厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2019年170冊目『職場の紛争学』

2019-08-04 16:37:02 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

人手不足問題と呼応するように、数年前から急激に企業内でのコンフリクト(対立・葛藤)が増加してしています。

「コンフリクトマネジメント」は日本では馴染みのない概念ですが、意見や価値観の対立を構造的に捉えたり、その効果的解消法を組み立てたりするマネジメント手法です。

この本では、実際のコンフリクト事例が紹介されていますが、いずれのケースも異なるパラダイムや価値観を持つがゆえに職場で起こったコンフリクトであり、これからの時代、どの企業でも起こりうる事例ばかりです。

「オーナー社長vs.大企業OB」「ゆとり社員vs.バブル上司」「専門志向vs.上昇志向」「営業トップvs.経営層」「意識高い系部下vs.実直上司」「女性総合職vs.男性上司」

対立する双方には、それぞれ違ったものの捉え方があり、ほとんどの場合、どちらか一方が悪いという単純な構造にはありません。対立・葛藤する双方が相互理解を深め、協調的に問題を解決するほうがはるかに生産的だと思います。

人材が多様化する現在、想像以上に増えていく職場でのコンフリクト。それを脅威と捉えるのではなく、相互理解を進めるチャンスとして生かす土壌を育むべきですね。

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2019年169冊目『愚直に、考え抜く。』

2019-08-04 16:24:52 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

夢を見ているのに日常が変わらない、夢は何かと聞かれても答えられない。そのような状態から脱却し、自身の殻を破りつづけ、夢を実現するための「構想術」「思考術」「行動術」についてまとめた1冊。

著者の岡田光信さんは、東大を卒業し、大蔵省、マッキンゼー、プライベートエクイティファンド、IT企業経営者と、振り向けば何ら定まっていない己の方向性に不安を覚えていたそうです。しかし40歳の時、とことん宇宙に関わる覚悟を決めて「アストロスケール」という会社を立ち上げます。この会社のミッションは、スペースデブリを除去すること。

スペースデブリとは、人工衛星のような大きなものから、ロケットの残骸から出た破片といった小さなものまでを含む、地球の衛星軌道上を周回する人工物。これまで増えつづけるスペースデブリを放ってきたため、宇宙空間で衝突や爆発が起きています。最終的には人工衛星の利用が不可能となってしまうことも。

コストのかかるこの問題は、アメリカやロシアといった国家でも、NASAなどの宇宙機関でも、企業でも「誰かがやらないといけないけど、自ら進んではできない」という状態が30年以上も続いたのです。

そんな壮大な問題に立ち向かい、自分を超えつづけるために、岡田さんがいつも念頭に置いている方程式は次の2つです。

○課題方程式:(課題)=(あるべき姿)-(現実)

○実現方程式:(実現)=(思考)×(行動)

あるべき姿。この誰からも教わるわけでもない、まったく各自にユニークなものを定義する力を「夢想力」と本書では呼びます。

また、頭がちぎれるくらい考えて、行動があるべき姿に向かうように仕向けるスキルを「孤考力」と呼びます。

さらに、さまざまな課題を漏れなく同時に解決し、仲間を増やしていくスキルを「広道力」と呼びます。

岡田さんの事業は、ハーバード・ビジネス・スクールの教科書でも取り上げられています。愚直さに思考と行動の方法を加えることで、自分のコンフォートゾーンを突き抜け、あるべき姿に最速で向かうことができるのです。

【my pick-up】

◎課題を場合分けで細分化する

課題にぶつかって、行動を起こせないときは次の2つのパターンしかない。

・子課題がまだ大粒すぎて次の一歩が踏み出せない

・子課題を十分な粒度に高めてみたが、課題設定の切れ味が悪くピンと来ない

切れ味のよい場合分けのパターンはほぼ決まっている。大きく分けて、順序で分ける、直交軸で分ける、その他、の3パターンになる。

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2019年168冊目『プレイングマネジャーの基本』

2019-08-04 16:14:51 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は「プレイングマネジャー」の仕事を劇的にラクにすると同時に、チーム全体で成果を上げるためのノウハウを紹介するものです。

プレイングマネジャーは、専任マネジャーとは違い、自身の業務と部下マネジメントの両方を行わなければなりません。そのため、専業のマネジャー向けのノウハウを伝えても、やることが増えるばかりで、余計に忙しくなってしまいます。

“自分がいなくてもメンバーが勝手に動く最高のチームをつくること”

プレイングマネジャーが、マネジメント業務をしっかり行うには「大胆に部下に仕事を任せる」「大胆に業務を効率化させる」といった決断が不可欠です。

それができれば、専任マネジャー以上の成果を出すことができるでしょう。

【my pick-up】

◎部下のミスは「かすり傷」にすぎない

部下は必ずミスをします。マネジャー自身が失敗への許容度を高めておくことです。私自身も部下がミスをしたときでも、「致命的なミスでなければ挽回すればいい」「必ず挽回できる」と考えられるようになった1人です。もちろん、部下がミスをしたら、上司であるマネジャーはさらに上の上長から注意を受けることになるでしょう。しかし、「挽回がきく」と考えれば、部下のミスに寛容になれるのです。

◎職場全体のことはみんなで決める

職場全体の無駄を削減する際は、マネジャー1人で決めるのではなく、部下の力を借りながら進めるようにしましょう。月に1回、業務改善ミーティングを実施し、問題と対策を考えるようにするなど。自分たちで決めるからこそ、納得感を得られるわけです。ぜひ、メンバーが主体性を持って自ら業務改善に取り組む流れをつくってください。

◎人を増やすから無駄が増えるという現実

「そこに担当がいるから、無駄な仕事がなくならない」人がいるせいで仕事が減らない。以前、ほかの会社では3人くらいでやっている仕事を、6人でやっている会社とおつき合いしていたことがありました。同じ仕事量を倍の人数でやっているわけです。人員に余裕があるので、よかれと思ってよけいな工夫を重ね、自ら仕事を増やしてしまっていたのです。安易に人を採用すると後戻りできません。

◎まずは、会議の進行を任せることから

参謀役となってくれる部下に、まずどの仕事を任せればいいか。おすすめは、会議の進行です。メンバーに自分たちで会議を運営しているという自覚を持たせるためです。星野リゾートの星野社長は、さらに上をいっています。社員から判断を求められたとき、星野社長は必ずこう聞き返すそうです。「どうしますか?」と。つまり、自分で考えて決めろというわけです。まさに、自主運営の理想でしょう。

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