電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

大江健三郎氏の失敗と井上ひさし氏のフォロー~シベール・アリーナで思い出す

2009年05月05日 05時30分24秒 | 散歩外出ドライブ
昨年の印象的なできごとに、大江健三郎氏の失敗と井上ひさし氏のフォローの一件(*)があります。

ラスクで有名な山形市のお菓子やさん「シベール」が、本社わきに図書館兼ホールを新築し、この御披露目を兼ねて、大江健三郎氏の講演会を計画したのだそうです。ところが、大江氏がついうっかり日取りを勘違いし、約束をすっぽかしてしまったらしい。だれでもやらかしそうな失敗ですが、そこは天下のノーベル賞作家、影響がまるで違います。そこで、集まった聴衆に、井上ひさしさんが即席で講演を行ったのだそうな。
後日、再度依頼を受けた大江氏は、「もう一度の機会をありがとうございます」と返信(*2)、勘違いの後日談を交えて講演会を行った(*3)とのことです。

この一連の経緯は、なにかとぎすぎすした世情の中で、公人の失敗と友人のフォロー、後日の誠実な対応という点で、ほっとするものを感じさせるものでした。先日、山形交響楽団の特別演奏会の後に、遅筆堂文庫とシベール・アリーナを見学し、同社のショップで、甘~いモンブランとコーヒーで農作業の疲れを癒したのでしたが、そういえばこんなことがあったねと、妻とこの一件を思い出したところです。

写真は、駐車場から見たシベール・アリーナの外観です。

(*):大江さん、ついうっかり日取り勘違いし講演に姿見せず~山形新聞
(*2):もう一度の機会をありがとう~山形新聞
(*3):勘違いの後日談を交えて~山形新聞
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