評価 (3点/5点満点)
昨年10月に刊行された『LIFE SHIFT』という本で、平均寿命が100歳を超える時代が近くやってくることが話題となりました。
長生きというと一見、いいことのように思えますが、これまでにない脅威にされされてしまう側面もあります。例えば、これまでの65歳から、85歳まで働くことを考えないといけなくなります。
この本では、そんな時代に備えて、資金計画だけでなく、健康や人間関係についても「学び直す」ヒントを紹介します。
あなたにも私にも、相当に大変な嵐が襲ってくる。ただし、それは地震と違ってはっきりと予測ができている。ならばなおさら、できることをやっておくのは当然ではないか。(おわりにより)
100歳生きる、しかも死ぬぎりぎりまで寝たきりなどにならない健康な生活を前提とした、ライフプランを計画し、実行しましょう。
【my pick-up】
◎タバコは最悪だ
100歳まで健康に生きようとしたら、タバコは論外だ。寿命は縮まらずに、健康寿命だけが縮まってしまう可能性も高くなることを忘れてはならない。
◎60歳からキレ始める
鉄道職員に暴力をふるう加害者は60代が一番多い。高齢者は「いまの若い連中はすぐにキレる」と言うが、本当は逆で、自分たちがキレているのだ。まだ50代の段階で、真剣に取り組んでほしいことの1つに、「怒り癖をつけない」というものがある。そもそも、なぜ年齢を重ねて丸くなるどころか怒りっぽくなるのか。おそらく、歪んだプライドがそうさせるのだと思う。これらネガティブ感情の根底には「不安」が存在する。不安や悩みがあったときにどうするか、65歳以上で他の年代よりも突出して高いのが「積極的に自分で解決する」というものだ。やはりプライドがそうさせているのだろうか。ストレスを感じたときには、自分一人で解決しようとせずに、誰かの力を借りるコミュニケーション能力が必要だ。とくに、100歳時代には必須だが、中高年男性にはそれが欠けているようなのだ。人によって、金銭的なことだったり、健康面だったり、人間関係だったりと、必ず不安のもとがある。そこを直視することで、不安は解決していく。
◎私たちの認知は歪んでいる
ネガティブなマインドトークは、さまざまな「認知の歪み」を引き起こす。それによって、私たちのなかに、まったく客観性のない思い込みが生まれるのだ。脳は思っていることをそのまま受け取る習性があるため、「そうか、私は好かれていないのだ」という認知の歪みをさらに引き起こし、それによってネガティブな結果を誘導してしまい、あたかも、歪んだ認知が正しいものであるかのように思えてしまう。
◎ゴルフを捨てよう
「そのゴルフは、どういうきっかけで始めたのですか」。いずれにしても、仕事の延長にあったのではないかと思う。それを「一生の趣味」として引きずっていいだろうか。「趣味と言えばゴルフしかない」という状況からは脱却しておいたほうがいい。50歳になったら、ゴルフは「第二の趣味」に格下げし、一人であっても自由に楽しめるものを見つけてほしい。