評価 (4点/5点満点)
この本では、仮説を一瞬ではじき出すための思考法である「瞬考」と、新しい時代の職種「ビジネスプロデューサー」についてお伝えします。
鋭い仮説を生み出すために真に重要なポイントは、極めて少なくかつシンプルで、以下だと言います。
1.求められる仮説とは「相手が知らなくて、かつ、知るべきこと」を捻り出すこと
2.仮説構築をするためには、事象が起きたメカニズムを探る必要がある。メカニズム探索では「歴史の横軸」「業界知識の縦軸」そしてその事象が起きた「背景」を意識する
3.導き出した仮説を「メカニズム」として頭の中に格納し、それらをアナロジーで利用する
4.事例などのインプット量が仮説を導き出す速度と精度を決める
5.「一を聞いて十を知る」人ではなく「一を聞いて十を調べる」人が仮説を出せるようになる
6.あらゆる局面でエクスペリエンス・カーブを意識する
「頭の中に多数の事例や事象を累積して溜め込んで「知の資産」を作り、長期の時間軸を意識して思考すれば、仮説は一瞬ではじき出せる。」
タスクの依頼先が、人間のスペシャリストであっても、AIであっても、指示する側が「何をやるか」という目的を設定することが、非常に重要です。
目的設定のためには「何が課題なのか」を明確にする仮説構築力が求められます。
時間軸を長く取り、範囲を広く取ってものを考えるためには、様々なことを知っておかなければなりませんね。
また、ビジネスプロデューサーについては、たった数分で問題の特定だけでなく、その解き方まで一瞬でわかってしまうような職種・働き方です。
周囲のライバルは自分の頭脳だけで問題の解決策をうなりながら考えている横で、ビジネスプロデューサーは「この問題で悩んでいます。ご相談させてください」と電話を一本かけるだけで、メッセージを一言送信するだけで、ビジネスを一瞬で動かしていくことができます。
【my pick-up】
◎瞬考のための四季報丸暗記
私からすると、コンサルタントで「仮説が湧かない」というのは、頭の良し悪しや才能の問題ではなく、現状のインプット量がコンサルタントとして求められる基準にはるかに足りていないからだと考えている。『会社四季報』の情報が10年分も頭の中に積み込まれていると「この会社の売上が伸びれば、それと一緒にこの業界の会社の売上も上がっていくはずだ」というようなことが、無理やり意識せずとも自然と思いつくようになる。まさに「瞬」間的に「考」えられるようになるのだ。
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