評価 (3点/5点満点)
外務省の主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍された佐藤優さんの最新刊は、私たち一人ひとりを取り巻く働き方をめぐる問題を現実的にとらえ、解決の方策を見出す視座を育成することを目的としています。(朝日カルチャーセンターでの講座をもとに構成)
佐藤さんが働き方について論じるときに、常に念頭に置いているのは2つの論理です。
1つ目は、マルクスが『資本論』で説いた経済の論理。資本主義社会で、労働者がいくら努力して、朝から晩まで働いても大金持ちにはなれない。労働力商品の価値(賃金)は、労働力を再生産させるのに必要な商品やサービスを購入する価格で天井が定められているからです。
また現在、大学卒の事務職が行っている仕事のかなりの部分が、今後10年以内にAIによって代行されることはまず間違いない。この産業構造の転換に備えて、文科系、理科系の双方にわたる基礎教養を身につけることが死活的に重要になります。
2つ目は、『聖書』の論理。人々は互いに助け合って生きている。この現実を忘れずに、隣人のために尽くす生き方をしたほうが、人生が楽になります。
【my pick-up】
◎AIの時代になってもなくならない税理士の仕事
税理士の仕事っていうのは、税務署と交渉しながら税額を決めることだから、そこにはすごく、人間的な要素があるわけ。だからAIの時代になってもなくならない。しかし公認会計士は、国際会計基準に基づいて、インドとフィリピンの公認会計士と競争するからね。今後ますます厳しくなっていく。
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