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昨日の披露宴の疲れもあり、今朝はゆっくり起きて、コーヒーをいれてヤナーチェクの「シンフォニエッタ」を聞く。この曲、出だしのファンファーレがたいへん印象的だ。
最初に聞いたのは、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」に添付されたボーナスLPだった。「セル/クリーヴランド芸術の全て」と題されたこのレコードには、ずいぶん影響を受けた。その一つが、この曲を知ったことだろう。セル/クリーヴランド管の演奏は、「野蛮な」とまでは言わないまでも、炸裂するような威嚇的な表情を持ったファンファーレだ。多分、体育大会の幕開けなどには、こういう緊迫感を持った演奏がよく似合うだろうと思う。人をびっくりさせることのすきなセルがにやりと笑うさまが見えるようだ。
一方で、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコフィルの演奏(デンオン COCO-70411)は、セル/クリーヴランド管と対比して、ずっと丸みのある響きで、自宅でゆっくりと聞くにはこころよいものだ。
曲は全5楽章からなる。
第1楽章、アレグロ、ファンファーレで開始される。こんな音楽的なファンファーレで始まる体育大会なら、芸能スポーツ分野にはとんと関心がない私も、見てみたい気がする。
第2楽章、アンダンテという指示はあるが、せわしない祭囃子を思わせる軽快な開始から、金管楽器が開放的に響く。
第3楽章、モデラート、美しい弦楽器群の中で、大型の金管楽器が重々しく響き、木管楽器が速いパッセージに妙技を見せ、合奏では輝かしい響きを堪能できる。
第4楽章、トランペットが軽やかにリズミカルに導く短い印象的な音楽。
第5楽章、アンダンテ・コン・モト、アレグレット。のどかな木管と対比されるザワザワいう表現が印象的。再びファンファーレが回帰して、盛大に盛り上がる。
ノイマン盤の平林直哉氏の解説によれば、ヤナーチェクはずいぶんエキセントリックなところのある人だったようだ。若い頃に、オルガン学校の校長の演奏を率直に批評して学校を追い出されそうになったとか、コンクールでヴァイオリン・ソナタを酷評され、審査委員長宛に激しい抗議文をたたきつけたとか、そのへんは芸術家としてある程度理解できるような気がするけれど、15歳の少女と結婚して2女が生まれたとき、男の子を希望していた彼は大きく落胆したとか。いくらなんでも、妻が2年間も実家に引きこもってしまうほど、男の子願望をあからさまにするのはヘンだろう。少なくとも、命がけで子どもを産む女性に対する成熟した大人の態度ではないと思う。
この曲についても、作曲当時61歳だったが、23歳の若い女性と親密な交際をしていて、公園でデートの途中にひらめいたのだとか。やっぱりヤナーチェクは、常識でははかれないヘンな人だ。だが、生まれた音楽は素晴らしい。美しい響きと活力に満ち、聞き終わった後にこころよい充実感が残る。本当に素晴らしい音楽だと思う。
たしか、ラファエル・クーベリックが指揮した「シンフォニエッタ」も、響きがよく整えられており、好きな演奏だったという記憶があるが、エアチェックしたテープはもうどこかへ行ってしまったようだ。
参考までに、演奏データを示す。
■ノイマン/チェコフィル盤
I=2'14" II=5'36" III=5'01" IV=2'55" V=7'07" total=22'43"
最初に聞いたのは、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」に添付されたボーナスLPだった。「セル/クリーヴランド芸術の全て」と題されたこのレコードには、ずいぶん影響を受けた。その一つが、この曲を知ったことだろう。セル/クリーヴランド管の演奏は、「野蛮な」とまでは言わないまでも、炸裂するような威嚇的な表情を持ったファンファーレだ。多分、体育大会の幕開けなどには、こういう緊迫感を持った演奏がよく似合うだろうと思う。人をびっくりさせることのすきなセルがにやりと笑うさまが見えるようだ。
