電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

除雪の工夫

2012年01月20日 06時04分05秒 | 季節と行事
暖かい地方では、たまに雪が降ってもすぐに融けてしまいますので、あまり実感がわかないかもしれませんが、雪国では除雪が大仕事で、費やすエネルギーは膨大なものがあります。屋根から落ちる雪も、山のように積み上げてしまえば人や車の通行の妨げになりますし、毎日トラックで雪捨て場まで運搬する(これを排雪といいます)のは、費用も労力も大変です。

そこで、昔の人が考えて工夫したのが、雪を放置しても大丈夫な敷地の余裕と、雪を片付けるスペースを設けることです。建築基準法で定められた隣家との余地スペースは全国共通のようですが、雪国では屋根から落ちる雪の問題を想定しておかないと、紛争のもとになる場合も少なくありません。「ど」がつくほどの田舎にある我が家は、幸いにそれほど豪雪地帯というわけではありませんが、自宅の裏の隣家との境界までは一間(1.8m)の余地があります。当地では、これぐらいあれば、屋根からの落雪が隣家の敷地に侵入して構造物を破壊するというような事態は避けられますし、放置しておけば春になれば融けてしまいます。また、雪を片付けるスペースとしては、庭の植木の間の空間を利用します。スノーダンプで雪を運び、足で踏み固めて坂にして、どんどん高く積み上げていきます。孫たちが遊びに来たときは、ここからそりで滑り降りる遊び場になったものでした。

こんなふうに、昔の先祖が工夫したことは、もちろん有効で意味のあるものですが、自動車の保有を前提にした除雪の工夫は、現代の我々が考えなければいけないものです。流水で消雪する構造になっている家もあります。我が家では、車が通る分の通路は除雪機で吹き飛ばしてしまいます。いささか爆音がうるさいのですが、降ってすぐのふわふわ雪のうちに吹き飛ばしてしまうのが、どうやらいちばん効率的なようです。

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