厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2019年182冊目『小さな会社が自社をRPA化したら、生産性がグーンとアップしました。』

2019-08-31 22:08:30 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

RPAはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、請求書の発行や顧客名簿の作成、経費の精算など、面倒で時間のかかる単純な定型業務をロボットが代わりにこなしてくれるものです。

ロボットといっても、パソコンの中で動作をするツールで、ロボットの特徴は24時間・365日休みなく働いてくれることです。

この本は、著者の会社がRPAを導入するに至るまでの悪戦苦闘をまとめたものです。

RPAは大企業ではかなり浸透してきていますが、中小企業はまだまだこれから。著者は、RPAについて調べていくうちに、人手不足に悩む中小企業にこそ導入すべきだという思いが強くなり、中小企業でもRPAを十分に使いこなせることを理解して頂きたいと言います。

導入にあたっては注意しなければならないこともあります。それは「RPAは人の仕事を奪うのではないか」という不安を社員に与える点です。しかし、RPAを実際に導入してみて感じるのは、RPAは人の仕事を奪うのではなく、人の仕事の能力を倍増させるツールであること。単純作業から解放されるので、よりクリエイティブな業務で力を発揮できるチャンスが増えることになります。

ちなみに、著者の会社で導入したRPAは、FCEプロセス&テクノロジーが開発した「ロボパット」、販売代理店は「スターティアレイズ」という会社だそうです。

【my pick-up】

◎RPAはビジネス用ツールのスタンダードになる

RPAという技術は、今後ビジネスにおける業務に欠かせないデファクトスタンダードになっていくのではないかと感じています。今のところ、与えられた業務プロセスの反復、単純作業が得意で、様々な情報を基に判断することは苦手であるRPAも、AI技術との融合でより複雑な判断が伴う事務作業も自動化していけるようになり、飛躍的に業務の効率化が図れる時代もすぐに来るでしょう。また、何か新しいクリエイティブなことを考えたり、作り上げていくことで、より付加価値の高い仕事を行っていけるように、今から準備をしていかなければいけないと考えています。

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2019年181冊目『最強の働き方』

2019-08-31 21:59:22 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

外務省の主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍された佐藤優さんの最新刊は、私たち一人ひとりを取り巻く働き方をめぐる問題を現実的にとらえ、解決の方策を見出す視座を育成することを目的としています。(朝日カルチャーセンターでの講座をもとに構成)

佐藤さんが働き方について論じるときに、常に念頭に置いているのは2つの論理です。

1つ目は、マルクスが『資本論』で説いた経済の論理。資本主義社会で、労働者がいくら努力して、朝から晩まで働いても大金持ちにはなれない。労働力商品の価値(賃金)は、労働力を再生産させるのに必要な商品やサービスを購入する価格で天井が定められているからです。

また現在、大学卒の事務職が行っている仕事のかなりの部分が、今後10年以内にAIによって代行されることはまず間違いない。この産業構造の転換に備えて、文科系、理科系の双方にわたる基礎教養を身につけることが死活的に重要になります。

2つ目は、『聖書』の論理。人々は互いに助け合って生きている。この現実を忘れずに、隣人のために尽くす生き方をしたほうが、人生が楽になります。

【my pick-up】

◎AIの時代になってもなくならない税理士の仕事

税理士の仕事っていうのは、税務署と交渉しながら税額を決めることだから、そこにはすごく、人間的な要素があるわけ。だからAIの時代になってもなくならない。しかし公認会計士は、国際会計基準に基づいて、インドとフィリピンの公認会計士と競争するからね。今後ますます厳しくなっていく。

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2019年180冊目『現場の会計思考』

2019-08-31 00:07:03 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本で言う「会計思考」とは、儲かるためには何をどうやればいいのかを常に考えて動くということです。

しかしビジネスの現場では、非会計思考的なやりとりが多くなされています。

・現場の社員は、売上はかろうじて意識しているが、利益への理解が乏しい。

・会計上の「予算」を、使える金額の上限とはき違えている人もいる。

本書は、会計に関する体系立てた理論書というよりも、入門書であり実務書です。

会計とか数字に対する現場の抵抗感は根強いものがあると思います。しかし、スピーディーに効率よく成果を出すことを求められる昨今、数字感覚、会計思考は必須の教養として位置づけられます。

日々の仕事に会計思考を取り入れることで、皆さんのプレゼンの説得力は増し、目標達成に対するモチベーションは上がるはずです。

【my pick-up】

◎現場で働く社員に予算感覚が必要な理由

3月決算の会社だと、1月の正月明けから3月中旬までが来期の予算を立てる時期になります。3月末までの実績値を予測しながら、その数字と比べて来期予算の金額を決めていくので大変な作業になります。予算と実績を比べて差異が出たら、差異の原因を分析し、軌道修正に役立たせるのです。「予算を±5%を超えていたら差異分析する」などとルール化しておくべきでしょう。何年か予算を作って実行するうちに、それほど予算結果はズレなくなります。また、1年後の貸借対照表(BS予算)も作るべきです。

◎月次決算を早期化することの意義

決算書は社長にとっての成績表と言ってもよいでしょう。月次決算書も、翌月15日や20日過ぎにしかでき上がらないのであれば、使い物になりません。翌月5日とか6日ぐらいにできあがれば、その月にどのような手を打てばよいかを判断し、実行に移せます。なぜ月次決算書が遅くなるのか?それは、現場の担当者が資料や情報を提出するのが遅いからです。月次決算が早い会社ほど会社全体の実務能力が高いと評価されるし、予算管理を充実させることによって、月次決算(実績)が出たタイミングで予算と実績の差異分析を行い、その結果を通してすぐに改善策を打つことができます。

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