳の年、1865年の2〜3月にかけて作曲され、ドイツのコンクールに提出されたけれど入選せず、総譜も失われたため、生前には演奏も出版もされなかったのだそうです。ところが、作曲者が1904年に62歳で没した後、1923年になってプラハの歴史学者の遺品の中から発見され、1936年にブルノで初演、1961年にようやく出版されたという経緯らしいです。

第1楽章:マエストーソ〜アレグロ、ハ短調。序奏付きソナタ形式。いかにもマエストーソ(荘厳に)という序奏の後に、古典派風味のドヴォルザークが顔を出します。
第2楽章:アダージョ・ディ・モルト、変イ長調、三部形式。
第3楽章:アレグレット、ハ短調、4分の2拍子、三部形式。後のスラブ舞曲に通じるドヴォルザーク節がすでに聴かれます。
第4楽章:フィナーレ、アレグロ・アニマト。ハ長調、4分の2拍子、自由なロンド形式。終わり方がわりとスカッとする系。遠くを見通すように終わります。

この曲を初めて聴いた時、実は正直言ってあまりピンときませんでした。わかりやすく印象的な、いわゆるキャッチーなフレーズも見当たらないし、やっぱり若い時代の習作なんだろう、という判断です。いやはや、作品をボツにしたドイツのコンクールの審査員を笑えません。まったく同様のボンクラな聴き手でありました。

でもまあ、平凡なクラシック音楽愛好家ですから、「凡クラ」である自覚はありますが、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の精神で、この二週間ほど、毎日の通勤の行き帰りにCDを聴き続けたら、ふーむ、けっこういい曲じゃないか(^o^)/

参考までに、演奏データを示します。
■クーベリック指揮ベルリン・フィル(463 159-2)
I=13'30" II=11'08" III=9'35" IV=13'36" total=47'49"

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