電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

和田哲哉『文房具の足し算』を読む

2011年05月07日 06時02分45秒 | -ノンフィクション
年度始めの多忙期も終わりましたが、相変わらずスケジュールに追われる日々が続いております。なかなか本も読めず、図書館から借りてきた実用書をパラパラと眺めるのがせいいっぱいという状態でした。今回取り上げたのは、ロコモーション・パブリッシング刊の和田哲哉著『文房具の足し算』です。ほぼ一年前に、同著者の文房具に関する文庫本(*1)を取り上げたことがありますが、「多ノート派」という言葉が印象に残りました。今度の本は、A5判サイズ、ソフトカバーの単行本で、写真と文章を単位とした、ちょいと絵本のような雰囲気の印象です。

内容面では、タイトルのとおりに二つの要素を組み合わせたおもしろさを提案するもので、例えば「クルマとクリップボード」は「どこでもデスク」になりますよ、という具合です。駐車券などは、すぐにサンバイザーに挟むようにしていますが、車内でメモを取りたいとき、あるいは車検整備時に直接サービスマンに伝えたい内容等のメモをはさんでおく、などの用途に使うと、確かに便利です。また、「ダイアリーとノート」は「多ノート派という考え方」を伝えるものですし、「万年筆と手ぬぐい」は、日本手ぬぐいの折り方を工夫することで、ロール式のペンケースになってしまうという意外性が面白い。

そして、今回のハイライトは、「小物や書類とオーガナイザー」でしょう。「効果を見越した持ち物整理」とまとめていますが、この中の、「書類+パートファイル」に「うーむ」とうなりました。複数枚の丈夫な厚紙を背で綴じただけの製品ということですが、LEITZ 社のデスクオーガナイザーが示す考え方に興味を持ちました。

当方、届いた文書は、まず「当面の業務」というファイルに、締切り等の日付を付箋に書いて貼り、日付順に綴っておきます。システム手帳のスケジュールとこのファイルが、当面の業務を管理します。そして、予定終了後にそれぞれの保存用の綴りに移すか、あるいは廃棄して、「当面の業務」ファイルの厚みを一定に保ちます。このようなやり方ですので、「オーガナイザー」という製品の工夫に、ぴんと来るものがありました。ああ、私の「当面の業務」というファイルは、要するにオーガナイザー機能を果たしているんだ、という実感です。

ハイカラな道具を並べ、眺めて楽しむという趣味は持ち合わせてはおりませんが、少数の道具をシンプルに使うことで物事を単純化することは心がけております。財布は持たず、システム手帳に備忘録ノート、ペンとデジカメと携帯電話というのが基本のスタイルです。メモできないものは、デジカメで撮影してしまい、合間をみて要点をテキストファイル備忘録に記録します。その意味では、たしかに「紙の手帳と備忘録ノートとテキストファイル」の「多ノート派」と言えるでしょう。

(*1):和田哲哉『文房具を楽しく使う~ノート・手帳編~』を読む~電網郊外散歩道2010年5月
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