評価 (3点/5点満点)
堀江貴文さんの最新刊は、自ら実践している、いくつもの異なることを同時にこなす力「多動力」がテーマです。
多動力がある人は、次から次に興味が移り変わってしまい、まったくもって落ち着きがない。これは、かつてはマイナスでしかなかったかもしれません。
しかし、テレビなどの家電はもちろん、自動車も、家も、ありとあらゆるモノがインターネットにつながり、すべての産業が「水平分業型モデル」となって、タテの壁が溶けていく。そんなかつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」です。
そして、越境者に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる多動力なのです。
・日本人の頭に染み込んでいる「石の上にも三年」という価値観の転換
・完璧主義や準備至上主義といった「バカ真面目」の洗脳
・幼少期から教え込まれている「バランス教」のおかしさ
・「自分の時間」を取り戻し、仕事を効率よく進める工夫をする
・「原液」なるものを生み出し、自分が動かなくとも自分の分身にまで働いてもらう
本書を読んで、価値観を根っこから変えてみよう。まったく新しいサービスやプロダクトを次から次へと生み出す秘訣は、業界の壁などなく、すべてがごちゃ混ぜの状態から始まります。
【my pick-up】
◎電話をかけてくる人間とは仕事をするな
僕は「電話に出ないキャラ」を確立している。電話は多動力をジャマする最悪のツールであり、百害あって一利ない。電話でしかやりとりできないような人は、僕の時間を無駄に奪う害悪だ。インターネットの大きな功績は、非同期通信を手軽にしたことである。非同期通信が手軽になったおかげで、人がどれだけ隙間時間を活用できるようになったか。非同期通信が手軽に使えるようになった画期的な時代に、なお電話という同期通信にこだわり続ける。そういう人間に僕は言いたい。「お前にあげる時間はねえよ」と。
◎仕事の速さはリズムで決まる
仕事が遅い人は決まってリズムが悪い。大切なのは「速度」より「リズム」である。僕は仕事のリズムを崩されると、たまらなくイライラする。グダグダと長ったらしい話をしたり、メールを書いたりしてくるヤツに限って、結局何が言いたいのかわからない。「お前は何が言いたいんだ」と逆質問しても、キョドってまともに答えられなかったりする。