一方で、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコフィルの演奏(デンオン COCO-70411)は、セル/クリーヴランド管と対比して、ずっと丸みのある響きで、自宅でゆっくりと聞くにはこころよいものだ。
曲は全5楽章からなる。
第1楽章、アレグロ、ファンファーレで開始される。こんな音楽的なファンファーレで始まる体育大会なら、芸能スポーツ分野にはとんと関心がない私も、見てみたい気がする。
第2楽章、アンダンテという指示はあるが、せわしない祭囃子を思わせる軽快な開始から、金管楽器が開放的に響く。
第3楽章、モデラート、美しい弦楽器群の中で、大型の金管楽器が重々しく響き、木管楽器が速いパッセージに妙技を見せ、合奏では輝かしい響きを堪能できる。
第4楽章、トランペットが軽やかにリズミカルに導く短い印象的な音楽。
第5楽章、アンダンテ・コン・モト、アレグレット。のどかな木管と対比されるザワザワいう表現が印象的。再びファンファーレが回帰して、盛大に盛り上がる。
ノイマン盤の平林直哉氏の解説によれば、ヤナーチェクはずいぶんエキセントリックなところのある人だったようだ。若い頃に、オルガン学校の校長の演奏を率直に批評して学校を追い出されそうになったとか、コンクールでヴァイオリン・ソナタを酷評され、審査委員長宛に激しい抗議文をたたきつけたとか、そのへんは芸術家としてある程度理解できるような気がするけれど、15歳の少女と結婚して2女が生まれたとき、男の子を希望していた彼は大きく落胆したとか。いくらなんでも、妻が2年間も実家に引きこもってしまうほど、男の子願望をあからさまにするのはヘンだろう。少なくとも、命がけで子どもを産む女性に対する成熟した大人の態度ではないと思う。
この曲についても、作曲当時61歳だったが、23歳の若い女性と親密な交際をしていて、公園でデートの途中にひらめいたのだとか。やっぱりヤナーチェクは、常識でははかれないヘンな人だ。だが、生まれた音楽は素晴らしい。美しい響きと活力に満ち、聞き終わった後にこころよい充実感が残る。本当に素晴らしい音楽だと思う。
たしか、ラファエル・クーベリックが指揮した「シンフォニエッタ」も、響きがよく整えられており、好きな演奏だったという記憶があるが、エアチェックしたテープはもうどこかへ行ってしまったようだ。
参考までに、演奏データを示す。
■ノイマン/チェコフィル盤
I=2'14" II=5'36" III=5'01" IV=2'55" V=7'07" total=22'43"
さて「シンフォニエッタ」は現在セルのCDで聴いておりますが、自分の記事でも書いたようにノイマン指揮のチェコフィルの演奏(ライヴ放送のエアチェックですが)はこの曲に親しむきっかけとなったもので大変懐かしいものです。
近隣の運動会はもう終わってしまいましたが、運動会のオープニングなどでこのファンファーレが喨々と秋空に鳴り響くのを想像すると、なんだかと気宇壮大になりますね。
出だしのファンファーレというか、バンダの金管が盛大に出て来る一楽章と終楽章とそれ以外というものすごい無駄というか、贅沢がこの曲の持ち味ですが、すこしふれておられるクーベリックの演奏がよかったです。ノイマンは意外なほどぶっきらぼうで、ちょっと面食らってしまったことがあります。
なかなか強烈でおすすめです。
昨日、当ブログにも取り上げました。
「邪道」ですが、お暇ならお立ち寄りください。
体育大会がこれほど面白い音楽で始まるわけですから、ずいぶんと文化的な話ですよね。当時としては斬新な音楽だったかもしれませんが、きっとこれを聴いた誰もが印象に残ったのではと思います。それにしても、ヤナーチェクの「変人」ぶりは知りませんでした(笑)やはり際立った作品を残す芸術家には変わった人が多いようですね(^^;