評価 (3点/5点満点)
成功を目論むのであれば、アイデアよりも、ファイナンスよりも、「誰とやるか」がはるかに重要であることは、人生経験を積めば積むほど痛感するものです。
この本で提示するフレームワークを理解し、技術を身につけることで、誰もが構造で人物を「見抜き」、創造性をもって起用を「見立てる」ことができるようになります。
<人を4つの階層で捉える>
地上1階「経験・知識・スキル」
地下1階「コンピテンシー」
地下2階「ポテンシャル」
地下3階「ソース・オブ・エナジー」
浅いほう、つまり地上に出ているものほど他人から見えやすく、わかりやすく、そして変わりやすい。一方、地下に潜れば潜るほど見えにくく、わかりにくく、変わりにくい。
人を見る目を「ゆるいテーマ」として捉えることから卒業し、そこには科学的な分析・推定の手法があることと、正しい知識と方法論を得られれば、その力を伸ばすことができるということが、本書から理解できると思います。
【my pick-up】
◎あくまでも「エピソードを引き出すこと」に徹する
特に質問ポイントを〝そのまま〟質問してしまっているケースが少なくない。例えば、協調性をあぶりだしたいときに「あなたはチームプレイができますか?」と質問する。そんな質問をされたら、相手はすぐ「この会社は自分がチームプレーヤーかどうかを知りたいんだな」と感づくはずだ。あとは「私はチームプレーが得意で、大学時代はラグビー部でした」と、質問に合わせた答えをすればいい。
大事なのは「エピソードを聞く」ということだ。例えば「今までの仕事や人生における自分の行動で、もっとも誇りに思うことは何ですか?」と聞く。それに対して、相手は「これこれこうです」と答えたとする。そこですかさず「では、それについてのエピソードを話していただけますか?」と聞くのだ。このやり方のメリットは何かというと、こちらの欲しい答えを〝意図的に打ち返す〟ことができないということだ。仮に「チームとうまく協力して、一つのプロジェクトを成功させたこと」をもっとも誇れるエピソードとして挙げたとしよう。それはチームワークについて聞かれたから答えたのではなく、その人自らが選んだ答えなのだから、信ぴょう性がある。きっとチームで働くことを大事にしている。