評価 (3点/5点満点)
この本は、個人や職場の礼節を高める方法を解説した、実用的なガイドブックです。
無礼な態度の横行する会社が、どのくらいの金銭的損失を被っているのか。職場で誰かに無礼な態度を取られていると感じた人は、次のような行為に出ることが分かっています。
・仕事にかける労力を意図的に減らす
・仕事にかける時間を意図的に減らす
・仕事の質を意図的に下げる
本書を読めば、礼節ある快適な職場を作ることが、そこで働く人にとって、また会社にとって、そして社会全体にとってどれほど重要なことかが理解できると思います。
優しく思いやりのある態度を取ることや、敬意ある態度を取ることにどれほど大きな力があるか。礼節ある態度で相手に接すれば、相手もそれに合わせて同じように良い態度で接してくれるでしょう。
礼節を高めるため、今よりほんの少しだけ努力するよう読者を促してくれる内容です。
【my pick-up】
◎「食う・眠る・動く」で自分を大切にする
運動には大きな効果があることがわかっている。私が調査対象とした人の中でも1週間に3日以上運動する人は、そうでない人に比べ、仕事が順調と感じているという傾向が見られた。自分の仕事が順調だと感じている人は、誰かに無礼な態度を取られてもうまく対処できることが多い。また、自分自身が他人に無礼な態度を取ることは少ない。
睡眠も運動と同じく重要だ。睡眠不足はその人の態度に悪影響をおよぼす。睡眠が不足すると、脳内のブドウ糖の量が減り、それが自己制御、自己規制の能力の低下につながる。つまり、言動が無礼なものになりやすいということだ。睡眠の量、質が低下すると、他人に対する寛容度が下がる。睡眠不足は、リーダーとその部下の間の関係も悪化させる。また、同僚間で助け合う気持ちも減退させる。
睡眠の他には、栄養にも注意しなくてはならない。平日、勤務中の血中ブドウ糖濃度を適切に保つためには、1回の食事を軽くして、食事の回数を多くするのがいいだろう。
運動、睡眠、栄養の他には、精神の鍛練も有効だ。週1回のヨガによって、ストレスレベルが3分の1、軽減される。