電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

通勤時のラジオ・ニュースなど

2011年09月02日 06時03分36秒 | Weblog
東日本大震災の後、通勤中の決まった時間に、ラジオでニュースを聴くことが多くなりました。通勤時間に占める割合はわずかなものですが、被災地の様子や原発事故の対応など、ハラハラしながら報道に耳を傾けております。当方、スポーツ・ニュースはほとんど興味関心の対象外ですが、国内外の報道はなんだか気のもめることばかりで、困ったものです。

若者が、物理や化学、生物などの国際科学オリンピックで優秀な成績を収めたなどという報道は、まことに喜ばしく嬉しい限りです。それに対して、経済産業省所管の財団法人・日本エネルギー経済研究所が、「賠償加算しても、原子力は火力より安い」と試算結果を発表した、という最近の新聞報道(*1)には、文字通り唖然としてしまいました。

一方、業界新聞である「電気新聞」の報道(*2)によれば、政府(菅内閣)が原子力コストの試算案を作成したところ、ずいぶん高く付くのだそうな。この見解にあわてた人たちがいて、経済産業省所管の財団法人が反論を出したということなのでしょう。おそらく、夜間電力を使い、揚水発電を行うコストを、どの発電方式へ振り向けるかというような、統計データの処理の前提に、かなりの隔たりがありそうです。

(*1):「賠償加算しても、原子力は火力より安い…エネ研」1キロワット時8.5円~読売新聞オンライン
(*2):「政府が原子力コスト試算案 1キロワット時16~20円」~「電気新聞」2011年8月23日付け


うーん、住み慣れた故郷を追われ、静穏な生活と日常を失い、子や孫の内部被爆を恐れながら暮らさなければいけない多くの人々の嘆きと怒りを、そもそも「賠償加算」で代替することはできるのか。様々な立場からの多様な意見のありうる社会的な出来事には、ふだん見解を控えておりますが、この報道には、なんだかなーと思わずにはいられません。

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