電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

佐伯泰英『孤愁ノ春~居眠り磐音江戸双紙(33)』を読む

2011年05月26日 06時05分57秒 | -佐伯泰英
出張の旅の道連れは気楽な読み物が良いだろうと、久しぶりに佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズを手にしました。第33巻『孤愁ノ春』です。前回までのストーリーはおおよそ頭に残っていますし、さっそく続きに入ることができました。

第1章:「弔いの日々」。将来を期待されていた将軍嗣子の家基が、田沼意次一派に毒殺されたことに抗議して自裁した、佐々木玲圓とおえい夫婦の亡骸を隠し墓に埋葬した磐音は、おこんとともに今津屋の寮に隠棲しています。長屋の金兵衛さんや今津屋吉右衛門夫妻、老分さん、品川柳次郎母子とお有、武村武左衛門の家族や宮戸川の親分に幸吉など、磐音の身近な人々の消息が描かれます。
第2章:「長屋の花見」。磐音の隠棲は、家基と玲圓夫婦への服喪とともに、身近な人々へもれなく書状を認めるためのものでした。元隠密の弥助は、この書状を届け、読後に焼却するまで見届けるという任務を負います。意次の愛妾おすなの家で、三味線作りの名人との評判を得つつあった鶴吉が、新たな敵・雹田平なる中国系の系図屋が登場したという情報を伝えます。ふーむ。今後、反撃の際に、田沼意次側の弱点となるのが、どうも系図がらみらしいと見ました。
第3章:「川留め」。船で江戸を脱出した磐音とおこんは、東海道を西に歩きます。途中、霧子と弥助と合流し、旅は4人づれ、いや、おこんのお腹の赤子を加えれば4.5人連れ?まずは、幕府お花畑番の猛者連を田沼一味から切り離すことを策します。
第4章:「遠湖騒乱」。今の浜名湖を舞台に、鉄砲や大砲という物騒な武器を沈めてしまう、という作戦です。田沼一味のマヌケな家来が、おこんの口先と色香に丸め込まれ、作戦は大成功。本当は苦難の逃避行のはずが、悪者一味に一泡吹かせ無事に逃げおおせるという、伝統的見せ場です(^O^;)>
第5章:「弥助走り」。今で言う愛知県刈谷市の称名寺にあるという、佐々木家累代の墓に遺髪を納めますが、雹田平らにつきとめられます。しかし、磐音・弥助・霧子は強い。あっという間に撃退、旅は名古屋に向かいます。



あいにく出張先は名古屋方面ではありませんでしたが、それにしても都会は疲れます。慣れた田舎道を車で走る生活を続けているものだから、足腰が弱ってしまうのでしょう。無雪期に、せっせと歩く必要がありますなぁ(^o^;)>poripori
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