評価 (3点/5点満点)
不本意ながら「働かないおじさん」となっている方が、適切な働きかけで自らの意思で、自らの人生を充実したものにするために前向きに変化に踏み出す方法を紹介します。
〝不本意ながら〟というのは、本人が仕事をさぼっているという訳ではないからです。
実は、現在働かないおじさんと呼ばれてしまう人の多くが「真面目でコツコツ働く人」です。
本人が今まで通り「真面目にコツコツ働いて」いるにも関わらず、生産性の低下や会社側の期待とのギャップを招いています。
「働かないおじさん」の6タイプ
1.期待している成果が出ない(成果のミスマッチ)
仕事に対する創意工夫や自主的な学習が足りず、単に与えられた業務をこなしている人
2.仕事への意欲が不足している(意欲のミスマッチ)
特に、役職定年や定年再雇用などで役割や処遇が変化した場合に起こりやすい
3.本人が良かれと思ってやっている言動がズレている(期待のミスマッチ)
自分の力で解決しようとして部下の動きを止めてしまう人
4.成功体験が邪魔して話が伝わらない(コミュニケーションコストの問題)
考え方や意見が次第に最新の環境や手法と合わなくなり、そのことに本人が気付けない状態
5.年上部下・年下上司がお互いに遠慮してしまう(心理的コストの問題)
お互いに遠慮して最終的な行動や結論が中途半端
6.改善や変化をするのに時間がかかる(時間的コストの問題)
長年の行動が習慣化されていて、改善に時間がかかる、またが改善してもすぐに元に戻ってしまう状態
本人は真面目でコツコツ働いているわけですから、当人が「働かないおじさん」になってしまった状況を作ったのは、真面目な人の方向性を上手く導けない直属の上司、会社の人事や経営者が責任の一端を担っている側面も否定できません。
「働かないおじさん」問題は、本人・上司・人事が三位一体で取り組まないと解決しないのだと本書を読んで認識しました。
【my pick-up】
◎同じ仕事を続けている人ほど「働かないおじさん」化しやすい
省エネルギーと小リスクで対処できる状況をコンフォートゾーンと感じてしまった人は、わざわざ失敗するリスクを冒してチャレンジすることを望まなくなります。これが多くの「働かないおじさん」に見られる現象です。人事や上司としては、本人が仕事に充実や集中を感じられるよう、少し背伸びした挑戦機会を本人と一緒に考えて提供することが有効です。
◎上司と部下が一緒になってワクワクする
部下の語る計画に対して、上司が共感や感動の言葉をかけてあげると、より効果的でしょう。「部下の描く状態や世界を、一緒に楽しむ・喜ぶ」という情緒的な能力が、上司には求められます。
◎人は何歳でも褒められたい
褒める・認める・喜ぶ・感謝するというポジティブなフィードバックは、上司の専売特許ではありません。同僚や部下の立場でも積極的に活用していきましょう。案外、社内で一番褒められていないのは経営者や上司だったりします。思ってもいないことを口にする太鼓持ちや計算だけの称賛をする必要はありませんが、素直で前向きなメッセージをもらって、嫌な顔をする人は滅多にいません。
◎「学習戦略」を考える
ミドルシニアの学習には「戦略」が必要です。漫然と「言われたから」「とりあえず」「面倒だけど仕方ない」「何となく」というスタンスで学んでも、学習効果が高まりませんし、本質的な能力開発に繋がりません。学習する分野・効果的な学習方法を「自分の人生100年を切りひらく重要な取り組み」として真剣に考えることをお勧めします。
◎「オフィスに行かないと仕事がはじまらない」という先入観を捨てる
ミドルシニアはどうしてもオフィスに行きたがる人が多いようですね。わざわざ電車に乗って、時間かけて通勤して。おそらく「オフィスに行かないと仕事がはじまらない」という先入観がこびりついてしまっているのでしょう。本当にもったいないと思います。個人的には「なるべく会社に行かずに済むにはどうしたらいいか」について考えるようにしています。
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