電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

羽黒山に行き五重塔を見学して精進料理を食べる

2013年06月09日 06時01分01秒 | 散歩外出ドライブ
過日、たまたま羽黒山を訪ねる機会がありました。子供がまだ小さい頃に、月山の七合目、弥陀ヶ原まで登ったことはありますが、羽黒山神社や五重塔はたぶん小学校の遠足以来、およそ五十年ぶりです。残雪が豊富に残る月山を眺めながら走る山形自動車道も良かったけれど、羽黒山の国宝・五重塔は、やっぱり厳粛な気持ちになります。



神社にどうして五重塔?と不思議に思いますが、実はもともと月山は高野山と同じく山岳密教・真言宗の霊場だったのだそうです。それが、明治政府の神仏分離令によって強制的に神社系と仏教系に分割させられて、羽黒山の仏教寺院の伽藍はみな取り壊されたのだとか。大切な五重塔を破却から守るために、大急ぎで本尊の薬師仏を大国主命に取り替えて、白木造りをよいことに神道の建物だと強弁し、今日まで残されたのだそうです。戊辰戦争の賊軍の地である東北の、多くの仏教寺院が直面した受難の中で、歴史の重みが思わず取らせたとっさの行動だったのでしょう。風雪に耐えて立つ白木の五重塔は、五十年前と同じ姿で立ち、歴史の重みをあらためて感じさせてくれました。



こちらは、一本歯の高足駄で歩く山伏さんです。羽黒山神社では、出羽三山の合祭殿の修復工事をしており、茅葺き屋根の厚みや杉の太さに思わず絶句。







そしてその後は、某宿坊にて精進料理をいただきました。月山筍、山蕗、山ウド、カノカワ(キノコ)、青ミズなどの山の幸に、胡麻豆腐のあんかけなどのメニューで美味しく完食。もっとも、不埒にも「我が家の食事と似たようなものだな」という感想を持ってしまいましたけれど(^o^;)>poripori



たしかに、老母と同居する我が家のメニューは、どうしても油っ気の抜けた老人向けのものになりがちで、肉・魚中心というよりは、精進料理ふうになってしまいます。そのため、老母が女学校の同級生たちと同級会に出かけたときなど、「平田牧場の三元豚のトンカツを食べたいね」とか「美味しい海鮮料理を食べたいね」などという話が出てくるのはやむを得ないことでしょう。

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