電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

村上もとか『JIN~仁~』第4巻を読む

2011年09月20日 06時08分54秒 | 読書
集英社漫画文庫版、村上もとか著『JIN~仁~』第4巻をよみました。本巻は、「尋の章」より「運命の決断」から。橘咲さんの縁談話が進む中で、南方仁先生は、吉原の花魁・野風の依頼で、乳ガンの再診察を行います。今回は、華岡流の麻酔術と乳ガン診療の経験を持つ佐分利医師と一緒です。野風の乳ガンは進行しており、今度は乳腺に分泌物も確認されます。野風の身請け話は破談となり、面子をつぶされた医師・三隅俊斎は、ひそかに復讐の策を練ります。それは、野風の手術の最中に、刀にモノを言わせて押し入ろうというものでした。橘咲さんの決死の覚悟と新門辰五郎親分の力で、なんとか暴挙は押しとどめます。この場面、テレビでもなかなか迫力がありました。

続いて「新の章」。乳ガンの手術で吉原を去った野風は、仁友堂に住み込み、下働きを始めます。生まれ変わったような姿を描き始めた浮世絵師:桜川雲泉は、手根管の手術で再び絵筆を握ることができるようになります。一方、坂本龍馬が報せたのは、佐久間象山が襲撃され、重態だという情報でした。勝海舟の妹が嫁いでいる関係もあり、勝の依頼で、仁先生はペニシリン製造スタッフの一部を引き連れて、船で京都に向かいます。

京の都は、たいへんな状態。長州藩やら新選組やら、どこも殺気立っていて、「陣の章」は内戦状態に突入する前夜を描きます。長州藩の少年兵・東修介や、新選組の近藤勇や沖田総司などが登場しますが、きわめつけは西郷隆盛の虫垂炎開腹手術でしょうか。

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