評価 (3点/5点満点)
この本で言う「会計思考」とは、儲かるためには何をどうやればいいのかを常に考えて動くということです。
しかしビジネスの現場では、非会計思考的なやりとりが多くなされています。
・現場の社員は、売上はかろうじて意識しているが、利益への理解が乏しい。
・会計上の「予算」を、使える金額の上限とはき違えている人もいる。
本書は、会計に関する体系立てた理論書というよりも、入門書であり実務書です。
会計とか数字に対する現場の抵抗感は根強いものがあると思います。しかし、スピーディーに効率よく成果を出すことを求められる昨今、数字感覚、会計思考は必須の教養として位置づけられます。
日々の仕事に会計思考を取り入れることで、皆さんのプレゼンの説得力は増し、目標達成に対するモチベーションは上がるはずです。
【my pick-up】
◎現場で働く社員に予算感覚が必要な理由
3月決算の会社だと、1月の正月明けから3月中旬までが来期の予算を立てる時期になります。3月末までの実績値を予測しながら、その数字と比べて来期予算の金額を決めていくので大変な作業になります。予算と実績を比べて差異が出たら、差異の原因を分析し、軌道修正に役立たせるのです。「予算を±5%を超えていたら差異分析する」などとルール化しておくべきでしょう。何年か予算を作って実行するうちに、それほど予算結果はズレなくなります。また、1年後の貸借対照表(BS予算)も作るべきです。
◎月次決算を早期化することの意義
決算書は社長にとっての成績表と言ってもよいでしょう。月次決算書も、翌月15日や20日過ぎにしかでき上がらないのであれば、使い物になりません。翌月5日とか6日ぐらいにできあがれば、その月にどのような手を打てばよいかを判断し、実行に移せます。なぜ月次決算書が遅くなるのか?それは、現場の担当者が資料や情報を提出するのが遅いからです。月次決算が早い会社ほど会社全体の実務能力が高いと評価されるし、予算管理を充実させることによって、月次決算(実績)が出たタイミングで予算と実績の差異分析を行い、その結果を通してすぐに改善策を打つことができます。
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