電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

マッケラス指揮のヤナーチェク「シンフォニエッタ」を聴く

2012年01月04日 06時02分06秒 | -オーケストラ
ジョージ・セルのLPの付録で知った(*1)ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」は、冒頭のファンファーレ風の出だしが印象的で、CDでもノイマン盤やクーベリック盤などを入手して聴いております。
最近、1950年代末期のステレオ録音が、著作隣接権切れで、続々と公共の財産の仲間入りを果たしてきております。私も何度かこのことに触れてきておりますが、このたび「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」(*2)にて、チャールズ・マッケラス指揮プロ・アルテ管弦楽団による1959年の録音が公開されたのをきっかけに、たいへんおもしろく聴きました。なんともモウレツな、迫力のある演奏です。



ひたすら響きを整え、鮮明なサウンドを目指す、という方向性ではなくて、多少の響きのずれはそのままにというか、むしろ意図的に合わせずに、土俗的なヴァイタリティを表現しようとしたものでしょうか。紹介記事(*3)にあるように、ジョージ・セルとクリーヴランド管のような鉄壁のアンサンブルで表現されるものが「大きなカン違い」かどうかはともかくとして、音楽表現の豊かな多様性を示す、もう一つの好例であることは確かでしょう。こういう認識が得られる点でも、廃盤となってレコード会社の倉庫に眠るのではなく、公共の財産となって多くの人々に聴かれることは、意味があると思います。

(*1):ヤナーチェク「シンフォニエッタ」を聴く~「電網郊外散歩道」2005年10月
(*2):「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」
(*3):ヤナーチェク:シンフォニエッタ~「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」より
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